英語新聞ウォールストリートジャーナル(WSJ)から見た起業・ビジネスのヒント

英語がわからなくても最新アメリカビジネス事情を知りたい人、集まれ!
グローバルビジネスマンなら必読の英語新聞「THE WALL STREET JOURNAL(ウォールストリートジャーナル)」。ウォールストリート・ジャーナル研究家の高尾亮太朗が、最新の記事を解説し、起業・ビジネスのヒントを提供いたします。

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【494号】ハインツの新型使い捨て小袋ケチャップからわかる商品開発に必要なこと
 


by Jacqueline

◎本日のニュース

1)見出し
Old Ketchup Packet Heads for Trash

【出典】
http://goo.gl/2T8lD

2)要約
HJハインツ社は、新しい使い捨てケチャップの発売を発表した。
このケチャップの特徴は、搾り出してフライ物に付ける使い方と
フライを付ける使い方ができるという点。
また、新型の形は、ケチャップボトルの形をし、
一袋あたりの量は従来型の約3倍。
この開発に、約3年を要したという。

この開発が行われた背景には、
従来の使い捨て小袋タイプに対する消費者の不満があった。
その不満とは、開けにくく、手が汚れ、そして量が少ない点。
そのため、消費者は、ファストフード店でフライ物を買った時に、
大量のケッチャップを取り、さらには車の中が汚れるのを嫌がり、
ドライブスルーでフレンチフライを買わない人が増えている。

この不満を解消するために、

ハインツはこれまで改良を加えてきたが、
結局絞り出すタイプと付けるタイプの二種類を販売していた。

新型の使い捨てケチャップの難点はコストが大きい点で、
ハインツにとっては従来型の数倍、飲食店は約3倍かかる。
しかし、ケチャップボトル型が消費者に量の多さを暗に伝え、
これまで使っていた袋数が減り、
お店にとってはコストダウンにつながる。
また、使いやすさにより、ドライブスルーでの
フレンチフライの売上が増えることを期待できる。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
As the name promises, "Dip and Squeeze" ketchup can be squeezed out
through one end or the lid can be peeled back for dipping.

4)キーとなる英文の和訳
名前の示す通り、「付けて搾れる」ケッチャップは、
端を開ければ絞り出し、カバーを剥がせば付けることができる。

5)気になる単語・表現
dip     他動詞     〜をちょっと浸す、さっとつける
squeeze 他動詞     〜を圧搾する;〜を絞る
lid     名詞      (箱・なべなどの)蓋
peel    他動詞     〜の皮を剥く;〜をはがす

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
ハインツが開発した新型使い捨て小袋ケッチャップの特徴をまとめ
ると、
1.端を破ると絞り出せる
2.カバーを剥がすと付けられる
3.ケチャップボトルの形をしている
4.3倍の量がある
になる。

この特徴を備えることにより、
以下のように消費者の不満を解消できる。
1.搾り出せる→開けやすく手が汚れにくい
2.車の中でフレンチフライを食べられる
3.量が多く見える
4.多くのケチャップ袋を取らなくてよい

さらに、この新型ケチャップを導入するお店にとっては、
以下のメリットがある。
1・2 消費者の不満が解消され、フレンチフライの売上が増える
(特にドライブスルー)
3・4 消費者が使うケチャップの袋数を減らすことができ、
コストダウンになる

ハインツも、この新型ケチャップの開発により、
メリットを享受できる。記事に書かれてあるのは、
消費者の不満を解消でき、
それが採用する飲食店の売上拡大につながる点。
特に、これまで限定的な取引(ハインツのお膝元ピッツバークと
ミネアポリスの店舗のみ採用)であったマクドナルド社との
取引拡大が期待できる。
現在、
マクドナルド社はよりコストの低いPBケチャップを採用しているが、
ハインツの新型のメリットが明確になれば、
切り替えてもらえるかもしれない。

記事に書かれていないが、ハインツにとっては製造上のメリットもある。
これまで、絞り出し用と付け用、
二種類の使い捨てケチャップを製造してきた。
これが新型の一種類に集約できれば、
製造ロットが大きくなりコストダウンにつながる。
さらに、二種類が一種類になることで在庫管理がより容易になる。
このように、ハインツにとっては、
製造コスト・在庫管理コストのダウンというメリットがある。

これらを総合すると、新型ケチャップは、
消費者・飲食店・メーカー3者にとって利用・採用・
販売するメリットがある。
この事例のように、商品開発において、
最終利用者・再販売者・
製造者のメリットにつながる特徴を商品に持たせることは、
とても重要である。この特徴が、販売のしやすさ、
そして数字としての売上に大きな影響を与える。

ちなみに、新型ケチャップは、中小飲食チェーンで採用されているが、
反応は上々のようである。物珍しさのために、
消費者が利用する袋数が増えたお店もあったが、
それは消費者が新型を強く支持した結果である。
実際、別のチェーン・店舗では袋数が減っている。
本格的な販売は、今年中のウェンディーズの採用から。
新型ケチャップが受け入れられたかどうかは、
次の四半期決算を見て判断したい。

***************************
《今回のヒントのまとめ》

1)ハインツが開発した新型使い捨て小袋ケチャップの特徴は、
搾り出して利用できる点、付けて利用できる点、量が多い点、
ケチャップボトルの形をしている点である。

2)これらの特徴は、使いにくく手が汚れるという消費者の不満だけでなく、
消費者が取る袋数が多くドライブスルーでの
フレンチフライの売上が悪いという飲食店の不満を解消する。

3)さらに、メーカーであるハインツにとっても、
これまで使い捨てタイプは二種類販売していたが、
これを一種類に集約することで、
製造コスト・在庫管理コストのダウンが期待できる。

4)このように、最終利用者・再販売者・製造者の三者にとって
メリットが提供できる点は、商品開発の際にとても重要である。
この点があるかどうかによって、
販売のしやすさや数字としての売上が大きく影響を受ける。

***************************

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◎Winecarte 簡単ワインの選び方
一番新しい記事は、

ドメーヌ・シャンドン シラーズ2008(Domaine Chandon Shiraz2008)
http://goo.gl/496sE

です。

最近、ワインを勉強しています。
それをアウトプットする意味でも、
ワインのサイトを始めました。
焦らず少しずつ作成する予定です。
http://wine.ryotarotakao.com/

編集後記
こんばんは、高尾です。
アメリカのファストフード店では、ケチャップは無料なんですね。
最近のことはわかりませんが、マクドナルドでは、
フライ用のケチャップは有料だと思います。
(大学生の終わりの頃に、カウンターで有料になった
と言われた記憶があります。)
最終的には、アメリカでも数量限定・
有料化になるのではないでしょうか。
ケチャップの量が来店動機にあまり影響を与えないように、
思えます。
それにしても、次回のハインツ四半期決算は気になります。

| 高尾亮太朗 | 食品 | 19:43 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
【493号】新UAマイレージプラス、その顧客戦略と変更した背景とは?
 


By char3590

◎本日のニュース

1)見出し
United Continental Stratifies Flier Plan

【出典】
http://goo.gl/OpFEc

2)要約
昨年の合併に伴い、ユナイテッド航空のマイレージプログラム・
マイレージプラスは、コンチネンタル航空のワンパスプログラムを
吸収することを予定している。
新しいマイレージプログラムの特徴は、
利用頻度によって優遇制度の格差を大きくすることにある。

具体的には、獲得マイレージ数により、
新たに4つの階級に区分する。
そして、より頻繁に利用する顧客が、
利用頻度の低い顧客の先約により優遇制度を受けられないことを、
できるだけ避けようとしている。
また、ボーナスマイルの提供においても、
利用頻度の高い顧客の優遇制度を拡大する一方で、
頻度の低い顧客は縮小している。

優遇制度以外にも、マイルでスポーツチケットを
購入できるオークションサイトを開設するなど、
マイレージプログラムの認知が上がるサービスを行うとしている。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
The new program revamps its elite memberships,
rewarding its most-frequent fliers at the expense of
its lower-tier members.

4)キーとなる英文の和訳
新しいプログラムは、その選別会員制度を改善する。
つまり、利用頻度の低い会員への特典を縮小する一方で、
頻度の高い会員を優遇する。

5)気になる単語・表現
revamp  他動詞     改良する
elite   形容詞     選ばれた
reward  他動詞     〜を報いる

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
新しいマイレージプラス(MileagePlus
ユナイテッド航空のマイレージプログラム)は、
以下のように4つの等級に会員を区分している。
1.シルバー会員:獲得マイル25,000以上
2.ゴールド会員:同50,000以上
3.プラチナ会員:同75,000以上
4.1K会員:同100,000以上

この等級に格差を付けたのが、
新しいマイレージプラスの特徴。具体的には、
1.ボーナスマイルの改訂:シルバー会員は25%で現状維持、
ゴールド会員は100%から50%に縮小、
プラチナ会員は100%から75%に縮小、
1K会員は100%で現状維持
2.無料預け入れカバン数の改訂:

シルバー会員は2個から1個に減少、
その他会員は3個無料(現状の個数は記載なし)
3.シルバー会員の座席アップグレードが、
予約時から出発24時間以降に変更。
が記事に記載されてある。
この内容から読み取れることは、
利用頻度の低い会員の優遇内容を縮小し、
利用頻度の高い会員の優遇内容を拡大する
ということ。マイレージプラスとは関係ないが、
座席でも同じような格差を設定している。
例えば、高額座席のボーナスマイルは、
国際線のファーストクラスで150%、
国際線ビジネスクラスと国内線ファーストクラスで75%とし、
ファーストクラス・
ビジネスクラス利用客の優遇内容を拡大している。
これらをまとめると、

より利用頻度の高い顧客とより購入金額の多い顧客の優遇内容を拡大している
という、ユナイテッド・
コンチネンタルの顧客戦略を読み取ることができる。

この背景には、市場の成熟化・差別化の難しさがあるように思われる。

LCC(ローコストキャリア)を見ると旅客市場は拡大しているように思われるが、
LCCが獲得を目指すのは従来飛行機で移動しなかった消費者層。
一方で、従来の航空会社の顧客は、
今後それほど増えることはなく、
どちらかというとLCCに顧客を奪われる可能性が高い。
このように、市場(顧客)の拡大が見込めないなかで、
新規顧客を獲得することは大変難しい。
ならば、現状の顧客、特に常連顧客の利用頻度を高めて、
売上・利益の拡大を目指そう。
これが、
新しいマイレージプラスに見られる新しい顧客戦略である。

さらに、従来の航空会社(LCCではないという意味)は、
移動手段だけでなく販売方法・
機内サービスなどのサービスも提供する。
それは、航空会社が変わっても、
その違いがわかりにくい特徴を持つ。
ならば、常連さんへの優遇内容を拡大することによって、
競合品(競合航空会社の航空券)より優位に立つことができる。
商材では難しい差別化を、
顧客戦略によって行うということである。

このように、ユナイテッド・コンチネンタルは、
常連顧客をより優遇する顧客戦略によって、
市場の成熟化・商材の差別化を行っている。
航空会社に限らず、この方法は他の業界にも活用できるだろう。

***************************
《今回のヒントのまとめ》

1)ユナイテッド・コンチネンタルは、
合併に伴いマイレージプログラムの改善を計画している。

2)その特徴は、常連顧客・優良顧客への優遇内容の拡大である。
一方で、利用頻度の低い顧客に対するサービスは縮小する。

3)このような顧客戦略を採った背景には、
市場の成熟化や差別化しにくい商材の特徴がある。
LCCではない従来の航空会社は、
新規顧客を獲得することは難しく、
移動手段とサービスという提供する商品は差別化しにくい。

4)この方法は、航空会社に限らず、
成熟化した市場で差別化しにくい商材を提供する業界にも、
活用できるだろう。

***************************

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シャトー ランシュ・バージ2006
(Ch.Lynch Bages2006)
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です。

最近、ワインを勉強しています。
それをアウトプットする意味でも、
ワインのサイトを始めました。
焦らず少しずつ作成する予定です。
http://wine.ryotarotakao.com/

編集後記
こんばんは、高尾です。
実は、私もマイレージプラスの会員です。
1998年からマイレージを貯めているのですが、
ほとんど使っていません。
貯めたマイルのほとんどは、陸で貯めたもの。
貯まるばかりなのは、飛行機を使う機会がほとんどないからです。
今はメインのカードではないですが、
このマイル使わないとホントに損ですね。
どこに行こうやら。

| 高尾亮太朗 | ホスピタリティマネージメント | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
【492号】なぜ、ジュースのパッケージに果物が多く載せられるのか?
 

写真いっぱいのオレンジジュースパッケージ

(from flickr


◎本日のニュース

1)見出し
Selling Illusions of Cleanliness

【出典】
http://goo.gl/uN1xV

2)要約
多くのマーケターは、幻想の力を使ってモノを販売する。
その幻想は、心理的なトリックや、
消費者の恐怖・夢・願望を通じて、作られる。

特に、清潔さや新鮮さの幻想は、
消費者を商品の購入へと導くことができる。
このトリックを見付けられる一番の場所は、
自然食品や有機生鮮品の販売で有名なホールフーズ。
例えば、価格がチョークで書かかれた黒板は、
ヨーロッパの野外市場風であるため、
農家がその野菜や花をお店に持ち込んだと思わせる。
それが、消費者に新鮮さを想起させ、購買の決定打となる。

その他、フルーツの香りがその清潔さを強く訴えたり、
泡のキメ細かさがシャンプーの効用を想起させたり、
昔ながらの漁師用ボートや白髪混じりの漁師の姿が魚を
より新鮮に感じさせてくれる。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
The illusion of cleanliness or freshness is a particularly
powerful persuader-and marketers know it.

4)キーとなる英文の和訳
清潔さや新鮮さの幻想は、特に強い説得力となる。
そして、マーケターはそれを知っている。

5)気になる単語・表現
persuader       名詞      説得する人(物);おどしに使うもの(ピストル)

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
この記事の趣旨は、マーケターの利用するトリックが、
消費者に幻想を抱かせ、

その結果モノの購買につながるというもの。
記事が紹介する事例は、以下の通り。
1.自然食品や有機野菜の巨大スーパーチェーン・ホールフーズ(
Whole Foods)で
見られる黒板にチョークで書かれた価格表示。
この黒板・チョークの組み合わせは、
ヨーロッパの直売市場で見られる光景なので、
地元の農家が店舗に花や野菜をトラックで納品しているかのように
思わせる。
それが、新鮮である幻想を抱かせる。
実際は、本部がまとめて調達し、
店舗従業員が黒板にチョークで書いている。
2.氷の上に置かれたり、
近くに水滴の付いたジュースが置かれたりすると、
トルティーヤやホットドッグ・ピクルスは、
より新鮮で安全なものと思われる。
3.野菜に少し水滴が付けられると、
その野菜はより新鮮に思われる。
4.果物は、純粋で新鮮さの象徴であるために、
ジュースのパッケージに多くの果物が描かれる。
5.バナナは、その色がパントーン(Pantone)12-
0752の方が、
13-0858よりもよく売れる。それは、前者の方が、
より温かみがあり、
より熟れていて、より新鮮に見えるからである。
6.果物の香りは、健康・新鮮さ・清潔さを想起させる。
そのため、シャンプーやペットボトル入りの水などに使われる。
7.シャンプーでは、
きめ細かい泡がその新鮮さや清潔さを想起させる。
きめ細かい泡を見せて、
消費者はそのシャンプーを購入したことに納得し、
そのブランドへのロイヤリティーを高める。
8.漁港のレストランでは、
釣った魚をわざわざ昔ながらの漁師用のボートに移し、
白髪混じりの漁師に、その魚をお店に納品してもらう。
ボートや漁師の姿が、釣った魚をより新鮮に思わせ、
来店客に注文させる。

これらの事例に共通することは、
モノに演出を加えることで、モノの良さをより強調し、
それが消費者の購入につながる。
ということである。ここには、価格という判断基準が登場しない。
演出によって、価格という要素がより弱まり、
品質という要素が強くなっている。

もちろん、そもそもモノは消費者が納得できる良さを
持ちあわせていなければならない。
しかし、良さがあっても、その良さが伝わらなければ、
モノに気づいてもらえないし、手に取ってもらえないし、
買ってもらえない。これを補うのが、幻想を抱かせる演出である。

幻想というと、少しいかがわしく思われるかもしれないが、
それはウソではない。
ウソであれば、その演出をした主体が信頼を失うからである。
例えば、
新鮮でない野菜を新鮮に見せるために水滴を付けたとしても、
それが新鮮でなく、買った消費者が騙されたと思えば、
その演出は成功したとは言えない。
いやいや、今後、
その消費者に来店してもらえないかもしれないので、
大失敗、大失態になるだろう。
だから、その演出は、幻想を抱かせるというよりも、
モノの良さを消費者に伝えてくれる表現である。

モノの良さを伝える演出が特に効果を発揮するのは、
モノ同士の違いがさほど大きくない場合。
または、違いがわかりにくい場合だろう。
これらの場合で、もし演出がなければ、
消費者はモノを選ぶことに苦労し、
数字という明確な違いを表す価格に頼ることになる。
これが価格競争を引き起こす。このように考えると、
モノの良さを伝える演出は、価格競争を回避してくれる。
モノ余りで価格競争が起きやすい今、商品開発の際には、
モノだけでなくその演出も開発する必要があるように思える。
***************************
《今回のヒントのまとめ》

1)マーケターは、トリックを使うことによって、
消費者に幻想を抱かせ、商品の購入に導く。

2)そのトリックとは、モノに演出を加えることである。
演出によって、そのモノの良さ(新鮮さや清潔さなど)を
消費者に伝えることができる。

3)演出が特に威力を発揮するのは、
モノの違いがそれほど大きくない場合や違いがわかりにくい場合。
これらの場合で演出がなければ、消費者はよりわかりやすい価格で
モノを選ぶことになる。このように価格競争が起こる。

4)モノ余りで価格競争が起こりやすい今、商品開発時には、
モノだけでなくその演出方法も開発する必要があるようだ。

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7)おすすめ商品・サービス

◎Winecarte 簡単ワインの選び方
一番新しい記事は、

ワイン専門家が高いワインを買わなくなった理由とは?
http://wine.ryotarotakao.com/archives/1309

です。

最近、ワインを勉強しています。
それをアウトプットする意味でも、
ワインのサイトを始めました。
焦らず少しずつ作成する予定です。
最近更新できていません。
それは、ワインを飲んでいないからです。
少なくとも9/17までは。
http://wine.ryotarotakao.com/

編集後記
こんばんは、高尾です。
9/18は、神戸ベイシェラトンのワインの休日に参加しました。
いわゆる、ワイン会です。
ワインは40種類ほど飲めて、食事も充実しています。
結局、20種類ほど飲んだのですが、結構酔いましたねぇ。
その後、
シェラトン前で行われているオクトーバーフェスタin兵庫に、
ぷらっといったものの、ビールを飲む気にはなれず、
そのまま帰りました。
同じ日でなければ、
オクトーバーフェスタにも参加できたのになぁ。
来年は、オクトーバーフェスタに参加したいと思います。

| 高尾亮太朗 | 小売業 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
【491号】投資ファンドが、営業不振のモール・アナハイムガーデンウォークを買収する理由。
 

アナハイムガーデンウォーク

(from flickr)


◎本日のニュース

1)見出し
Mall Entertains New Mix

【出典】
http://goo.gl/TVdR0

2)要約
投資ファンドを運営するリレイテッド社は、
営業不振に苦しむショッピングモール・
アナハイムガーデンウォークの株式取得で合意に達した。

アナハイムガーデンウォークは、
カリフォルニアのディズニーランド近郊に位置するが、
テナント空室率が45%にも達している。
営業不振の要因は主に、
オープン時期が金融危機の深刻化した2008年半ばであった
というタイミングの問題、
ディズニーランドに近いことが逆に不利になったという立地の問題
の2つが挙げられる。

一方、リレイテッドは、

ショッピング施設から娯楽施設に特徴を変えることで、
再生を計画している。
具体的には、小売店舗を減らす一方で、
娯楽サービスを提供するレストランやその他娯楽施設の誘致を目指
す。
その理由は、モール来場者の70%が旅行者であり、
旅行者は、
ありふれた小売店舗より楽しめる施設を求めているからである。

また、アナハイムガーデンウォークが立地する
オレンジ州全体の小売テナント空室率が6.5%
にとどまり改善していること、
ディズニーリゾートの来場客が大きく増えていること、
アナハイム市がモールの改造を許可したこと、
もリレイテッドの計画に追い風となっている。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
Related Cos. is taking a majority stake in a broken mall
near Disneyland that it plans to fix by taking a page
from Disney's playbook: mixing more entertainment
and restaurants in with the stores.

4)キーとなる英文の和訳
リレイテッドの社は、ディズニーランド近郊の
経営不振のモールの株式大半を取得しようとしている。
そして、
ディズニーの演出を真似ることによって再生を計画している。
その演出とは、小売店舗により多くの娯楽要素や
レストランを混ぜ合わせることである。

5)気になる単語・表現
Cos.    名詞      会社(= company)
broken  形容詞     故障した;不完全な
playbook        名詞      脚本集
mix A with in B 他動詞句    AをBに加える
※thatからコロン(:)までを直訳すると、
「レイテッド社は、
ディズニーの脚本集から1ページを取ることによって、
修繕しようと計画している。」となる。
◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
アナハイムガーデンウォークのテナント空室率45%
がいかに高いかは、
同じ規模のショッピングモールのテナント空室率が
全国平均で9.3%であることと比較すると、理解できる。
また、広さは43万9千平方フィート(
約4万780平方メートル)だから、
御殿場アウトレットの約10分の1,
カリフォルニアのディズニーランドの約20分の1。
小ぶりの屋外型モールである。

このモールにリレイテッド社(Related Cos.)が目を付けたのは

現在のテナント構成・モール特徴が、来場者のニーズに合致していないから

と考えたからである。顧客ニーズに合致するようモールを改造すれば、
再生できると読んだ。

アナハイムガーデンウォークの利用者の特徴は、
その70%が旅行者ということ。
つまり、顧客ターゲットは、近隣住民ではない。
近隣住民がターゲットならば、
日常生活で必要なショップを集めれば、
来場を見込める。しかし、旅行者がターゲットであるならば、
日常的ではなく非日常的な空間が必要になる。
その非日常的な空間として、
娯楽要素をこのモールにふんだんに組み込めば、
旅行者の来場者が多くなり、売上・利益を最大化できる。
これが、リレイテッドの戦略である。
ちなみに、娯楽要素として、コメディクラブ(喜劇劇場)、
手品ショップのようなノベルティショップ、
ベリーダンスが行われたり店員が歌やダンスを
披露するテーマレストランを挙げている。

また、リレイテッドは立地の問題はないと判断している。
立地の問題を具体的に示すと、
◯ディズニーランドの来場者の利用が期待できるが、
実際には買い物はディズニーランド内で済ませてしまい、
ディズニーランドの集客力を活用できていない。
◯アナハイムコンベンションセンターから徒歩圏だが、
別のモーテルやホテルに遮られてモールが見えず、
その存在に気づいてもらえていない。
である。一方で、
◯オレンジ州のテナント空室率は、今年第2四半期が6.5%
に改善している。
◯アナハイムのディズニーランドリゾート
(ディズニーランドともう一つのテーマパークを含む)は、
第三四半期に来場客数の新記録を出した。
その要因の一つは、新しいアトラクション。
というデータもある。このデータからわかることは、
アナハイム市全体として景気は比較的良く、
さらにディズニーランドの集客力は増している、
ということである。ディズニーランドの近くに立地する
アナハイムガーデンウォークにとって、
この事実は大きな追い風であり、
集客施設に近接していることは大きなメリットである。

そこで、リレイテッドは、立地問題の解決方法として、
ありふれた小売店の集合体から娯楽施設へと変身することにより、
これまでスルーしてきたディズニーランドの来場者を集客できる。
◯目立つ看板や告知をすることで、
コンベンションセンター利用者の集客を期待できる。
と考えた。
つまり、
モールのテナント構成をターゲット顧客のニーズに合わせ、
モールの存在やその特徴をターゲット顧客に知らせる
コミュニケーション方法を刷新することで、解決したのである。

このリレイテッドの事例から学べることは、

ターゲット顧客を明確化し、そのニーズに合致するような商品
(モノ・サービス)を提供することは、ビジネスの要諦である

ということである。

***************************
《今回のヒントのまとめ》

1)投資ファンドを運営するリレイテッド社は、
経営不振に苦しむショッピングモール・
アナハイムガーデンウォークの
株式の大部分取得で、合意した。

2)リレイテッドが、アナハイムガーデンウォークの再生が
可能だと判断したのは、
現在のテナント構成がターゲット顧客のニーズに合致していない、
と考えたからである。

3)モール来店者の70%は旅行者であるにもかかわらず、
モールはありふれた小売店中心で、
さらにテナント空室率が45%にも達していたため、
売上が低迷していた。

4)そこでモールを、旅行者が望む非日常的な娯楽施設に変えることで、
これまで集客できなかったディズニーランド来場者の来店が見込め
るとした。

5)この事例から、ターゲット顧客を明確化し、
そのニーズを満たす商品を提供することが、
いかに重要かがわかる。

***************************

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7)おすすめ商品・サービス

◎Winecarte 簡単ワインの選び方
一番新しい記事は、

ワイン専門家が高いワインを買わなくなった理由とは?
http://wine.ryotarotakao.com/archives/1309

です。

最近、ワインを勉強しています。
それをアウトプットする意味でも、
ワインのサイトを始めました。
焦らず少しずつ作成する予定です。
http://wine.ryotarotakao.com/

編集後記
こんばんは、高尾です。
思えば、アナハイムのディズニーランドには、
1996年に行ったきり。
アメリカ本土にも、1998年以来行っていません。
アメリカ絡みの仕事があれば、
比較的容易に行けるかもしれないですが、
今はそういうのもありません。
旅行で行けばいいのですが、アメリカ本土は遠いのがネック。
次行くのはいつになるのでしょうか。
町を歩いてアメリカの経済実態をこの目で見ることには、
興味ありますが。
(当分、無理かな。)

| 高尾亮太朗 | マーケティング | 19:02 | comments(0) | trackbacks(1) | pookmark |
【490号】グーグルのザガット・サーベイ買収、進化するネットからリアルへの送客。
 

ザガット・サーベイ

(from flickr)


◎本日のニュース

1)見出し
Zagat Deal Extends Google's Influence

【出典】
http://goo.gl/htJb4

2)要約
グーグル社は、レストランレビュー書籍を出版する
ザガット・サーベイを買収した。
その目的は、ザガット・サーベイを活用して、
ローカル企業の広告出稿を獲得するためである。

グーグルは、主要収益源の広告収入を増やすためには、
ローカル企業の広告を強化する必要があった。
また、消費者は、商品・店舗の評価を気にして、
その評価により購入するかどうか決める。
そのためグーグルは、広告価値を引き上げるには
数多くの評価を集める必要があった。
そこで、レストランやホテル・その他ローカル施設の評価に
強みを持つザガット・サーベイの買収に至った。

さらに最近、グーグルページは、
イェルプやトリップアドバイザーなどの
他社サイトの評価の掲載を取りやめたため、
独自で評価情報を集める必要があった。
ザガット・サーベイ買収により、
出版物の店舗情報・評価情報をグーグルマップ・

プレイスに連携させ、
評価情報を充実させることができる。

ザガット・サーベイには、
レビュー紙媒体の出版に長けた約120人の従業員、
約35万人のボランティア調査員、
何千店舗ものローカル企業との深い関係、
出版物の強い販売力など、
グーグルが持ち合わせていない資産がある。
これらの資産が、ローカル広告強化を目指すグーグルには
大きな魅力となった。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
Google Inc. bought restaurant-review company Zagat Survey LLC,
thrusting the Internet giant into the new roles of content creator
and print publisher as it seeks to attract more advertising dollars
from local businesses.

4)キーとなる英文の和訳
グーグル社は、レストラン評価企業であるザガット・
サーベイ社を買収した。
この結果、その巨大インターネット会社は、
新たにコンテンツ作成・紙媒体出版に進出することになる。
それは、ローカル企業からより多くの広告マネーを
引き出させることを目指しているからである。

5)気になる単語・表現
thrust A into B 他動詞     AをBに突っ込む、Aをぐいと押す
LLC     名詞      有限責任会社

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
グーグルがローカル広告の強化を目指すのは、
その検索に特徴があるからである。
グーグルで行われる検索の20%以上は、
ローカル企業に関連するサイトを探すもの。
グーグルの主要収益源が、検索結果に掲載される広告から収入。
したがって、収益を増大させるためには、
クリックされる確率の高い広告を多く獲得する必要がある。
ローカル企業に関する情報を探す人が多いということは、
ローカル企業に関する広告がクリック確率の高い広告になる。
その結果、ローカル企業の広告をより多く集めることが、
収益を増大させる一番の近道になる。

今回の買収が興味深いことは、

ネット企業のグーグルが、リアル(ネットではなく実物があるという意味)
媒体を出版するザガット・サーベイを買収した

ことである。最近でこそ携帯電話製造のモトローラモビリティを買収したが、
これまで行われた買収のほとんどは、ネット企業。
一方、ザガット・サーベイは、書籍を販売するリアル企業である。
さらに、ザガット・サーベイが書籍に掲載する情報は、
ネット関連情報ではなく、リアル店舗のレストランやホテル・
その他施設の評価情報。
リアル情報を収集し、それをリアル媒体として出版する
ザガット・サーベイを、
ネット企業であるグーグルが買収したということは、
ネットビジネスがリアルビジネスと連携することで
、新たな収益獲得を目指している、と捉えることができる。

考えてみれば、ネット広告は当初、
ネット通販サイトへの集客や大企業によるブランド認知度アップな
どを目指し、
ネットからネットへの送客が行われていた。
しかし、ネットが普及すると、
ネットで検索してリアル店舗での購入を検討する人が増え、
ネットからリアル店舗への送客で収益が上がるようになった。
レストランや美容院などのクーポンサイトは、その好例である。
グーグルが目指しているのは、
このネットからリアル店舗への送客である。

このネットからリアルへの送客がさらに進むと、
ネット広告がリアル店舗に誘導し、特定のリアル商品の購入を導く
ことが実現するかもしれない。例えば、
ネットでビールの商品情報を掲載し、
その情報を見た消費者をリアル小売店に誘導し、
そのビールを購入してもらうことで、
情報を掲載したネットが手数料収入を獲得できるようになるかもし
れない。
これが可能になれば、
メーカーによるネット利用がさらに進むと予想する。
つまり、
これまで通販でしかネットで明確な収益をあげられなかったメーカーが、
ネット上で商品情報・販売店情報を充実させ、
消費者を販売店へ誘導し、
自社商品を買ってもらうというネット利用を行うかもしれない。

***************************
《今回のヒントのまとめ》

1)ネット企業のグーグルによるリアル企業のザガット・サーベイ買収から、
ネット企業がリアル企業と連携して収益を産み出そうとするトレン
ドを見て取れる。

2)ネット広告は、当初、別のサイトへの送客がメインであった。
ネットからネットへの送客である。

3)ネットが普及するにつれて、
ネットでリアル店舗の情報を検索する人が増えると、
ネットからリアル店舗への送客が行われるようになった。
レストラン・美容院などのクーポンサイトがこれにあたり、
ザガット・サーベイ買収によりグーグルが目指すのもこれである。

4)このトレンドがさらに進むと、
ネットからリアル店舗に誘導し、
特定のリアル商品の購入を導くようになるかもしれない。
リアル店舗で特定商品を買った証明が必要だが、
これが実現すると、
ネット上で商品情報と販売店情報を充実させて、
リアル店舗での商品購入を促す使い方が、
小売店に卸すメーカーで増えるかもしれない。

***************************

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一番新しい記事は、

ワイン専門家が高いワインを買わなくなった理由とは?
http://wine.ryotarotakao.com/archives/1309

です。

最近、ワインを勉強しています。
それをアウトプットする意味でも、
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焦らず少しずつ作成する予定です。
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編集後記
こんばんは、高尾です。
先日、久しぶりに阪急・西宮北口駅に行きました。
阪急百貨店・イズミヤが入ったショッピングセンターがあるなど、
とても便利な場所です。
また、オシャレな人も多いように思えました。
魅力的な街は、魅力的な人を引きつけるのでしょうか。
約一年ぶりに友人とも再会し、とても楽しい時間を過ごせました。

| 高尾亮太朗 | ネット | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
【489号】米ヤフー・AOLの低迷から学べることとは?
 

ヤフー(from flickr


◎本日のニュース 

1)見出し
Deluge of Content Swamps Yahoo

【出典】
http://goo.gl/FVbiU

2)要約
インターネット黎明期に創業した米ヤフー・AOLは、
その収益の悪化に歯止めが止まらないでいる。
その大きな要因は、ネット上のコンテンツの急増である。

モノは増えれば増えるほど、その価値は逓減するが、
ネット上ではコンテンツの急増によって、
広告単価が下落している。ヤフー・AOLは、
これまでその集客力の高さから高い広告単価を享受してきたゆえ、
この単価下落が収益への大きな打撃となっている。
広告主も、一部の媒体に巨額の広告費用を投じるよりも、
低単価の広告を多くのサイトに掲載する傾向にある。

さらに、内部的な問題もある。総合ポータルサイトのため、
特定のユーザーにリーチできるわけでもないので、
広告効果における優位性は大きく薄れている。
そのため、ネット広告市場の急成長から、取り残されている。
さらに、提供するコンテンツを作成するコストが、
大きな重荷となっている。コンテンツの整理・誘導を行う
フェイスブックやグーグルとの、大きな違いである。
また、離職率が高く、組織が硬直化しているため、
環境変化に対応できなかった点も見逃せない。
その結果、SNSへの進出が遅れ、

優位性があったメールサービスにおいて
後発企業に負けることとなった。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
Ousted Yahoo Inc. Chief Executive Carol Bartz faced a plight
all too familiar to many of her peers: Making money off digital
content isn't easy and it's getting harder.

4)キーとなる英文の和訳
解任されたヤフー社CEOのキャロル・バーツ氏は
、同僚の多くが悩んでいる苦境に直面していた。
それは、
デジタルコンテンツから収益をあげることは容易ではなく、
それどころか一層難しくなっている、ということである。

5)気になる単語・表現
oust    他動詞     〜を追い出す
plight  名詞      苦境
peer    名詞      同僚

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
米ヤフー(Yahoo Inc.)・AOL(AOl Inc.)の衰退ぶりを表す数字として、
以下の数字が掲載されている。
【全米ネット広告市場でのシェア】
1.ヤフー:2009年の16.1%から2011年の11%
に下落
2.AOL:2009年の4.4%から2011年の2.7%
に下落
【2011年第二四半期の収益】
1.ヤフー:前年同期比で23%下落
2.AOL:前年同期比で8.4%下落
【訪問者1000人に対する広告単価】
1.ヤフー:2010年7月の7.
65ドルから2011年7月の6.5ドルに下落、
1998年は7月は25ドル
2.AOL:2010年7月の9.
45ドルから2011年7月の7ドルに下落

収益力が大きく落ちているが、
この要因を外部要因・内部要因に分けると次のようになる。
【外部要因】
競合するサイトが急増したから。その結果、
広告単価の下落が生じた。
【内部要因】
1.分野を絞らない総合ポータルサイトだから。
ターゲットが絞れないために広告効果が低く、
広告主離れを招いた。
2.継続的にコンテンツ作成が必要になり、
運営コストが大きいから。
システムを提供するフェイスブックやグーグルとは、
コスト構造が大きく異なる。
3.離職率が高く、硬直した組織のために、
環境変化に対応できなかったから。
その結果、SNS進出のチャンスを逃し、
有力なサービスであったメールも後発のグーグルに
負けることになった。

この中で注目したいのは、内部要因の1と2である。
まず1であるが、
コンテンツを提供するサイトがそれほど多くない時は、
集客力の高い総合ポータルサイトという特性が大きなメリットであ
った。
しかし、サイトが急増し、特定の分野に強いサイトが出現すると、
分野を絞らないポータルサイトは色褪せることになる。
満遍なくコンテンツを提供するがゆえに、
特定の分野に興味を持つ人にはつまらなくなり、
集客力が衰えるからである。
さらに、ユーザーの属性が広範囲にわたるため、
ターゲットが絞られた広告の効果は低くなる。
差別化をしていないことが、集客力と広告効果の低下につながり、
ヤフー・AOLの収益を悪化させた。

2については、ビジネスモデルの問題である。
ヤフー・AOLは、コンテンツの作成・
提供をその事業ドメインとしているため、
継続的にコンテンツを作成しなければならない。
つまり、変動費が高いため、
その変動費を賄うための広告の単価によって、
収益は大きく変動する。一方、フェイスブックやグーグルは、
コンテンツの整理・誘導を行うシステムを提供する。
期投資は大きくなるが、変動費は小さい。
そのため、一定数のユーザーを集めれば、収益は安定する。
この違いにより、広告単価の影響がより大きなヤフー・AOLは、
収益を悪化させることになる。

差別化できていない商品、そして限界費用の高いコスト構造、
この両者により衰退したヤフー・AOL。この事例から、
商品の差別化とビジネスモデルの重要さが理解できる。
***************************
《今回のヒントのまとめ》

1)米ヤフー・AOLの収益悪化の要因は、
外部要因と内部要因に分けるとわかりやすい。

2)外部要因は、サイト急増による広告単価の下落である。

3)内部要因は、差別化していない総合ポータルサイトであること、
限界費用の高いコンテンツ創造ビジネスであること、
離職率が高く硬直した組織であることの3つである。
差別化していないゆえに、集客力・広告効果は下落した。
限界費用が高いゆえに、
広告単価下落の影響を大きく受けることになった。
組織の問題は、環境変化に対応できないことにつながる。

4)ヤフー・AOLの事例から学べることは、
商品の差別化とビジネスモデルの重要さである。

***************************

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ラ・ボーム シャルドネ2009(LA BAUME CHARDONNAY2009)
http://goo.gl/QIypV

です。

最近、ワインを勉強しています。
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編集後記
こんばんは、高尾です。
朝晩は、だいぶ涼しくなりましたね。
そのため、夏に活躍した
冷凍ミネラルウォーターももうすぐ終わりになりそうです。
中身を少し減らした500mlのミネラルウォーターを
冷凍しただけのものですが、7・
8月には大変お世話になりました。
今でもたまに持ち歩きますが、夜になっても氷のままです。
秋はもうすぐそこまで来ていますね。

| 高尾亮太朗 | ネット | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
【488号】シリコンバレーで立ち机利用者が増えているわけとは?
 

立ち机

(from flickr)

※既刊号での修正がありました。
◎本日のニュース

1)見出し
Standing Desks Are on the Rise

【出典】
http://goo.gl/kZiHV

2)要約
シリコンバレーンの企業にて、

立ち机を使って仕事をする人が増えている。
その理由は、快適に仕事ができ、
終日エネルギーを仕事に注げるからである。

また、医療の専門家が公開したレポートの影響も大きい。
レポートによると、長時間座った状態でいると、
健康上の問題が起きやすいという。

ただし、立って仕事をすることには慣れが必要とされる。
最初は正しい姿勢を保つことに戸惑うが、
徐々にコツがつかめて来て後戻りできない人が多いという。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
A growing number of workers at Google Inc., Facebook Inc. and
other employers are trading in their sit-down desks for standing ones,
saying they feel more comfortable and energized. They also are
motivated by medical reports saying that sitting for too long leads to
increased health risks.

4)キーとなる英文の和訳
グーグル社、フェイスブック社などの企業で働く人で、
座って使う机を立ち机に換えてもらう人が増えている。
彼ら曰く、立ち机の方がより快適で、
エネルギッシュに仕事ができるという。
また、長時間過剰に座っていると、
健康上のリスクが増すという医療上のレポートが、
彼らを立ち机に導いている。

5)気になる単語・表現
trade in A for B        自動詞句    Aを下取りしてBと交換する

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
シリコンバレーで仕事をする人の多くは、
プログラマーやデザイナーなどパソコンを常時使う人達。
この人達の間で立ち机が人気というから、
立ってパソコンを使っているということになる。
実際、記事にはその光景の写真が掲載されてある。

実際に立って仕事をする人の声も掲載されてある。
フェイスブックの従業員二人の声であるが、
両者に共通するのは、
立って仕事をするおかげで、
疲れや眠気に襲われずに集中できるようになった
という点である。

医療専門家の意見として、
全米がん協会:1日6時間以上座って仕事をする女性は、
3時間以内の女性よりも早死する確率が37%高まる。
同じように、男性では18%高まる。
アメリカ心臓病大学:長時間座っている人の死亡確率は、
あまり座っていない人よりも高い。
というレポート内容が紹介されてある。
そして、実際に立って働くようになった人は、
座っていた時に感じた背中の痛みが、
立って仕事をすると感じ無くなったと答えている。
健康上も、立って仕事をするメリットは大きいと言える。

これらの結果、立ち机に切り替える従業員が増えている。
フェイスブック社の事例では、
週に5〜8人が立ち机への交換を要望し、
2000人以上の従業員のうち200〜
250人が立ち机を使っている。
フェイスブックでの立ち机人気が、
シリコンバレーのその他IT企業に波及しているのだろう。
シリコンバレー全体では、
立ち机が相当数売れていると予測される。

そもそも、パソコンを使う仕事はデスクワークとされ、
座って仕事をすることとされていた。
座った方が体への負担が少なく、
より仕事がはかどるからであろう。
しかし、実際には長時間座って仕事をすると、
体に負担がかったり、眠気が襲ったり、
さらには健康上の被害が起こったりする。
良かれと思ってしていたことが、実際には悪影響を及ぼし、
その結果、成果が悪くなる。
デスクワークの目的は成果を高めることであり、
その環境は手段に過ぎない。座るか立つかは手段であり、
より成果を高める手段を取ればいいことになる。
これは、デスクワークに限った話ではなく、
商品にも当てはめることができるだろう。
商品の目的は、そのベネフィットである。
ベネフィットが高まるならば、
商品の形状や販売方法などは手段に過ぎない。
顧客が本当に求めるベネフィットを定め、
そのベネフィットを高めることで、
新たなビジネスチャンスが生まれるのだろう。

ちなみに、頭脳を使った成果がどこよりも求められるシリコンバレーで、
立ち机が支持を得ているといこうことは、
立ち机を採用する企業が世界中で増えてくるように思われる。

***************************
《今回のヒントのまとめ》

1)シリコンバレーの企業で、立ち机を利用する人が増えている。
その理由は、快適に仕事ができ、
より仕事にエネルギーを注げるからである。
また、医療専門家によると、長時間座っていると
早死する確率が高まるとされており、この専門家の意見も、
立ち机利用に拍車を掛けている。

2)デスクワークにて、座って仕事をするかたって仕事をするかは、
手段にすぎず、成果をより高めることがその目的とされる。
だから、目的を達成するために、
手段を変えることには疑問を感じない。

3)これをビジネスに置き換えると、
商品を通じてベネフィットを提供することが目的であり、
商品の形状や販売方法は手段にすぎない。

4)顧客が本当に求めるベネフィットを定め、
そのベネフィットを高めるために手段を切り替える。
これが、ビジネスチャンスとなる。

***************************

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7)既刊号の修正について
2011年8月30日発行分にて、間違いがありましたので、
ここで修正いたします。
修正箇所は、キーセンテンスをその翻訳。正しい翻訳は、
モンサント社が強力な害虫から守るために遺伝子を組み替えたとうもろこしは、
広く栽培されているが、一部のアイオワ州の農場では、
まさにその害虫の餌食(えじき)になっている。」
となります。
prey(餌食)を、pray(祈り)と見間違えて、
誤訳していました。
モンサント社は、
害虫を駆除するために遺伝子組換え技術を開発しました。
しかし、
遺伝子組換え技術に頼った栽培方法が害虫に免疫を与えた結果、
駆除するはずの害虫が駆除できずに、
その害虫に苦しむことになりました。

大変失礼いたします。
また、ご指摘いただいたMさん、ありがとうございました。
今後とも、このような間違い・質問等ございましたら、
ご連絡いただければ幸いです。
こちらまで、お願いします。→ tryotaro1975@aol.com

6)おすすめ商品・サービス

◎Winecarte 簡単ワインの選び方
一番新しい記事は、

ロジャー・グラート・カヴァ・ロゼ・ブリュット2007
(Roger Goulart Cava Rose Brut 2007)
http://goo.gl/GjbiR

です。

最近、ワインを勉強しています。
それをアウトプットする意味でも、
ワインのサイトを始めました。
焦らず少しずつ作成する予定です。
http://wine.ryotarotakao.com/

編集後記
こんばんは、高尾です。
週末は、友人の結婚式に参加していました。
大学時代の大切な友人ですが、会ったのは本当に久しぶり。
さらに、ご両親にお会いするのは約20年ぶり。
その幸せな姿に感動するとともに、
式・披露宴を楽しむことができました。
結婚式って、本当にいいものですよね。

| 高尾亮太朗 | マーケティング | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
【487号】スペインでノンアルコールビール市場が大きな理由とは?
 

ノンアルコールビール

(from flickr)

◎本日のニュース

1)見出し

Taking the Buzz Out of the Beer

【出典】

http://goo.gl/YNZte


2)要約

欧州の大手ビールメーカーが、

ノンアルコールビールの販売に力を入れている。
また、
ノンアルコールビールの個人消費量が世界一のスペイン市場を、
その販売戦略のモデルとしている。

ノンアルコールビールに力を入れる理由は、

自国で低迷するビール販売を補うためである。
さらに、外部環境では、消費者の健康志向、
ノンアルコール飲料の女性への人気、
高齢者の需要、運転手への需要などがあり、
ノンアルコールビール人気につながっている。
一方、内部環境では、
その利益率の高さがメーカーの販売意欲を駆り立てる。
それは、酒税がかからないにもかかわらず、
ビールと同等の価格で売れ、
しかも値引き対象になりにくいからである。

ノンアルコールビールの問題点は、市場が小さいことである。

しかし、スペインは、総ビール市場の13%
もノンアルコールビールが占めている。
そのため、大手ビールメーカーは、フレーバーの付いた
ノンアルコールビールを販売するなど、
スペインで成功した手法を他国に導入している。

他方、ビールは、消費者の節約志向により売上が停滞している。

ただし、これは先進国でのこと。新興国では、
人口増加・中間層の出現により、今後大きな成長が見込める
重要な商品として位置づけされている。

◎キーセンテンスとその翻訳

3)キーとなる英文
To help combat flat sales at home, brewers are looking to
 Spain as a model for marketing nonalcohol beer.

4)キーとなる英文の和訳

自国で横ばいする売上を伸ばそうと、ビールメーカーは、
ノンアルコールビール販売モデルとして、
スペイン市場に注目している。

5)気になる単語・表現

combat  他動詞     〜と戦う
look to 自動詞句    〜に立ち向かう

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント
欧州の大手ビールメーカーによるノンアルコールビール強化の動き
について、
以下のような事例が紹介されている。
◯ハイネケン社(オランダ Heineken NV): 2008年以降、オランダ・イタリアなどで、
10種類以上のノンアルコールビールを販売。
◯カールスバーグ社(デンマーク Carsberg A/S):最近、ノルウェー・フィンランドなどで
ノンアルコールビールを発売。
◯アンハイザー・ブッシュ・インベブ社(ベルギー Anheuser-Busch InBev NV):
今年、ベルギーで、ヒューガルデン(Hoegaarden)
ブランドのノンアルコールビールを発売。
ピルスナーに味が似たノンアルコールのビール系清涼飲料水、
ジュピラーフォース(Jupiler Force)を発表。

大手ビールメーカーがノンアルコールビールに力を入れるのは、

通常のビールの売上が低迷するからである。
西欧でのビール小売販売数量は、過去5年間で7%減少し、
273億リットルに縮小。一方、ノンアルコールビールは37%
も上昇し、
5億5250万リットルに伸びている。
さらに、2015年までに全ビール市場は2010年比で7%
縮小するのに対し、
ノンアルコール・低アルコールビール市場は1%
拡大するとされている。

このようにノンアルコールビール市場は拡大しているのであるが、

その要因をメーカーから見た外部要因・
内部要因に分けて説明すると、
以下のようになる。
【外部要因】
1.消費者の健康志向の高まり:
一方でアルコール離れを引き起こす
2.女性への人気の高まり:飲みやすいから
3.ビールを飲めなくなった高齢者の需要の拡大期待
4.これまで炭酸飲料やジュースを飲んでいた運転手への人気
【内部要因】
1.利益率がビールよりも高い:
ノンアルコールのため酒税が低いにもかかわらず、
ビールと同等の価格で売れ、値引き対象になりにくいから。

健康志向の高まりは大きな消費トレンドであるが、

メーカーにとって利益率の高さは大きな魅力である。
特に、値引きされにくいことにで、
長期間に渡って利益を確保しやすくなる。
一方で、ビールは目玉商品として値引きされやすいので、
メーカーが力を入れる理由がよくわかる。

ただし、ノンアルコール市場に問題がないわけではない。

その問題とは、市場規模の小ささである。記事によると、
西欧諸国全体では、ビール全体の2%にも満たないという。
いくら利益率が高いといっても、
2%
にも満たない市場では全体の利益に対するインパクトは小さい。
そこで、
ノンアルコールビール大国のスペイン市場に注目することになる。

スペインでは、ノンアルコールビールはビール全体の約13%
も占める。
西欧諸国全体の6倍以上もの大きさ。
しかも、ノンアルコールビールの歴史はそれほど長くはない。
1980年代に売り場に登場し、
本格的に売れたのは10年前から。

この短期間の間に市場が大きくなった理由として、
3つ挙げられる。それは、
1.飲酒運転撲滅のため、
政府とメーカーが広告キャンペーンを始めたから。
2.スーパー・コンビニエンスストアだけでなく、
大部分のバーやレストランで飲めるから。
3.活発な商品開発により、ビールの味に近い商品や
フレーバー付き商品などニーズにマッチする商品を発売したから。
である。

1については、政府によるお墨付きをもらうとおもに、

ノンアルコールビールを飲む大義名分を伝えることになる。
社会の善につながる商品として位置づければ、
より多くの人からの支持を受けやすい。

2により、ノンアルコールビールへのアクセスは容易になった。

ノンアルコールビールがないからといって、
別のお店に行く人は少ない。なければ、
炭酸飲料やジュースを飲むであろう。
ノンアルコールビールを飲める場所を増やすことにより、
この「ビールを飲みたくてもビールを飲めなくて、
これまで清涼飲料を飲んでいた」
人の隠れた需要を引き出すことができる。

最後に3であるが、
ノンアルコールビールの品質に関するものである。
より消費者が望むような味(この場合ではビールにより近い味、
フレーバーに付いた味)を付けることで、
ノンアルコールビールに不満を持っていたビール愛好家だけでなく

苦いビールよりも甘いカクテルが好きな若者にも、
売れることになる。これまで見向きもしなかった消費者の需要を、
喚起することになる。

このようにスペインにおけるノンアルコールビールの成功は、

1.大義名分
2.アクセスしやすさ
3.需要喚起につながる商品開発
により可能になった。ノンアルコールビールだけでなく、
その他食品(飲料・酒類を含む)にも、
この成功事例・成功法則は応用できるだろう。

***************************

《今回のヒントのまとめ》

1)
欧州の大手ビールメーカーがノンアルコールビールに力を入れるのは、
普通のビール市場が低迷する一方で、
ノンアルコールビール市場が伸びているからである。

2)それ以上に力を入れる大きな要因は、

ノンアルコールビールの利益率が高いからである。
特に、値引き対象になりにくい点は、
長期に渡る高い利益率につながり、
ビールメーカーにとって大きな魅力である。

3)しかし、ノンアルコールビール市場にも問題がある。

それは、市場の小ささである。
西欧諸国におけるビール全体の市場に占める割合は、
2%にも満たない。

4)一方で、スペインは、ノンアルコールビール販売の歴史が

それほど長いわけでもないのに、
ビール全体の市場に占める割合は約13%にも及ぶ。

5)スペインでノンアルコール市場が大きく拡大したのは、

「ノンアルコールビールを飲む大義名分を伝えたから」
「小売店だけでなく飲食店でも普通に飲めるようになったから」
ビールに近い味やフレーバー付き商品など需要を喚起する商品開発を行ったから」
という3つの要因による。

6)この「大義名分」「アクセスのしやすさ」

「需要喚起につながる商品開発」は、
ノンアルコールビールだけでなく、
その他の食品の販売にも応用できるだろう。

***************************


6)おすすめ商品・サービス


◎Winecarte 簡単ワインの選び方

一番新しい記事は、

ロジャー・グラート・カヴァ・ロゼ・ブリュット2007

(Roger Goulart Cava Rose Brut 2007)
http://goo.gl/vWkeH

です。

最近、ワインを勉強しています。

それをアウトプットする意味でも、
ワインのサイトを始めました。
焦らず少しずつ作成する予定です。
http://wine.ryotarotakao.com/


編集後記

こんばんは、高尾です。
ノンアルコールビール、
日本でのじわじわと売り場を広げています。
コンビニでは、1段はノンアルコールビールで埋められています。
次は、フレーバー付きが発売されるのでしょうか。
注目です。

| 高尾亮太朗 | 食品 | 18:30 | comments(1) | trackbacks(2) | pookmark |
【486号】モンサントの遺伝子組換え作物、その副作用が引き起こす問題とは?
 


トウモロコシ畑

(from flickr

◎本日のニュース

1)見出し
Monsanto Corn Plant Losing Bug Resistance

【出典】
http://goo.gl/ZQCa4

2)要約
バイオ化学メーカー最大手のモンサント社に、
その遺伝子組換えトウモロコシが、
害虫に耐性をもたらしているという問題が浮上している。

この問題を発見したのは、アイオワ州立大学の昆虫学者アーロン・

グラマン氏。
グラマン氏によると、
モンサントの遺伝子組換えトウモロコシ種子を使う
アイオワ州北東部の4つの農場で、
殺虫剤に耐性を持つ害虫が見つかったという。
そのため、一部の農家が、
モンサントからライバルメーカーの種子に
スイッチしているという。

このような問題が起こるのは、同じ作物を何年も続けて栽培するからである。
その際、同じ殺虫剤を使い続けることにより、
害虫がその殺虫剤に耐性を持つようになる。

政府は、耐性を持つ害虫を作り出さないように、
遺伝子組換え種子を使う農家に対し、
一部の農場で非組み換え作物を作るように指導している。
しかし、農家は、
遺伝子組換え種子を使ったら農作業がより楽になり、
収穫量も増えるので、遺伝子組換え種子への依存を強めている。

この問題に対して、モンサントは、99%の農場で、
耐性を持つ害虫は検出されていない、と反論している。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
Widely grown corn plants that Monsanto Co. genetically modified
to thwart a voracious bug are falling prey to that very pest
in a few Iowa fields, the first time a major Midwest scourge
has developed resistance to a genetically modified crop.

4)キーとなる英文の和訳
モンサント社が強力な害虫から守るために遺伝子を組み替えたとう
もろこしは、
広く栽培されているが、一部のアイオワ州の農場では、
まさにその小動物に頼らざるをえなくなっている。

これは、中西部に起きた大きな天罰であり、
遺伝子組換え作物への初めての抵抗である。

5)気になる単語・表現
thwart  他動詞     挫折させる;妨げる
voracious       形容詞     大食の
pest    名詞      小動物
scourge 名詞      天罰
the first time  接続詞句    はじめて〜する時

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
モンサント社(Monsanto Co.)は、遺伝子組換え作物で大きなシェアを握っている。
アメリカで取れるトウモロコシの三分の一が、
モンサントが開発した遺伝子組換え種子を使っている。

モンサントの遺伝子組換えトウモロコシの特徴は、
ラウンドアップ除草剤に強いということ。
通常、除草剤を使えば、トウモロコシにも影響が出るが、
モンサントの遺伝子組換えトウモロコシには影響が出ない。
モンサントの遺伝子組換えトウモロコシを使えば、
農作業が楽になるから、農家はこぞってモンサントの
遺伝子組み換えトウモロコシを使うことになる。

さらに、エタノール需要によるトウモロコシ価格の上昇も、
モンサントの遺伝子組換えトウモロコシへの依存を強くする。
モンサントを使えば、収穫量を増やすことができ、
それが収入の増大につながるからである。

しかし、モンサントの遺伝子組換え依存は、
害虫管理の基本を蝕むことになる。害虫管理の基本とは、
毎年同じ農作物・農作業を繰り返すと、
害虫がその方法に適応してきて、
これまでの殺虫方法が通用しなくなるということ。
モンサントの遺伝子組み換えトウモロコシに依存する農家は、
ラウンドアップをだけ強い、他の除草剤を使わなくなった。
これが、雑草や害虫に耐性を作り出す。

記事によると、殺虫剤や除草剤に強い
遺伝子組換えトウモロコシが開発される前は、
逆に小動物を利用して、
トウモロコシに害を与える虫を排除していた。
そのために、トウモロコシと大豆を交互に作るなど、
栽培作物を毎年替えていた。
しかし、モンサントの遺伝子組換えトウモロコシの開発により、
農作業が楽になり、さらに儲かるので、
農家は毎年同じ農場で何年もトウモロコシを作るようになる。

さらに悪いことに、モンサントの遺伝子組換えトウモロコシの方が、
競合メーカーの遺伝子組換えトウモロコシよりも耐性を持たれやす
く、
害虫の被害がより大きくなるとされる。
モンサント依存が、完全に裏目に出たと言っていいだろう。

アメリカで収穫されるトウモロコシの1/3が、
モンサントの遺伝子組換え種子を使っているとなると、
この問題によりトウモロコシ収穫量が大きく減少する恐れがある。
それが、トウモロコシ価格の高騰につながれば、
他の穀物価格にも波及するのは必至である。
遺伝子組換え作物は、農作業を効率化し、
収穫量を最大化させる威力を持つ反面、その過剰な依存は、
不作を招く恐れがある。そして、
将来起こるであろうとされる食糧不足問題を、
加速させるかもしれない。
***************************
《今回のヒントのまとめ》

1)モンサントの遺伝子組換えトウモロコシは、
除草剤・殺虫剤に強いために、このトウモロコシを使うと、
農作業が楽になる。

2)さらに、エタノール需要の増大によりトウモロコシ価格が上昇しているため
収穫量を最大化させるモンサントの遺伝子組換えトウモロコシへの
依存を高めている。

3)しかし、この依存が過剰になると、
毎年同じ作物を同じ方法で何年も続けて栽培することになり、
害虫に耐性が生まれることになる。害虫に耐性が生まれると、
逆に収穫量が激減しかねない。

4)このように、遺伝子組換え作物は、農作業を効率化させ、
収穫量を最大化させる威力を持つ反面、過剰な依存は不作を招く。
その結果、将来に予見される食糧不足問題を、
加速させるかもしれない。

***************************

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編集後記
こんばんは、高尾です。
今回の記事は、農業関連だったため、
かなり多くの専門用語がありました。
そのため、かなり苦戦。
いつもと違う分野の記事を読めば勉強になる反面、
難しい単語の前に挫けそうになることもあります。
知らない単語の多い文章を読むことは、とてもストレスフルです。
ただ、これに負けじとチャレンジしようと思います。

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| 高尾亮太朗 | 農業 | 18:00 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
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高尾亮太朗

1975年兵庫県姫路市生まれ。白鳥小学校・淳心学院・駿台予備学校神戸校・早稲田大学政治経済学部に進む。大学進学時に政治家を志し、早大鵬志会に入会。・・・続き
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