英語新聞ウォールストリートジャーナル(WSJ)から見た起業・ビジネスのヒント

英語がわからなくても最新アメリカビジネス事情を知りたい人、集まれ!
グローバルビジネスマンなら必読の英語新聞「THE WALL STREET JOURNAL(ウォールストリートジャーナル)」。ウォールストリート・ジャーナル研究家の高尾亮太朗が、最新の記事を解説し、起業・ビジネスのヒントを提供いたします。

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【546号】アメリカで減少する自動販売機、その新たな活用法とは?
 

自動販売機By Svadilfari


◎本日のニュース

1)見出し
Restocking the Old Vending Machine With Live Bait and Prescription Pills
【出典】
http://goo.gl/3znh0

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2)要約
アメリカでは、自動販売機が減少している。

2007年と2010年を比較すると、
稼働台数で134000台減少し、売上金額は11%
減の422億ドルまで低下した。

減少したのは、社会経済の変化によるところが大きい。
食料品や燃料費が上昇した一方で、消費者は1ドル札以上の
金額を支払うのを渋るようになった。また、
自販機販売の多いスナック菓子や炭酸飲料を、
健康に良くないモノとして敬遠する人が増えた。
さらに、景気後退により、工場・
オフィスの規模縮小や休憩時間の短縮も、
自販機の利用を減らしている。若者の現金離れも、
現金決済が一般的な自販機には逆風となった。

しかし、起業家による自販機の新しい取り組みも行われている。
例えば、生きた餌や処方薬、電気製品の販売などである。
古いタバコ用自販機を改造して、単価の低い美術品販売の利用する
企業もある。さらに、タッチスクリーンやクレジットカード・
スマート フォン決済の採用など、IT化を促す動きもある。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
Long a cultural icon, the vending machine is fading
from the American landscape.

4)キーとなる英文の和訳
長年文化の象徴であった自販機は、
アメリカ社会から姿を消しつつある。

5)気になる単語・表現
icon名詞偶像;象徴、図形記号
vending machine名詞自動販売機
fade 自動詞しぼむ;色褪せる
landscape名詞景色;地形;展望

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
アメリカの自動販売機ビジネスは、大きく衰退している。
2007年と2010年を比較すると、以下のようになる。
【稼働台数】134000台減少
【売上金額】11%減少(422億ドルに減少)

このような変化が起きたのは、以下の外部要因の変化のためである。
1.現金支出による節約志向→1ドル以上の商品の売上減
2.健康志向→
不健康と嫌がられるスナック菓子や炭酸飲料の売上減
3.景気後退による人員減や休憩減→職場自販機での売上減少
4.若者の現金離れ→現金しか利用できない自販機での売上減

逆に、これらの要因を解決する方法を講じれば、
自販機の売上を伸ばすことができる。ただ、
そのためには大きな投資が必要となる。
90%
以上が年間売上500万ドル以下の中小企業である自販機業界では
その投資は大きなハードルとなり、
外部環境の変化に対応できていない。
だから、自販機ビジネスが衰退することとなる。

一方で、この自販機ビジネスの閉塞感に風穴を開けようとする起業家もいる
。記事で紹介されているのは、以下の事例。
◯生きた餌の販売→ガソリンスタンドに設置。
遠くの餌販売店に行く手間が省ける。ただし、停電が起これば、
大きな損失につながる。
◯処方薬の販売→診療所に設置し、
医者のコンピューターシステムと連動。
患者の本人確認と処方箋を特殊コードで認証。
◯メディア・電化製品の販売→DVDレンタル、
ヘッドホンなどの販売。
◯美術品の販売→古いタバコ用自販機を活用。
小さな芸術作品を5ドルで販売。
美術館やギャラリー、ホテル、レストランなどに設置。
年間3万作品を販売。
作品は300人の芸術家が供給。売れれば、供給した芸術家に2.
5ドルを支払い。
販売だけでなく、知名度向上の役割も果たす。
◯IT化→タッチスクリーン、
クレジットカードやスマートフォン決済など
キャッシュレスリーダー、無線接続を設置。通常の自販機よりも
年間500〜1000ドル多く売り上げる。ただし、
そのための投資は数千ドルにも及ぶ。

これらは自販機の強みを生かししつつ、自販機衰退を招いた社会の変化に
対応した試みと言える。まとめると、以下のようになる。
1.利便性の追求→
遠くへ買いに行く手間や手続きを踏む手間が省ける、
IT化によるキャッシュレス決済が可能になる
2.広告媒体としての活用→人目に触れる場所にある、
タッチスクリーンによる目新しさ

1は、自販機の一番の強みである「その場ですぐに購入できる」に加えて、
現金離れの進む若者にも対応している。
24時間営業のコンビニやスーパーが
その競合となるが、競合が扱わない商品(生きた餌や処方薬、
美術品など)を
販売すれば、店舗に勝てるだろう。

2については、美術品でその効果が発揮されている。自販機は人が集まる場所に
設置されることが多い。そのため、広告媒体となり得る。さらに、
スナック菓子や飲料などではない特殊な商品を自販機販売すれば、
自販機が注目される可能性が高まり、
広告媒体としての価値が高まる。
タッチスクリーンの採用などIT化を進めれば、
その特殊性は更に増すだろう。

これらの点を日本国内で考えると、次のような活用方法はできないだろうか。
1.買い物難民対策としての利用。
コンビニやスーパーの移動販売車が
週に1回来ても、その日に買いにいけない人もいるだろう。
日常必需品を自販機で販売すれば、その課題を解決できる。
2.
自販機を設置した場所に来る人の属性を考えた広告を自販機に掲載すれば、
自販機はリアルの通販サイトのような存在になる。
その広告から本当の通販サイトに
QRコードでつなげれば、広告効果を計測できる。
上海の駅でネットスーパーを展開する一号店がその好例。

日本では、節電要請により何かと批判される自販機。
ただ飲料を販売するだけではもったいない。その強みを活かせば、
いろんなビジネスに活用できるだろう。

一号店(中国語) http://www.yihaodian.com/1/

***************************
《今回のヒントのまとめ》
1)アメリカの自販機ビジネスが衰退してきたのは、
外部環境の変化に対応できなかったからである。
現金離れ・健康志向・
職場での台数減少などの変化に対応するためには、
大きな投資が必要で、その投資に踏み切れる企業が少なかった。

2)一方で、この自販機を活用する起業家も出現している。
これまでの自販機が販売しなかった商品を販売したり、
タッチスクリーンやキャッシュレス決済などのIT化を進めたりし
ている。

3)この新たな動きは、自販機の強みを活かしつつ、
外部環境の変化に対応した試みと言える。それは、
利便性の追求と広告媒体としての活用である。

4)利便性の追求とは、遠くに買いに行くことや
手続きを踏むことなどの手間が省けるということである。
キャッシュレスもこの部類に入る。
自販機は概して多くの人が集まる場所に
設置されるため、広告媒体として活用できる。
意外なモノやIT化によって、
広告媒体としての価値は更に高まるだろう。

5)日本でもこの二点を活かせば、自販機ビジネスが広がるかもしれない。
例えば、利便性を追求すれば、買い物難民対策として活用でき、
自販機にネット通販にリンクさせた広告を掲載すれば、
リアルの通販サイトのようになれだろう。

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編集後記
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かなり多くなりました。
花粉症なのは確かですが、風邪なのかもしれません。
まだまだ寒いですので、オシャレの先取りよりも
体調管理のための厚着をオススメします。

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
感謝・感謝・感謝です!

| 高尾亮太朗 | 中小ベンチャー | 19:27 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
【545号】米P&G,ブランド・技術をライセンス供与する理由とは?
 

P&GBy equanimal


◎本日のニュース

1)見出し
P&G's $3 Billion Sideline
【出典】
http://goo.gl/6ur3I

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2)要約
生活用品大手のP&Gは、特許を持つブランド・技術を
ライセンス供与することにより、低迷する事業を
テコ入れするだけでなく、高収益事業をさらに拡大させている。

ライセンス供与による収益は年間約30億ドルで、
3年前に開始した際に想定した金額以上の収益をもたらしている。
総売上約8260億ドルと比較すると小さな金額だが、
今後さらなる成長が見込めるとしている。

他の業界にブランドをライセンス供与することにより、
P&Gはそのブランドの影響力がわかるだけでなく、
妥当な価格を読み取ることができる。

P&Gがライセンス供与事業を積極的に行う背景には、
自社が定める事業領域への選択と集中を進める方針がある。
事業領域外に対しては、他社と提携することにより、
ブランド・技術から収益を生み出すことができる。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
Procter & Gamble Co. has been licensing out hundreds of
undeveloped patents, brands and rights to new products
as it tries to turn around some languishing businesses
and extend successful ones.

4)キーとなる英文の和訳
プロクター・アンド・ギャンブル社は、

数百にも及ぶ未開発の特許、
つまりブランドと新製品開発の権利のライセンス供与をしてきた。
この目的は、いくつかの不振事業のテコ入れや成功した
事業のさらなる進展を試みるためである。

5)気になる単語・表現
languish自動詞不振になる、しおれる
turn around自動詞句(経済などが)好転する;
ぐるりと向きを変える

and rights の前にカンマ(,)がないので、
brands and rightsはpatentsを具体化したものとして解釈。
patents とbrands とrightsが並列するなるならば、
patents, brands, and rightsとなる。

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
P&G(Procter & Gamble Co.)の特許のライセンス供与事例は以下の通りである。

1.ファブリーズ→家庭用ヘルスケア機器メーカーのカズUSA社(Kaz USA Inc.)の
香りコントロール縦型エアコンにライセンス供与、
イマジンワンリソーシーズ社(Imagine One Resources LLC)の
家庭用空気フィルターにライセンス供与
2.オーラルケアの技術→オーラルケアメーカーのオーララボ社(
OraLabs Inc.)と
ジョイントベンチャーを設立
3.パンパース→P&
GのOBが設立したニーヘミアマニュファクチャリング社
(Nehemiah Manufacturing Co.)の幼児用石鹸・ウェットタオルに
ライセンス供与(Pampers Kandooブランドとして展開)
4.調剤技術→元P&
Gの研究開発社が創業したアケビアセラピューティクス社
(Akebia Therapeutics Inc.)に出資

P&Gぐらいの規模・体力のある会社ならば、
外部にライセンス供与せずとも自社で開発・販売は可能だろう。
にもかかわらず、外部にライセンス供与するのは、
戦略があるからである。
その戦略とは、

事業領域内で強みを活かせる事業は自社で行うが、
強みを生かせない事業は他社に任せる

というものである。まさに、選択と集中。「事業領域」「強み」
を明確にしているからこそ、この選別が可能となっている。
ちなみに、4の調剤技術については、もともとP&
Gは調剤事業を行なっていた。
しかし、強みを発揮できないとして調剤事業を2009年に売却。
選択と集中は、ライセンス供与だけでなく事業売却という形でも
進めていることがわかる。

ただし、P&Gがライセンス供与で高い収益を上げられるのは、
強いブランド・有望な技術を持っているからである。逆に言えば、
強いブランド・有望な技術を持っていれば、P&
Gのように他業界の
企業にライセンス供与することが可能である。例えば、

家庭用製品メーカー(アップル、ソニー、カップヌードル、
コカコーラなど)
消費者向け小売店(セブンイレブン、ユニクロ、吉野家、
ロイヤルホスト、ヤマダ電機など)

で、高い知名度を持つブランドを持つ企業であれば、
そのブランドをライセンス供与することが可能だろう。
ライセンス供与による収益力の高さは、
原価が掛からないことによる。
メーカーならば原材料、小売店ならば製品を仕入れる必要がある。
しかし、ライセンス供与の場合は、
既に確率したブランドをレンタルするだけで、
原材料や製品仕入れのような変動費はほとんどかからない。
変動費がかからないので、
売上が伸びれば伸びるほど利益率は高くなる。

P&Gによるブランド・技術のライセンス供与から学べるのは、
事業領域・強みの明確化による選択と集中の推進
強いブランド・高い技術力を持つ企業の強み
である。

Kaz USA Inc. http://www.kaz.com/
Imagine One Resources LLC http://www.imagineresourcesllc.com/index.php
(音が鳴るので注意)
OraLabs Inc. http://www.oralabs.com/
Nehemiah Manufacturing Co. http://www.nehemiahmfg.com/
Akebia Therapeutics Inc. http://www.akebia.com/

***************************
《今回のヒントのまとめ》
1)P&Gは、自社の持つブランド・技術といった特許を
ライセンス供与することにより、想定以上の収益を上げている。
ライセンス供与が高い収益力を持つのは、製造・販売とは
異なり変動費が掛からないからである。

2)規模が大きく体力のあるP&Gが、自社による展開ではなく
ライセンス供与を行うのは、事業領域・強みを明覚にして、
事業の選択と集中を推し進めているからである。

3)また、ライセンス供与できる前提として、
強いブランド・高い技術力の存在がある。

4)強いブランド・高い技術力を持つ企業ならば、
P&Gと同様にライセンス供与を行い高い収益を上げることは
可能だろう。
ただし、そのためには、事業領域・強みの明確化、
そして選択と集中が必要となる。

*************************

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編集後記
昨日楽天で購入した自転車の空気入れが、早速届きました。
お昼ぐらいに注文したから、
24時間以内に届いたことになります。
この早さには驚きです。
なぜ、楽天を利用したか?
無意識です。これが楽天の強みですね。(
もちろん、ポイントの存在は否定できませんが。)

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感謝・感謝・感謝です!

| 高尾亮太朗 | マーケティング | 19:29 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
【544号】ホテル予約サイト・ゲストモブ、成熟市場に新規参入できた要因とは?
 

ホテルBy Love My Tours


◎本日のニュース

1)見出し
Guestmob Challenges Online-Travel Incumbents

【出典】
http://goo.gl/UhWGC

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2)要約
ホテル予約サイトのゲストモブが、

全米20都市でサービスを開始した。
このサービスの特徴は、都市・期日・予算を指定すれば、
3つ星以上のホテルが20〜50%割引できるというもの。
ただし、
宿泊日の数日前まで、どのホテルに泊まれるのかわからない。
3日前まではキャンセル可能で、全額返金される。

オンライン旅行代理店市場は、老舗のプライスラインや
エクスペディア、比較的新しいカヤック、
クーポンサイトのグルーポン・リビングソーシャルが
ひしめく成熟市場である。
ゲストモブはこの成熟市場に参入するために、
洗練されたアルゴリズムを開発した。このアルゴリズムによって、
指定した期日・ホテルの予約状況・料金を予測する。

さらに、顧客が購入してからホテルの客室を仕入れるので、
キャッシュフロー上有利に事業を運営できる。
これらの強みを活かして、
北米ホテル予約市場約6000億ドルのうち
50〜100億ドルの獲得を目指す。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
Drawing on years of research about travel, hotels and cities,
Guestmob employs sophisticated, proprietary algorithms
to predict occupancy in and demand for hotels for a given date.

4)キーとなる英文の和訳
旅行やホテル・都市に関する調査を何年も行った結果、
ゲストモブは独占所有権を持つ高度なアルゴリズムを開発した。
このアルゴリズムを使えば、指定した期日の
ホテルの予約状況や需要を予測することができる。

5)気になる単語・表現
draw on自動詞句〜を利用する、当てにする
sophisticate他動詞〜を世慣れさせる;〜
を複雑化する、精巧にする
proprietary形容詞所有者の;商標で守られた、
独占所有権のある

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
ゲストモブ(Guestmob)は、
正社員7名しかいないスタートアップ企業。
その創業間もない企業が、
オンライン旅行業界という成熟市場に参入した。
ちなみに、記事で紹介されたオンライン旅行業界の企業は、
老舗のプライスライン(Priceline)・ホットワイヤー(
Hotwire)・
エクスペディア(Expedia)・オービッツ(Orbitz)
・トラベロシティ(Travelocity)、
比較的新しいカヤック(Kayak)、
クーポンサイトのグルーポン(Groupon)・
リビングソーシャル(Living Social)である。

ゲストモブが、オンライン旅行業界という成熟市場に参入できた理由は、

既存企業が見逃していた旅行者の本当のニーズに注目したから

である。この本当のニーズというのは、

「予算内で特定の都市の3つ星以上のホテルに泊まりたい」

である。特に、どのホテルに泊まりたいわけではない。
一定のクオリティが担保された3つ星以上のホテルで、
旅行先の都市にあり、予算内で泊まることができればいい。
このニーズを持つユーザーの支持を得ることができる。

ただ、このニーズに注目することは、他の企業でもできる。
だから、参入後に似たサービスが出てきてもおかしくない。
そこで、このサービスを展開する上での参入障壁が必要になる。
これが、要約で説明したアルゴリズムである。
このアルゴリズムを使えば、
特定ホテルにおける特定期日の予約状況を予測できる。
この予測をもとに、客室料金を決める。ゲストモブは、
このアルゴリズムの独占所有権を持っているので、
このアルゴリズムを参入障壁として活用できる。
他社の利用できないアルゴリズムを持つという強みを活かしてこそ

旅行者の本当のニーズを満たすサービスを独占的に提供できる。

さらに面白いのは、このアルゴリズムを使うことによって、
販売前に仕入れ資金を調達することが不要になる
というメリットを享受できる。アルゴリズムによって予測した
ホテル予約状況・宿泊料金をもとに、特定日における特定都市の
ホテル宿泊料金をサイト上に掲載することができる。その結果、
ホテルの客室を仕入れることなく販売できる。そして、
販売数を確定後、特定都市にある3つ星以上のホテルと、
特定日の宿泊料金を交渉。交渉の結果、サイト掲載料金以内に
抑えることができれば、そのホテル客室を仕入れる。
客室の販売金額が仕入れ金額よりも高いことを考えると、
仕入れ金額は販売金額で賄うことができる。融資や出資などにより
仕入れ資金を調達する必要がなくなるので、キャッシュフロー上
有利に事業を展開できる。(もちろん、サイト掲載金額よりも
客室の仕入れ金額が高くなれば、自腹を切ることになる。)

ただし、たとえニーズを満たしても、そのサービスの使い勝手が悪ければ、
ターゲット層から支持を受けられるわけではない。この点でも、
ゲストモブは優位に立つ。ゲストモブの仕組みは、都市と
宿泊予定日を指定すれば、
その条件に当てはまる3つ星以上のホテルを
20〜50%引きの金額で予約することができる。一方、
同様のサービスを提供するホットワイヤーは、
ホテルのクオリティを担保できない。
また、オークションサービスは、高値が更新されると価格を何度も
提示しなければならない。このシンプルな利用方法も、
ゲストモブが成熟市場に参入できた大きな理由と言えるだろう。

まとめると、次のようになる。

【ゲストモブが成熟市場に参入できた理由】
1.
これまで見逃されていた旅行者の本当のニーズに注目したから。
2.シンプルなサービスを提供することにより、
そのニーズを満たしたから。
【参入を可能にさせた要因】
1.
将来のホテル需要を予測するアルゴリズムの独占所有権を持つから
2.アルゴリズムを利用することにより、
キャッシュフローへの負荷が掛からないビジネスモデルが可能とな
る。

成熟市場に新規参入する場合、ゲストモブのアルゴリズムのような
既存企業にはない強みが必要になる。そして、新規参入後有利に
事業を進めるためには、キャッシュフローへの負荷がかからない
ゲストモブようなビジネスモデルが必要となる。

Guestmob https://www.guestmob.com/

***************************
《今回のヒントのまとめ》
1)スタートアップ企業のゲストモブが、
成熟市場のホテル予約業界に新規参入できたのは、
既存企業がこれまで見逃していたニーズを見出すことが
できたからである。また、
シンプルなサービスを提供できたことも、
既存企業との差別化となり、新規参入を可能にさせた。

2)さらに、独占的に利用できるアルゴリズムのおかげで、
他社の追随を難しくさせるだけでなく、キャッシュフロー
上有利に事業を展開できることになった。

3)このように、成熟市場に新規参入する場合、
既存企業が見逃しているニーズを見出し、
そのニーズを持たすサービスをシンプルな形で提供する必要がある

4)これらを可能にさせるのが、他社にはない強みの存在であり、
事業を有利に展開できるビジネスモデルである。

*************************

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編集後記
先週末は友人の結婚式に参加しました。
(参加したみなさん、お疲れ様でした。)
久しぶりに合う友人もおり、学生時代の話に華が咲きました。
何でも話せる友人は、本当に宝ですね。
これで、昨年9月から続いた結婚式参加シリーズ三部作は終了。
それにしても、結婚式の形っていろいろあるんですね。
勉強になりました。

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
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| 高尾亮太朗 | ネット | 19:57 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
【543号】米書店バーンズ&ノーブル、売上増に貢献した実店舗の企画とは?
 

バーンズ&ノーブル

By Melinda Taber


◎本日のニュース

1)見出し
Boutiques at Barnes & Noble
【出典】
http://goo.gl/541pI

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2)要約
全米最大手の書店バーンズ&ノベルズは、
昨秋導入したばかりのペンギン・ブックスの
本と関連グッズの売り場を、
既存店舗に広げる方針を示した。その理由は、
この売場の売上が好調だからである。

この小さな売場の特徴は、オンライン書店にはない
体験を提供できる点である。そのため、
これまで販売していたペンギン・ブックスの売上を
奪うことにはならず、売上のプラスの影響を与えている。
ペンギン・ブックスにとっても、全米最大手の店舗で
販売できるチャンスを得ることになる。

この販売手法は、従来の書籍や電子書籍を販売する
オンライン書店に対抗する措置として、採用された。
ペンギン・ブックスだけでなく、玩具・ゲームや
電子書籍端末のヌークの販売にも活用されている。
その結果、玩具・ゲームとヌークの販売は
大きく増加することになった。

ただ、ブランドごとの複数の売り場を展開する百貨店のように、
ペンギン・ブックスで成功した売り場をその他出版社に
広げる予定はない。それは、ペンギン・ブックスのような
品揃えができないからである。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
Barnes & Noble Inc. is expanding a nascent effort
to install boutiques within its stores selling books
and other items associated with the Penguin publishing house,
the latest step by the retailer to boost store revenue
amid a shift toward e-books and sales of physical books online.

4)キーとなる英文の和訳
バーンズ&ノーブル社は、最近導入したばかりであるが、
ペンギン・ブックスの本と関連商品を販売する
売り場の店舗内設置を、広げる予定である。
この販売手法は、その書店が採用した最新の対策である。
この対策によって、電子書籍や従来の書籍を販売する
オンライン書店に対抗して、

実店舗での売上を伸ばそうとしている。

5)気になる単語・表現
nascent形容詞生まれようとする;発生期の;初期の
boutique名詞流行の婦人服・装身具などを売る小さな店
(コーナー);小規模専門店
associate他動詞〜を連想する;〜を連合(関係)
させる、
physical形容詞現実の、実際の;物質の、自然の;有形の

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
バーンズ&ノーブル社(Barns&Noble Inc.)が、
既存書店に導入したペンギン・ブックス売り場に関する記事。
この売場での売上が好調なので、導入店舗を広げようとしている。
昨年秋から導入を初め、
今のところ10店舗まで導入が完了しいている。
今後25店舗追加するという。

この売場が消費者に受け入れられているのは、
単にモノを買えるだけでなく、体験できるから
である。ペンギン・ブックスの売場には、
ペンギン・ブックスが出版する書籍だけでなく、
ペンギン・ブックス関連のグッズ(トートバック、
ノート、マグカップなど)も販売している。よって、
この売場に行けば、ペンギン・
ブックスが持つ世界観を体験できる。
これは、オンライン書店にはできないし、
棚や机など書店の通常売場でもできないことである。

同じ事は、電子書籍端末ヌーク売場や玩具・ゲーム売場でも成立している。
つまり、これらの売場に行けば、
ヌーク売場→ヌークを実際に使うことができ、
その便利さを体感できる。
玩具・ゲーム売場→おもちゃ・ゲームを実際に使うことができ、
その面白さを体験できる。
ということができる。

つまり、バーンズ&ノーブルは、
1.商品を体験できる=ネット通販にない実店舗の持つ強み
2.モノだけでなくそのブランドの持つ世界観を表現=
総合売場にはない専用売場の強み
の2点を生かしたことになる。そして、その結果、
1.商品を体験できる→ネット通販から顧客を奪還
2.ブランドの世界観を体感できる→ブランドの既存顧客以外の
新規顧客の獲得
ということが起こり、売上増に結びついている。

この記事を読んで思い出したのが、日本の百貨店。
日本の百貨店も、バーンズ&ノーブルと同様、実店舗を持ち、
さらにブランドごとの売場を店舗内に展開している。しかし、
1.商品を体験できる→店員さんの売り込み臭を強く感じる、
そもそも買いたい商品が少ない
2.ブランドの世界観を体感できる→単にモノを陳列した売場で
独自性が小さい(
ブランド路面店や他の百貨店と差別化がなされていない)
というのが実態ではないだろうか。その結果、
15年間も連続して、
売上減少に陥ることになったのではないか。この二点を極めれば、
実店舗はその強みを発揮することによって、
ネット通販に負けないだろう。

バーンズ&ノーブル http://www.barnesandnoble.com/
ペンギン・ブックス http://us.penguingroup.com/

***************************
《今回のヒントのまとめ》
1)全米の書店最大手バーンズ&ノーブルが店舗内に設置した、
ペンギン・ブックスの売場は、好調な売上を記録している。
同じ事は、電子書籍端末ヌークや玩具・
ゲーム売場にも当てはまる。

2)これらの店舗内売場が消費者に受けている理由は、二つある。
一つは、商品を体験できるからである。これは、
オンライン書店にはない強みである。その結果、
オンライン書店から顧客を奪還できる。

3)もう一つは、専門売場によりその世界観を体感できるからである。
オンライン書店にないだけでなく、
書店の従来の売場にもない強みである。
その結果、
売場が展開する商品にこれまで興味のなかった消費者を、
新たに獲得できる。

4)この結果、バーンズ&ノーブルは売上を伸ばすことができた。
今後、ペンギン・ブックス売場を既存店舗に広げる方針でいる。

5)商品を体験できること、そして専門売場により
その世界観を体験できることを極めれば、
実店舗はネット通販に負けないだろう。
それが欠けているからこそ、
日本の百貨店は、15年間も売上が減少している。

*************************

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編集後記
百貨店を思い出したのは、今週の週刊ダイヤモンドで
特集記事があったから。
売上減少の底打ちはまだ先のようですが、これから
高齢者が増えることを考えると、百貨店へのニーズは
まだまだ存在する、と予測しています。
そのキーワードは、御用聞き。
信頼度の高さ、そのブランドを活用すれば、
百貨店が高齢者消費のハブになれるかもしれません。

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| 高尾亮太朗 | 小売業 | 19:49 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
【542号】米小売企業によるDMメールの変化、その変化はメールだけに留まらない?
 

メールBy Ian Broyles


◎本日のニュース

1)見出し
Stores Smarten Up Amid Spam Flood
【出典】
http://goo.gl/5agx8

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2)要約
アメリカの小売業界で、

通販サイトへ誘うDMメールを見直す企業が増えている。
メール送信数の削減や内容のカスタマイズにより、
開封率・クリック率・DM受信解除率の改善を目指す。小売企業がメール販促を改良する理由は、
ネット通販が実店舗の売上増加率の2倍以上で成長している一方で

フラッシュセールサイトや格安クーポンサイトとの競争が
激化しているからである。

これまでは、DMメールを通販サイトでの売上を生み出す強力なツールとして、
送信数を最大化することが是とされていた。
しかし、大量のDMメールに興味を失った顧客がメールの開封や
クリックをしないばかりか、メール受信を解除することにより、
売上への寄与度が小さくなっている。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
Amid signs that the sheer volume of email is starting to
turn customers off, some retailers have begun pulling back,
reducing their mailings and fine-tuning their marketing tactics.

4)キーとなる英文の和訳
莫大な量のメールが徐々に顧客をうんざりさせているようなので、
一部の小売企業は、メール数を減らすことやマーケティング戦術を
改良することで、メール販促を控え始めている。

5)気になる単語・表現
sheer volume of形容詞句膨大な量の
sheer形容詞まったくの、真の
turn off他動詞句〜をうんざりさせる
pull back自動詞句後退する、手控える
fine-tune他動詞〜に微調整を加える

andの前にカンマがないので、andが結ぶのはreducingと
fine-tuningであることがわかる。(pulling backはandで結ばれていない。)
よって、両者はpulling backを言い換えたもとの判断できる。

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
ネット通販を行う小売企業が採ったDMメールの改善策とは、
次の二つである。
1.送信数を削減
2.内容をカスタマイズ
これらの事例として紹介されているのは、以下の通り。
◯ニコールミラー社(Nicole Miller Inc.)→送信数の削減
(週三通を一通に変更)、内容のカスタマイズ
◯JCペニー社(J.C.Penney Co.)→送信数の削減
(一日一通を週三通に変更)
◯ゲームストップ社(Gamestop Corp.)→内容をカスタマイズ
(顧客を一般会員とロイヤリティ会員に二分化)
◯ニーマン・マーカス(Neiman Marcus)→内容をカスタマイズ
(ネット購入履歴・クレジットカードに紐付けた実店舗購入履歴・
自社サイトクッキーによって内容を変更)

そして、これらの対策による結果は、以下のようになったという。
◯ニコールミラー→メール受信解除率が下落、
開封率が15%から40%に上昇、メール由来の売上金額が10%
から17%に上昇
◯ゲームストップ→ロイヤリティ会員のメール開封率が30%
以上に改善
(一般会員の3倍以上)
◯ニーマン・マーカス→開封率・クリック率は10%上昇し20%

つまり、これらの小売企業は、従来採っていたメール送信数の
最大化という方法から、メール品質の最適化という方法に
変更することによって、
メール販促の効果を上昇させたことになる。

従来、広告はその出現頻度が高まるほど、効果は高くなる。
(テレビCMが好例)それは、広告を見る時間・人数が多くなり、
認知度が高まるからである。認知度の高まりは、
売上増加に直結する。DMメールの場合も、
メールを読む時間・人数が増えることで、売上増加につながる。
さらに、例え開封されなくても、
メールボックス内での出現は担保される。
よって、DMメールはその送信数を最大化すれば、
効果は高まることになる。

しかしメールには、通常の広告と違い受信解除という選択肢がある。
受信者が読みたくないと判断したメールは、
受信拒否することができる。
だから、送信数を最大化されたDMメールは、
その量にうんざりした
顧客に受信拒否され、メールボックス内での出現もできなくなる。
よって、顧客に支持されるような送信頻度・
内容に変える必要がある。
双方向性を持つメールだからこそ、
受信者が好むような内容が求められる。

このように、小売企業がDMメールの送信方法を変えた理由は、
メールが双方向性を持っているからである。同じ事は、
フェースブックなどのSNSにも当てはまる。さらに、
ソーシャルな要素を持つサイトが多くなると、
露出の最大化が是とされたディスプレー広告や動画広告でも、
見る人が反応しやすい内容に変える必要が出てくるだろう。

***************************
《今回のヒントのまとめ》
1)これまで送信数の最大化を目指したDMメールについて、
送信数の削減や内容のカスタマイズ化を行う米小売企業が増えてい
る。

2)その理由は、膨大なDMメールにうんざりした顧客の開封率・
クリック率が減少し、さらにはメール受信解除率が上昇し、
効果が薄くなっているからである。

3)一般的に広告は、その露出が増えれば増えるほど、
認知度が高まり、その商品の売上は拡大する。
従来のDMメールも、
同じ事が当てはまるだけでなく、開封されなくても
メールボックス内での露出を高めることができた。

4)その効果が減少したのは、メールが双方向性という特徴を
持つからである。双方向性ゆえに、不要なメールを拒否できる。

5)同じことは、フェースブックなどのSNSやソーシャル要素の
強い一般サイトでも当てはまる。露出よりも、
見る人が反応しやすい内容が重要になるだろう。

*************************

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編集後記
週末は、USJに行きました。
約10年ぶりに行ったのですが、思ったよりも
混んでいたのにはびっくり。
また、いろいろ発見もありました。
詳しくは、公式サイトのブログにて。

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| 高尾亮太朗 | 小売業 | 19:18 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
【541号】ビジネス客をターゲットとするホテルに必要なこととは?
 

ホテルBy Toprural


◎本日のニュース

1)見出し
Hotels Try Harder to Woo Business Customers
【出典】
goo.gl/DKcUA

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2)要約
金融危機後、世界中のホテルは、

ビジネス客の取り込みに苦労している。
その理由は、企業が宿泊費を節約しようと、
その経費にうるさくなったからである。

そのため、これまで部屋代とは別に徴収していたサービスを、
部屋代に組み込むホテルが、人気を博している。
このようなサービス精神旺盛なホテルは、
規模の小さなブティックホテルが多い。

一方、チェーン展開する大規模なホテルを好むビジネス客もいる。
その理由は、そのブランドによる安心感を持てるからであるが、
ロイヤリティプログラムを活用できる点も大きな理由である。
大規模ホテルでは必要な設備がホテル内で揃うことも、
仕事効率を優先したいビジネス客が注目する点である。

臨機応変なカスタマイズサービスを重視するビジネス客もいる。
その理由は、時間を有効に使えるからである。
いずれの場合であれ、ビジネス客がホテルに求めるのは、
サービス内容の明瞭さ、誠実さ、割安さである。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
Meanwhile, in these economically difficult times,
finance directors in companies large and small are
checking executives' business expenses with unprecedented,
even forensic, attention.

4)キーとなる英文の和訳
一方では、景気が低迷している今、
財務責任者はその企業規模にかかわらず、
幹部の経費を精査している。
それは、これまでにない細かいもので、
まさに法廷で使われるような注意力である。

5)気になる単語・表現
meanwhile副詞一方では;その間;そうしている時に
director名詞管理者
unprecedented形容詞先例のない
forensic形容詞法廷における

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
金融危機後、
節約志向のビジネス客から人気を得ているホテルの特徴は、
いかにまとめることができる。
1.従来は追加に課金していたサービスを無料で提供する
2.顧客ロイヤリティプログラムがある
3.顧客に合わせたカスタマイズサービスを提供する

1は、無料提供のサービスをホテルが決めるパターンと、
顧客が選択できるパターンがある。ビジネス客は
明細のある請求書を求めるので、仕事上不要とされる
サービスが請求書に書かれてあると、
経理担当者から問いただされる可能性がある。
これを避けるために、一部のビジネス客は、
自分でサービスを選べるパターンを求める。

2は、個人のロイヤリティプログラムを使えば、
出張でポイントが貯められるという利点がある。
経費を一定額に抑えれば、経理担当者から聞かれることはない。

3は、時間を有効に使いたいビジネス客が好む。
急な仕事に対応しなければならないこともあるし、
もしくは仕事の後にチケットが入手しにくいイベント
に参加したい場合もある。これらに対し臨機応変な対応があると、
出張全体が充実したものになるため、顧客の満足度は高まる。

これら3点に共通するのは、
支払者ではない利用者の本当のニーズに答えている
ということである。

法人が商品を購入する場合、
同じ商品ならばできるだけ安く買おう
とする。出張時の宿泊も、ホテルの部屋の一日利用権を
購入していることにほかならない。特に景気低迷期には、
経費削減をする場合が多く、価格に敏感になる。
今がまさにその時で、企業幹部の出張宿泊費も、
経費削減の対象となっている。そのため、無駄な経費がないか、
経理担当者が目を光らせている。支払者は、もちろん企業である。

企業のこの経費削減要望を満たす方法として、
ホテル側が宿泊料金を下げることを考えても不思議ではない。
しかし、実際にホテルを利用するのは、企業幹部である。
いくら価格を下げたところで、幹部に気に入られなくては
泊まってもらえない。そこで、一定の金額に抑える条件で、
幹部の本当のニーズを満たす必要がある。

この本当のニーズに合わせたのが、上記の3つの特徴である。
まとめると、以下のようになる。
1.快適にすごしたいニーズ→有料サービスを無料化、
無料サービスを選択可能に
2.個人的に得をしたいニーズ→
顧客ロイヤリティプログラムの提供
3.時間を有効に使いたいニーズ→カスタマイズサービスの提供

このように、利用者と支払者が異なる場合、商品を販売につなげるには、
利用者の本当のニーズを満たす必要がある。
特に企業が支払者の場合、
そのニーズは低価格であるが、単に価格が低いというだけで
売れるわけではない。

***************************
《今回のヒントのまとめ》
1)景気低迷期の今、
企業幹部の出張費も経費削減の対象となっている。
そのため、ビジネス客を取り込むのに、
ホテルは様々な工夫をしている。

2)その工夫は、価格を下げることではない。利用者である、
企業幹部の本当のニーズを満たす工夫である。

3)このように利用者と支払者が異なる場合は、
支払者のニーズを満たすだけでは販売にはつながらず、
利用者の本当のニーズを満たす必要がある。

4)特に、価格に敏感な企業が支払者の場合は、
単に低価格だけで売れるわけではない。

*************************

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編集後記
先日、携帯決済システムに関する記事を書きましたが、
その後、
ANAEdyカードが財布の中にないことに気づきました。
いやぁ、焦りましたね。もしかして、
どこかで落としたんじゃないかって。
メールで毎月残高を知らせてくれるのですが、
残高を見ると150円ほど残っていたので、
落とした可能性はないと読みました。
それから、部屋の中を探すこと20分ほど。
カード類を置いているラックに落ちていることを発見。
本当によかったですが、落としたらお金は戻ってこない
プリペイドカードの盲点を再認識しました。
みなさんもご注意を。

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| 高尾亮太朗 | ホスピタリティマネージメント | 19:31 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
【540号】電子決済システム開発で、米大手小売が結集した理由とは?
 

◎本日のニュース

1)見出し
Retailers Join Payment Chase
【出典】
http://goo.gl/1YosW

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2)要約
ウォルマート・ターゲットなど大手小売約24社が、
共同で携帯決済システムを開発し、グーグル社や
大手通信会社に対抗する。

小売企業が携帯決済システムの開発に着手するのは、
より手軽で素早く支払いを済ませたいという顧客ニーズを
満たすためである。これにより、
顧客ロイヤリティの向上を期待する。さらに、
決済だけにとどまらず、特定の顧客に限定した割引や
クーポンの発行など販促での利用もできる。また、
現在提供されているシステムに、セキュリティや
プライバシーの問題があることも、小売企業による
システム開発に起因している。

ただ、IT企業・通信企業・金融機関・クレジットカード企業・
小売企業が携帯決済市場の主導権を争うことで多くの仕様が乱立し


消費者が混乱するのではないかとの懸念もある。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
Wal-Mart Stores Inc. and Target Corp. are among
roughly two dozen retailers working together
to develop a mobile-payments system to compete with
similar products from Google Inc. and big cellphone companies,
according to people with direct knowledge of the project.

4)キーとなる英文の和訳
ウォルマート社やターゲットなど約24の小売企業が、
共同で携帯決済システムの開発を行なっている。
このシステムは、グーグル社や大手携帯電話企業が
開発する類似した商品と競合することになる。
ちなみにこれらは、この計画を直接知る
という人からの情報である。

5)気になる単語・表現
roughly副詞おおよそ、概略で;乱暴に;粗雑に
dozen形容詞1ダースの、12の
compete with自動詞句〜と競争する;〜に匹敵する

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
携帯決済システムについては、以前のメルマガでも紹介した。

【515号】携帯決済サービス・グーグルワレット利用を拒絶した
ベライゾンの目的とリスクとは?
http://goo.gl/SNHns

【464号】ベライゾン、
ペイフォンとの新決済サービスは競争激化の証。
http://goo.gl/nPwFD

これまで携帯決済システムを開発してきたのが、
グーグル社(Google Inc.)が中心のグーグルワレット
(Google Wallet initiative)陣営と大手携帯電話キャリアが
中心のアイシス(ISIS venture)陣営。この競争に、
ウォルマートストアーズ社(Wal-Mart Stores Inc.)・
ターゲット社(Target Corp.)などの大手小売連合が参入してきた。
また、記事の終わりの方に少し触れられているが、
ペイパル(Paypal)も参戦している。
参加企業をまとめてみると、
◯グーグルワレット陣営→グーグル社、
シティグループ社(Citigroup Inc.)、
マスターカード社(MasterCard Inc.)、
スプリント・ネクステル社(Sprint Nextel Corp.)
◯アイシス陣営→AT&T(AT&T Inc.)、
ベライゾン・ワイヤレス(Verizon Wireless)、
TモバイルUSA(T-Mobile USA)
◯大手小売陣営→ウォルマート社、ターゲット社、
アーロンブランズ社(Alon Brands Inc. セブンイレブンや
ガソリンスタンドを運営)など合計年商1兆3800億ドルの
量販店・ドラッグストア・自動販売機・ファストフード店を
運営する大手小売企業
◯ペイパル→ペイパル
になる。

これら多くの企業が携帯決済市場に参入するのは、
成長市場であるから。その成長市場で主導権を握れば、
大きな手数料収入を獲得することができる。そこで、
なぜこれらの企業が参入するのかを考えてみたい。
参入企業を分類すると、以下のようになる。
◯IT企業(グーグル、ペイパル)
◯通信企業(スプリント・ネクステル、AT&T、
ベライゾン・ワイヤレス、TモバイルUSAなど)
◯金融機関(シティグループ)
◯決済代行企業(マスターカード、ペイパル)
◯小売企業(ウォルマート、ターゲット、アーロンブランズなど)
携帯決済市場における各企業の強みを分析すると、
以下のようになるだろう。
◯IT企業→高度な技術を活用して、システム開発で
強みを発揮できる。
◯通信企業→携帯端末と契約者を活用して、
システム開発・ユーザー集客で強みを発揮できる。
◯金融機関→決済機能と口座を利用して、
決済開発・ユーザー集客で強みを発揮できる。
◯決済代行企業→決済機能と会員を利用して、
決済開発・ユーザー集客で強みを発揮できる。
◯小売企業→店舗数と顧客を利用して、
店舗集客・ユーザー集客で強みを発揮できる。

これら5つを比較すると、小売企業のみが
店舗集客という強みを持つことがわかる。

携帯決済システムとは、携帯電話を特別なリーダーにかざすことで、
支払いを行えるという仕組み。つまり、実店舗での利用を
想定している。よって、システムを利用できるようにするには、
ユーザーを集めるとともに、
リーダーの設置店舗を増やす必要がある。

また、クレジットカードや小切手との違いは、
◯クレジットカード→与信を持つ人のみ利用可能、
サインまたはコード入力が必要
◯小切手→銀行と契約した人のみ利用可能、
金額とサインの記入が必要
◯携帯決済システム→携帯電話を持つ人のみ利用可能、
リーダーにかざす必要あり
である。携帯決済システムの利用可能母数は、
クレジットカード・小切手よりも大きく、
さらに利用の手間も小さいとなると、
普段の買い物がその主要な利用シーンと想定される。

このように考えると、大手小売連合は、ディスカウントストアや
コンビニ・ガソリンスタンドなど、普段利用する店舗を持つ
強みを発揮できる。さらに、実店舗で顧客と接触できることは、
携帯決済システムユーザー獲得をより容易にさせる。
一方で、普段利用する店舗を持たない他の4企業群は、
利用可能店舗を開拓する必要があり、さらに顧客とは
フェースツーフェースで会う機会が少ないので、
ユーザー獲得のハードルは大手小売連合よりも高くなる。
大雑把に言えば、大手小売連合は、システム開発さえできれば、
すぐにでも携帯決済システムを開始することができるほど、
優位に立つ。

販売で競合する企業が、共同で携帯決済システムを
開発することにより、決済機能での差別化が難しくなる
という問題は抱える。顧客ロイヤリティが相対的である
ことを考えると、ロイヤリティにどの程度役立つかのか
疑問がないわけではない。ただ、この問題は、
システムに自由度(例えば、決済機能の仕組みは統一し、
ロイヤリティ機能は各自追加できるようにする。)を
持たせることである程度の解決は可能だろう。

小売企業に、実店舗と顧客を持つという強みは無視できない。
特に、法人・個人を問わず集客にコストがかかることを考えると、
いずれかを内包、または双方と容易にアクセスできることは、
大きな競争力に直結する。

Google Wallet  http://www.google.com/wallet/
ISIS  http://www.paywithisis.com/
Paypal https://www.paypal.com/us

***************************
《今回のヒントのまとめ》
1)携帯決済システム開発に、ウォルマート・ターゲットなど
大手小売企業が共同で参入しようとしている。

2)この小売連合には、ディスカウントストア・コンビニ・
ガソリンスタンドなど、携帯決済システムの利用に
適した実店舗を持つという強みがある。

3)さらに、実店舗で顧客に相対することが可能な点も強みで、
システムのユーザー獲得が容易になる。

4)一方、すでに参入を決めているIT企業・通信企業・
金融機関・決済代行企業は、利用可能店舗を開拓する
必要があり、さらに、顧客を持つものの相対しないために、
ユーザー獲得は小売連合よりも難しくなる。

5)小売企業が連合する場合、競合の問題が生じるが、
実店舗と顧客を持っている強みは大きい。特に、法人・
個人の集客にコストがかかることを考えると、
いずれかを内包または双方に容易にアクセスできることは、
大きな競争力に直結する。

*************************

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編集後記
日本で言えば、イオンやセブンによる
電子マネー参入ぐらいのインパクトがあるのでしょう。
みなさんは、電子マネーを使っていますか?
私はコンビニをほとんど利用しないうえ、
できるだけクレジットカード決済をしたいので、
殆ど使っていません。(とはいいつつ、
小額決済は現金で行います。)
以前、無料でANAEdyカードを作ったのですが
、一度入金して残高がゼロになったきりですね。
入金しようにも、店舗で行うのも手間ですし、
入金機能の付いた古いノートパソコンを開くのも手間。
人間がいかに面倒なことをしないか、
というのがよくわかります。

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
感謝・感謝・感謝です!

| 高尾亮太朗 | 金融 | 19:22 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
【539号】米高級百貨店ブルーミングデールズ、クレジット付き会員カードを廃止した理由とは?
 

ブルーミングデールズ

By wallyg


◎本日のニュース

1)見出し
At Bloomies, Loyalty for All
【出典】
http://goo.gl/mIuAk

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2)要約
米高級百貨店のブルーミングデールズは、
クレジット機能なしの会員カードを発行する。
この会員カードには、各カードにバーコードが付いてあるので、
会員の購入履歴を記録でき、属性を絞った販促が可能になる。
また、カードを提示した購入者には、貯めれば金券に交換できる
ポイントを進呈する。

ブルーミングデールズの通販サイト利用者も、
会員カードを利用できる。

通常、高級百貨店のロイヤリティプログラムは、
クレジット機能の付いた会員カードを発行する。
年間利用金額によって会員をいくつかの等級に区分し、
等級ごとに特典を提供する。

ブルーミングデールズがクレジット機能を廃止したのは、
会員数を増やすためである。また、これまで郵送で
送っていた特典を、店舗での即時発行やメールでの送付に
切り替えることにより、コストを削減できる。ただし、
これまでのクレジット会員は優遇し、ポイント付与率を高める。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
The tony department-store chain, acting more like a supermarket,
is launching a loyalty-card next week that doesn't require
shoppers to sign up for a credit card.

4)キーとなる英文の和訳
そのオシャレな百貨店チェーンは、
よりスーパーマーケットに近い施策を行う予定である。
その施策とは、次週に始まるロイヤリティカードである。
そのカード会員になるのに、買い物客は
クレジットカード契約をする必要がない。

5)気になる単語・表現
tony形容詞かっこいい
act more like a supermarketのmoreは、like a supermarketを
比較級にしたもの。than other deparment storesが省略されている。

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
顧客ロイヤリティカードとは、ポイントカードなどの
小売企業が発行するカード。日本でも、
家電量販店や百貨店・スーパーなどで発行されている。
小売企業が顧客ロイヤリティカードを発行する理由は、
カード会員はその割合以上に売り上げ金額に貢献するからである。
記事では、
ストアブランドのクレジットカードやデビッドカードを持つ人は、
持たない人の2倍来店し、購入金額は3倍に達する
と書かれてある。いわゆる優良顧客であり、
継続して購入してくれるので、
小売企業はこの会員を増やすことに躍起になる。

高級百貨店のブルーミングデールズ(Bloomingdale’s)が、
顧客ロイヤリティカードからクレジット機能を廃止したことが、
記事として取り上げられている。その理由は、
高級百貨店の会員カードには、
クレジット機能が付いているものだから。
クレジット機能を付けることにより、年間利用金額を把握でき、
利用金額に応じて会員を等級に分ける。その等級ごとに、
特典が異なる。例えば、ニーマンマーカス(Neiman Marcus Groups)では、
5つの等級がある。二番目の等級になるには、
年間2500ドル以上の買い物をする必要がある。
最上級の場合は、75000ドル以上とされる。
サックス(Saks, Inc.)では、プラチナとダイヤモンドという等級の会員は、
毛皮のコートを無料で預かってもらえるだけでなく、
無料のバレーパーキングサービスを受けることができる。

さらに、顧客ロイヤリティカードには、
優良顧客の囲い込みとは別の利点がある。
それは、購入履歴を記録することにより、
属性に応じた販促を打てることである。例えば、
男性用衣料を購入したことのない会員には、
男性用のイベント情報を送ることをしない。
費用対効果が低いからである。

さて、ブルーミングデールズの話に戻るが、
なぜブルーミングデールズが、顧客ロイヤリティカードから
クレジット機能を除去するのか。記事では、
一部しか説明されていない。だから、想像すると、
以下のようになる。

1.客数を増やすため。
2.コストを削減するため。
3.ターゲット販促を増やすため。

1については、記事に書かれてある。クレジット機能を廃止することにより、
会員を増やすことができる。それは、
クレジットカードを持ちたくない人、
複数のカードを持ちたくない人がいるからである。
カード入会のハードルを低くすることによって、
会員を増やすことができ、それは客数増につながる。

では、なぜ客数を増やす必要があるのか。これは、
ブルーミングデールズの親会社、メイシーズ社(Macy’s Inc.)の
第四四半期決算をみると、想像できる。
メイシーズ社の既存店売上は、

既存店売上金額(ネット通販含む)→5.2%増
ネット通販の売上金額→40%増

On a same-store basis, Macy's, Inc.'s fourth quarter sales were up 5.2 percent.
Online sales (macys.com and bloomingdales.com combined) were
up 40.0 percent in the fourth quarter

で、ネット通販の売上増が既存店売上増に大きく寄与している。
(決算書によると、1.7%押し上げている。)
ネット通販でも使える会員カードを発行し、
その利用金額に応じてポイントを付与することにより、
ネット通販利用者を店舗に誘導しているのではないか。
店舗に誘導できれば、店舗の客数を増やすことができる。
また、これまでのクレジット会員には、
ポイント付与率を優遇することにより、
プログラム改変による店離れを防いでいる。

2について、特典をポイント付与に統一することで、
プログラムの運用コストが低くなる。さらに、
これまで郵送で送っていた特典証書を、
店舗での手渡しやメール添付に切り替え。
クレジット機能付きカードからバーコード付きカードへの変更。
これらも運用コスト削減につながる。ちなみに、
四半期決算を見ると、
昨対比で売上金額が上昇しているのに、販管費率が27.2%から
26.6%に下がっている。メイシーズ社全体でコスト削減を
進めているのは、間違いない。

3について、ネット通販の普及に応じて、属性を絞った販促が多くなった。
そうなると、消費者にとって、自分に合った販促のありがたみが
薄れてくるので、販促の効果が低くなりかねない。そこで、
効果が低くなった分を数で補う必要がある。
ブルーミングデールズは、
会員の裾野を広げることにより、
ターゲット販促を行う機会を増やし、
販促の効果を維持・向上させようとしているのではないか。

このように、ブルーミングデールズは、クレジット機能付きから
バーコード付きのカードに変えることにより、
顧客ロイヤリティプログラムを簡素化し、
費用対効果を引き上げようとしているのである。

Bloomingdale’s  http://www1.bloomingdales.com/
Macy’s Inc.Reports http://goo.gl/xEmtU

***************************
《今回のヒントのまとめ》
1)ブルーミングデールズの新顧客ロイヤリティプログラムでは、
会員カードにクレジット機能は付いていない。その代わり
、バーコードが付いている。

2)このような変更を行った理由には、客数を増やすため、
コスト削減のため、ターゲット販促を増やすためである。

3)会員カードは、成長著しいネット通販の利用でも
ポイントを付与するため、増加するネット通販利用者を
店舗へ誘導することができる。また、会員特典を
ポイントに統一し、特典の付与も店舗やメールで行うことにより、
運用コストを削減できる。ネット通販の普及により効果の
低くなったターゲット販促は、会員を増やし販促機会を
増やすことで、効果を維持・向上することができる。

4)このように、ブルーミングデールズは、
新顧客ロイヤリティプログラムを簡素化し、
その費用対効果を高めようとしている。

*************************

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編集後記
ブルーミングデールズのサイトをみると、
びっくりしたことがありました。
それは、ポップアップで日本語が出てきたから。
それによると、日本語でさらに日本円で、購入できるようです。
ブルーミングデールズは、それほど日本で知名度が高いのですね。
勉強になりました。

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| 高尾亮太朗 | 小売業 | 19:09 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
【538号】スタートアップ・中小企業必見のソーシャルメディアを使った訴訟リスク回避法とは?
 

◎本日のニュース

1)見出し
New Tool in Trademark Fights
【出典】
http://goo.gl/uLXaz

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2)要約
ソーシャルメディアなどネットを、大企業による商標権侵害の
訴訟リスク回避のために使うスタートアップ企業・

中小企業が増えている。
大企業からの商標権使用禁止を要求する手紙をインターネット上に
公開することによって、大きな費用のかかる法廷闘争を免れる。

その際、法的脅威から合法サイトを守るためのネット上のサービスや、
フェースブックなどのソーシャルメディアを利用する。その結果、
大企業の横暴に反対する味方を見つけることができ、
知恵だけでなく寄付金を募ることも可能となる。

しかし、中小企業によるネットを使った戦略は、
大企業による商標権保護の動きに大きな効果を生まないという考え
もある。
それは、数々の知的所有権の法律が存在することにより、
小さな違反にでも攻撃的になり、また商標権をより厳格に
声高に主張するようになるからである。さらに、
商標権に関する揉め事を公開することにより、
違反の疑いを目立たさせる逆効果もある。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
But a growing number of business owners have begun
fighting back using a tactic lawyers describe as "shaming,"
or exposing what they view as baseless trademark infringement threats
on the Web or through social-networking websites
such as Facebook and Twitter.

4)キーとなる英文の和訳
しかし、ますます多くの企業オーナーが、弁護士が「辱め」と
呼ぶ戦術を使って反撃し始めている。
その戦術とは、根拠のない商標権侵害の脅しと考えられる文章を、
ウェブ上やフェースブックやTwitterなどの
ソーシャルネットワーキングサイトにさらすことである。

5)気になる単語・表現
fight back自動詞句応戦する、抵抗する、反撃する
tactic名詞方策、戦法
baseless形容詞根拠のない
shame他動詞〜を恥させる、〜の面目を失わせる
infringement名詞違反、侵害

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
創業間際の企業(スタートアップ企業)や中小企業が、
大企業から受けた商標権使用禁止の要求をネットに
晒した事例として、以下のものが紹介されてある。

1 キープレシピドットコム(KeepRecipe.com)
VSアドキーパー社(AdKeeper Inc.)
キープレシピドットコムとは、オンラインでレシピを扱うサイト。
日本のクックパッドを思い浮かべてもらうといいかもしれない。
このKとKeepを使った社名にアドキーパー社が噛みつき、
商標権の使用停止を求めて訴えを起こした。アドキーパー社は、
オンライン広告を保存(Keep)
できるサービスを提供している。
キープレシピドットコムは、
訴訟にかかる膨大な費用を負担できず、
一方でアドキーパー社の主張を受け入れて社名を変えるわけにはい
かない。
そこで、合法的なネット活動を訴訟の脅威から守るために
アメリカの複数の大学が協力して作ったサイト、
チリングイフェクツドットオルグ(
Chilingeffects.org)上に、
アドキーパー社から送られた訴訟文を投稿した。
サイトを見た起業家グループが、自分たちの顧問弁護士に伝え、
無料で代理人を努めてくれるようになった。その結局、
訴訟は起こらなかった。

2 ボーミューラームーア(Bo Muller-Moore)
VSチックフィルエー社(Chick-fil-A Inc.)
Tシャツメーカーのボーミュラームーアは、
スローガンとして使った「ケールをもっと食べろ(Eat More Kale)」が,
チックリフィルエー社の登録商標「もっとチキンを食べろ(Eat Mor Chikin)」
を侵害するとして、使用停止を要求された。
そこで、フェースブックページを開設し、数千人の応援者を獲得。
さらに、寄付ができるリンクを付けたことにより、
1万ドル以上を集めることができた。

3 マイドーガール(My Dough Girl)VSゼネラルミルズ社(General Mills Inc.)
ソルトレークシティーでクッキーを焼くマイドーガールは、
その屋号がゼネラルミルズ社の登録商標
「ピルスベリードーボーイ(Pillsbury Dough Boy)」を侵害するとして、
使用停止をゼネラルミルズ社から要求された。
これに対し、マイドーガールの顧客の一人が怒り、
フェースブックページで抗議を行った。
8週間で2000人のファンを獲得。
しかし、マイドーガールのオーナーは、屋号変更を受け入れた。
その理由は、訴訟が解決するのに20年掛かる可能性があり、
屋号よりもクッキーを焼くことを優先したいからである。

1はオーソドックスなタイプであり、2はソーシャルメディアを使って、
寄付金まで獲得した事例である。さらに、3は、
訴えられた本人ではなく、
その顧客が代わりにネット上に訴えたという事例。

これらすべての共通するのは、
ネット、特にソーシャルメディアを使って

中小零細企業が大企業の要求に対抗した

ということである。さらに、

ネットを活用することによって、中小零細企業と大企業が
対等の立場に立てるようになった

と言っても過言ではないだろう。もちろん、
すべての場合で対等ということにはならないが、
情報の発信やそのやり取りと言ったコミュニケーションでは、
対等の力を持てるようになったと言えるだろう。

ただ、中小零細企業にとって、この環境は諸手を上げて
喜ぶことにはならない。それは、大企業並のリスクにさらされる
可能性があるからである。例えば、
商品にクレームが起こった場合、
この事件がネット上に晒されることになる。これまでならば、
販売数量の小さな中小零細企業の場合、クレームが起こっても
その話が大きく広がることはなかった。せいぜい、
クレームを通知した顧客の家族・友人・会社の同僚ぐらいだろう。
大企業の場合、販売数量が大きいために、
一度クレームが起これば、
クレーム件数も大きくなる。だから、クレームの話題が
中小零細企業よりも広がる。しかし、ネット、
特にソーシャルメディアが普及すると、中小零細企業は
販売数量が小さいというメリットを享受できなくなる。
大企業と全く規模には至らずとも、大企業並の対応が必要になる。

ネット、特にソーシャルメディアは、中小零細企業に大企業と
対等の力を与えてくれるが、一方で、大企業並のリスクにさらす
可能性もある。この両面を忘れてはならないだろう。

KeepRecipe.com http://www.recipe.com/recipes/
AdKeeper Inc. http://www.adkeeper.com/
Bo Muller-Moore http://eatmorekale.com/about.html
Chick-fil-A Inc. http://www.chick-fil-a.com/
My Dough Girl http://goo.gl/yjXaK
General Mills Inc. http://www.generalmills.com/
My Douch Girl VS General Mills http://goo.gl/g4r4h

***************************
《今回のヒントのまとめ》
1)スタートアップ企業や中小企業で、大企業から受けた
商標権使用停止の要求をネット上で公開する事例が増えている。
公開することで訴訟を回避でき、
膨大な訴訟費用を負担しなくて済む。

2)また、ソーシャルメディアを使えば、賛同者だけでなく
寄付金を集めることも可能となる。さらに、
自社の顧客が代わりに、ソーシャルメディアを使って
賛同者を集めてくれるかもしれない。

3)ネット、特にソーシャルメディアを使えば、
中小零細企業でも大企業と対等に情報発信することが可能となる。

4)一方で、クレームなどのトラブルが起これば、
大企業並のリスクを背負うことになるので、注意が必要である。

*************************

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編集後記
訴訟社会のアメリカならではのソーシャルメディアの活用事例。
日本でもこのような使い方が起こるのでしょうか。
大企業が中小企業を訴えることが少ない(ほとんどない)
ことを考えると、
起こらないようにも思えます。
ただ、ソーシャルゲームなどで頻出している
大企業同士・ベンチャー同士の訴訟で、
ソーシャルメディアが活用されると、
面白そうですね。

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| 高尾亮太朗 | ネット | 19:24 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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高尾亮太朗

1975年兵庫県姫路市生まれ。白鳥小学校・淳心学院・駿台予備学校神戸校・早稲田大学政治経済学部に進む。大学進学時に政治家を志し、早大鵬志会に入会。・・・続き
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