英語新聞ウォールストリートジャーナル(WSJ)から見た起業・ビジネスのヒント

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【646号】低糖アイスティー・有機ジュースのオネストティー、炭酸飲料開発で直面した課題とは?
 

オネスト・フィズ


◎本日のニュース

1)見出し
Honest Tea's New Soda

【出典】
http://goo.gl/27rPz


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2)要約
有機ジュースのオネストティーは、
炭酸飲料シリーズ「オネストフィズ」を発売した。
ただ、その商品開発において、難しい課題に直面した。

その課題とはまず、炭酸飲料を出すことが自然飲料を作る
というミッションに反しないかということから始まった。一方、
炭酸飲料は、アメリカで売上最大の飲料カテゴリーで、
他のカテゴリーを圧倒するほどの市場規模があり、
市場としては魅力的である。

競合の炭酸飲料との差別化にも苦労した。
パッケージや内容で競合品との違いを出す一方で、
トップブランド商品と似せる必要性にも迫られた。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
When Honest Tea, makers of low-sugar teas and
juices that are organic, decided to get into
the carbonated beverage business,
it faced a communication dilemma.

4)キーとなる英文の和訳
オネストティーは、低糖アイスティーと
有機ジュースの製造企業であるが、
炭酸飲料市場に参入を決めた時、
コミュニケーションの難しい課題に直面した。

5)気になる単語・表現
organic形容詞有機の、炭素を含む
carbonate他動詞〜に二酸化炭素[炭酸]を含ませる
dilemma名詞(ニ者択一の)ジレンマ、板挟み;難問題、

窮地

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
オネストティー(Honest Tea)は、
コカ・コーラ社(Coca-Cola Co. )の傘下の飲料メーカー。
低糖アイスティーと有機ジュースで、
全米トップレベルのブランドだそうです。
「体にやさしい」という切り口の商品を製造・
販売している企業と言っていいかもしれません。
そのようなヘルシー飲料メーカーが、
炭酸飲料市場に参入を決めたそうです。

その理由は、炭酸飲料市場が巨大だからに他なりません。
炭酸飲料市場は、アメリカ飲料市場の最大カテゴリーであり、
他カテゴリーを圧倒する大きさを持ちます。
この巨大市場を魅力的に感じるとともに、
そこにビジネスチャンスを見出したことで、
オネストティーは参入を決めたようです。
そのビジネスチャンスとは、
自然由来の甘味料を使った炭酸飲料を飲みたいという
ニーズが満たされていないというもの。

ただし、オネストティーのミッションは、
「自然飲料を作る」というもの。
概して体に悪いというイメージがある炭酸飲料市場に参入すること
は、
このミッションに反しかねません。ここから、
炭酸飲料市場への参入の苦悩が始まりました。

商品開発、さらには新規事業開発においては、
次の2つの性質を考える必要があります。
それは、差別化と同質化です。
この両社にはそれぞれメリットとデメリットが存在します。

【商品開発における差別化・同質化のメリット・デメリット】
[差別化のメリット]価格競争を回避できる
[差別化のデメリット]わかりにくさにより敬遠される恐れがある
[同質化のメリット]市場規模・成長性を享受できる
[同質化のデメリット]価格競争に陥りやすい

上記を見れば、差別化のメリットと同質化のデメリット、
差別化のデメリットと同質化のメリットが対になっているのが
わかるかと思います。つまり、差別化が大きくなればなるほど、
同質化が薄くなり、そのメリットを享受できなくなります。
トレードオフに近い関係と言えるかもしれません。

差別化をうまくやれば、競合商品との違いが明確になり、
価格競争を回避できます。
価格以外の違いで選んでもらえるからです。
一方、差別化が過ぎると、消費者はその新しさに不安を覚えます。
その結果、なかなか買ってもらえなくなり、
売上にマイナスの影響を及ぼします。同質化をうまくやれば、
その市場の規模・成長にうまく乗れることになります。
大きなニーズをすくえることができるからです。
一方、同質化が過ぎれば、競合商品と区別が付きにくくなり、
一番わかりやすい価格で選ばれるようになります。
価格競争に突入です。

オネストティーの炭酸シリーズ・オネストフィズ(Honest Fizz)は、
その商品開発において、差別化と同質化に苦労を重ねます。

まず参入そのものについて。先述したように、
オネストティーが炭酸飲料市場参入を決めた理由の一つは、
その市場規模が魅力的であったから。
同質化のメリットに着目して、
参入を決めたのです。ただ、コカ・
コーラ社やペプシコ社の炭酸飲料と
同じような商品を発売すれば、
同質化のデメリットである価格競争に
巻き込まれることになります。

そこで、缶の形・デザインで差別化を図ることになります。
これは、差別化のメリットを享受するためです。缶は、
細長の12オンス缶を採用。これにより、パッと見ただけで、
競合商品との違いがわかります。さらに、缶のデザインでは、
白の背景色を採用し、パッケージでは自然由来の原材料・
ゼロカロリーを
強調しています。

ただし、あまりに差別化をすると、
差別化のデメリットが生じる可能性があります。そこで、
適度に同質化をデザインに施します。例えば、
当初、
缶の中央部にグラフィックの泡でできたゼロを配置する予定でした
しかし、結局、本文のようなフルーツやルートビア要の樽
(ルートビア味の商品)に変更したそうです。その理由は
、炭酸飲料の購入は、最終的には美味しさが決めると考えたから。
これは、同質化に他なりません。競合品との違いを強調するために
「ゼロ」を強調すれば、逆にその美味しさがわかりにくくなり、
消費者に選ばれないと予測したのです。

また、「ゼロカロリー」の文字を、
缶の上部と下部に目立つように配置しています。これは、
同じゼロカロリーの炭酸飲料のコカコーラゼロ(Coca Cola ZERO)や
ペプシマックス(Pepsi MAX)では、”0 Calories”や”Zero Caloroies”が
缶で目立つようにデザインされています。よって、
ゼロカロリーのトップブランド商品と同質化したことになります。

さらに、オネストフィズのラインナップを見れば、
フレーバーにおいて競合品との同質化を目指したことがよくわかり
ます。
オネストフィズには、オレンジ味・レモンライム・ルートビア味・
ドクターペッパー味の4種類があります。いずれも、ファンタ(
Fanta)・
スプライト(Sprite)・A&Wルートビア(A&W Root Beer)・
ドクターペッパー(Dr. Pepper)を意識して開発したものであり、
同質化を図ったものです。フレーバーの同質化を図ることにより、
競合他社品ユーザーで、
できれば自然由来の甘味料を好む人の購買が
期待できます。

面白いのは、「ゼロカロリー」の強調という同質化が、
自社既存商品との差別化になっているところ。
オネストティーの既存品は、自然由来の甘味料がその特徴であり、
カロリーはゼロでありません。よって、オネストフィズで
「ゼロカロリー」を強調しなければ、オネストフィズも
他自社商品同様カロリーのある商品と誤解されかねません。
ゼロカロリー商品が人気であることを考えると、
この誤解はオネストフィズの売上に悪影響を及ぼす恐れがあります

だからこそ、「ゼロカロリー」と強調することで、
自社既存品との差別化を図ったのです。

このように、競合品と明らかに違うからと言って、
単に差別化すればいいというものではありません。
一方で、同質化が過ぎると、
価格競争に巻き込まれる恐れがあります。
差別化と同質化のうまい按配こそが、商品開発の難しさであり
面白さなのでしょう。
オネスティーが経験した炭酸飲料開発の苦労は、
まさに差別化と同質化の按配をどうするかに他なりません。

Honest Tea http://www.honesttea.com/
Honest Fizz Press Release http://goo.gl/WgtfK
Honest Fizz http://goo.gl/gbcpZ
Coca-Cola USA http://goo.gl/89mAs
PepsiCo Lineup http://goo.gl/hfaoa

***************************
《今回のヒントのまとめ》
1)低糖アイスティーと有機ジュースのオネストティーは、
炭酸飲料市場に参入した。ただ、
その商品開発で難しい課題に直面することになる。

2)それは、商品開発における差別化と同質化の按配である。

3)差別化には、価格競争を回避できるというメリットがある
一方で、差別化が過ぎると敬遠されるというデメリットがある。

4)また、同質化には、市場規模・成長度合いの恩恵を
受けられるというメリットがある一方で、
同質化が過ぎると価格競争に陥るというデメリットがある。

5)オネストティーは、缶の形や表示で差別化を図ると同時に、
フレーバーやデザインでは同質化を図っている。
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編集後記
炭酸アイスティーでは、新規性が強すぎて、
売れないと判断したからこそ、
他社と似たフレーバーの炭酸飲料を開発したのでしょう。
商品開発は、ややもすると作り手の自己満足になりがち。
一歩引いて考える、買う立場になって考えることが必要ですね。
ただ、これをするのは、中にいる人にとってなかなか難しい。

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高尾亮太朗

1975年兵庫県姫路市生まれ。白鳥小学校・淳心学院・駿台予備学校神戸校・早稲田大学政治経済学部に進む。大学進学時に政治家を志し、早大鵬志会に入会。・・・続き
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