英語新聞ウォールストリートジャーナル(WSJ)から見た起業・ビジネスのヒント

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グローバルビジネスマンなら必読の英語新聞「THE WALL STREET JOURNAL(ウォールストリートジャーナル)」。ウォールストリート・ジャーナル研究家の高尾亮太朗が、最新の記事を解説し、起業・ビジネスのヒントを提供いたします。

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【661号】元アマゾン幹部のアパレル店が注目した、ネット通販にあって実店舗にないものとは?
]  

◎本日のニュース

1)見出し
Clothing Shop Is Tailored to Digital Age

【出典】
http://goo.gl/SiqGM

 

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2)要約
元アマゾンの物流担当副社長が創業したアパレル店・

ホインター社は、
実店舗ながらネット通販の要素をふんだんに導入している。
店舗には販売員はおらず、
また店舗のショールーム化を回避するために、
価格は他社のネット価格を参照に毎日変更される。

ホインターでは、試着から購入までスマートフォンと
タブレットが利用される。
店頭に並んだ各1点の見本についたタグを、
スマホアプリでスキャンし、サイズを選択する。
すると、試着室に商品が自動で運ばれ、
決済は試着室内に設置されたタブレットで行う。

これにより、ネット通販のスピードと利便性を、
実店舗の触って試せる利点に加えることができる。
このネット通販と実店舗の融合の動きは、
他の実店舗型小売店のみならず、ネット通販でも見られる。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
In the heart of Silicon Valley, Amazon.com Inc. veterans
are trying to disrupt the experience of shopping
in a store―just as the online retailer
upended e-commerce.

4)キーとなる英文の和訳
シリコンバレーの中心で、
アマゾン・ドット・コム社のベテランが、
実店舗での買い物体験を大きく変えようとしている。
それは、まさにネット通販のアマゾンが、
Eコマースに革命を起こしたように。

5)気になる単語・表現
veteran名詞経験豊かな人、ベテラン
disrupt他動詞〜を分裂させる、〜を崩壊させる
upend他動詞〜を逆さまにする、〜をひっくり返す;
〜を打ち負かす

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
今回の記事では、5月1日にカリフォルニアの
パルアルト(Pal Alto)に新店をオープンさせる
アパレルショップ・ホンンター社(Hointer Inc.)が
取り上げられています。この企業は、
元アマゾン物流担当副社長のナディア・
ショーラボータ氏が創業した、
ジーンズショップ。元アマゾン幹部の企業ということもあり、
実店舗の小売店にネット通販の流儀を取り入れています。
その特徴をまとめると、次のようになります。

【元アマゾン幹部のアパレル店・ホインターの特徴】
[1]販売員がいない
[2]競合するネット通販価格に応じて毎日価格が変動する

1について、店頭での作業を大きく削減することにより、
販売員を無くしています。その削減方法は、
店頭在庫を最小限に減らし、
試着から決済までを自動化するという方法です。
店頭には、色・デザインごとに1点しかなく、
しかもその見本が店頭に吊るされています。
よって、来店客が手に取っても、
簡単に元通りに戻すことができます。
店頭が乱れることがほとんどなく、
売場整理という仕事を削ることができます。

さらに、試着から決済・購入までは自動化されています。
その仕組みは、以下の通りです。

【ホインターでの試着から決済・購入までのプロセス】
[1]スマホアプリで、
気に入った店頭見本のタグをスキャンして、サイズを選ぶ。
[2]選んだジーンズが、
バックヤードから試着室まで自動で運ばれる。待つこと約30秒。
[3]試着室に設置されたタブレットで、
気に入れたその場で即購入できる。

このように、スマホ・タブレットを存分に駆使することで、
レジの存在すら不要になります。だからこそ、
販売員ゼロの実店舗を作ることができたのです。

特徴2は、ショールーム化対策。ショールーム化とは、
店頭で実際に商品を確かめ、
購入はより安いネットで買うという現象です。
これにより実店舗は、来店客は多いものの、
売上は上がらないという、困った状況に陥ることになります。
これを防ぐために、ホインターは、
価格を競合するネット通販価格に毎日合わせるという
方法を取りました。このやり方、言うのは簡単ですが、
実際に行うのはかなり難しいこと。以前日経ビジネスで、
ヨドバシカメラ社長が、ネット通販に敵わないこととして
値札の付け替えを強調されていました。
http://goo.gl/FSBrJ

このように、価格を頻繁に買えることは、
ネット通販では簡単ですが、
店頭では相当難しいことなのです。
ホインターがこの相当難しいことをやってのけるのは、
競合するアパレルネット通販サイトを巡回する
ソフトウェアを開発できたから。記事で記載はないですが、
恐らく値札もデジタル化しているのでしょう。
ネット通販同様、コンピューター上で数字を変更すれば、
値札も自動で更新される仕組みが導入されているのだと、
思います。

このように、商品に触れて試せるという実店舗の強みに加えて、
ネット通販のスピード・利便性も持ち合わせたホインター。
この実店舗とネット通販の融合は、
ホインターだけのことではなく、
他小売企業も注目しています。記事で紹介されているのは、
次の事例です。

【他小売企業が注目する実店舗とネット通販の融合事例】
[1]アパレルネット通販のボノボズ社(Bonobos Inc.)は、
商品を試せてその場でネット決済できる実店舗を開設。
[2]グーグル社(Google Inc.)は、
即日配達サービスで実店舗型小売のステイプル社(Staple Inc.)と提携。

このように、実店舗とネット通販の融合を目指すのは、
次にような理由に依ります。

【実店舗とネット通販の融合を目指す理由】
[1]利便性を高めるため
[2]データを獲得しマーケティングをより効率化するため

1は、利用者に関すること。実店舗で試せれば、
利用者の失敗リスクは大きく減少します。さらに、
実店舗で試して、その場でネット決済できれば、
販売員から売り込み圧力を掛けられることもなく、
レジに並ぶ必要もありません。特に、
店員にかまわれたくない消費者にとっては、
来店ハードル自体が大きく下がることになります。
このように、買い物の利便性が大きく高まるのです。

2は、販売者に関すること。従来、実店舗では、
売れた商品とその数、返品された商品と
その数しかわかりませんでした。そこには、
「誰が」と「興味があったが購入に至らなかった」
ことに関するデータがありません。
一方、ネット通販では、宅配するので、
どこの誰が買ったかもわかります。さらに、
クリックされた商品をカウントすれば、
興味があったものの購入しなかった商品まで
わかるのです。ネット通販の仕組みを
実店舗に組み入れれば、
この2つの情報を実店舗型小売も獲得できることになります。

実際、ホインターが目指すものとして、
創業者のショーラボータ氏は次のことを挙げています。

【ホインターが目指すもの】
[1]実店舗での顧客データを活用し、
在庫の最適化・商品開発・販促に利用する。
[2]ネット通販を実店舗に持ち込んだ
システム・ソフトウェアを他小売企業に外販する。

その発言のニュアンスからは、
ホインターの多店舗展開よりもシステムの外販に力を入れるようで
す。

最後に、今回の記事からわかった、
販売者から見たネット通販・実店舗型小売の
メリット・デメリットをまとめたいと思います。

【ネット通販・実店舗型小売のメリット・デメリット】
[ネット通販のメリット]クリックしたリンク・
検索ワードを集計することで、興味のある商品・分野がわかる
[ネット通販のメリット]会員登録・配送の必要性により、
誰がいつ何を買ったかがわかる。

[ネット通販のメリット]価格の随時変更が容易にできる。
[ネット通販のデメリット]商品が試せないことが、
購入の大きなハードルになる。

[実店舗のメリット]商品を試せることで、
買い物客の購入ハードルを下げることができる。
[実店舗のメリット]買い物客の買物行動が目に見えるので、
接客でその場で対応しやすい。

[実店舗のデメリット]購入した商品と返品された
商品の情報しかわからず、「誰が」と
「興味はあるが買わなかった」ことの情報を得られない。
[実店舗のデメリット]値札を頻繁に変更することが難しい。

ポイントカードの導入など、
実店舗でも「誰が」の情報獲得に力を注いでいます。
この流れは今後も変わらず、
ネット通販で決済して実店舗で受け取ったり、
実店舗で試してネット通販で決済したりなど、
実店舗とネット通販の融合は今後もさらに進むのでしょう。

***************************
《今回のヒントのまとめ》
1)元アマゾン幹部が創業したアパレル店のホインターは、
実店舗型小売店にネット通販の要素を組み込んでいる。

2)まず、試着から決済・購入までを自動化することで、
誰が何を買ったかだけでなく、
どの商品に興味を持ったのかという情報まで獲得する。

3)さらに、競合するネット通販価格を随時取得する
ソフトウェアを開発したことにより、
毎日値札を変更し、実店舗のショールーム化を回避している。

4)ホインターは、多店舗展開よりも、
2で取得した情報による在庫の最適化や商品開発・
販促の強化を今後行い、システム・
ソフトウェアの外販に力を注ぐとされている。

5)このような、実店舗とネット通販のメリットを
合わせるという融合の動きは、今後さらに増えると思われる。
*************************


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7)おすすめ商品・サービス
◎JAFカード解約を考えています
実は経費削減の為、長年利用してきた
JAFカードの解約を考えています。
そこで、JAFの代わりとして考えているのが、
ENEOSカード。
ロードサービスが十分かどうかは、わかりません。
もし、利用されたことのある方がおられましたら、
教えてください。
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◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、もうすぐ5年。
この5年間でわかったことがあります。
読む上で知っておくべき単語さえわかれば、
大まかな内容はわかるということ。
備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。
今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。
http://english.ryotarotakao.com/

◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、
ワインの情報を探すのが大変ということ。
公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、
作っています。
http://wine.ryotarotakao.com/

編集後記
試着室まで自動で商品が移動する仕組み、
一度見てみたいですね。
30秒で移動するので、ストレスもほとんど感じないはずです。
ただ、初期投資はかなり大掛かりなものになるのでしょう、
きっと。

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
感謝・感謝・感謝です!

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私もごく少ない部数の時に、
いろんなメルマガ執筆者様に助けていただきましたので、
今回は私が恩返しします!

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高尾亮太朗

1975年兵庫県姫路市生まれ。白鳥小学校・淳心学院・駿台予備学校神戸校・早稲田大学政治経済学部に進む。大学進学時に政治家を志し、早大鵬志会に入会。・・・続き
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