英語新聞ウォールストリートジャーナル(WSJ)から見た起業・ビジネスのヒント

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【632号】アメリカで炭酸が売れなくなった本当の理由とは?
 

カードの使えるコカ・コーラ自販機

By Wyscan


◎本日のニュース

1)見出し
Is This the End of the Soft-Drink Era?

【出典】
http://goo.gl/ZlNqF


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2)要約
アメリカでの炭酸飲料の売上に関して、
これまで数量が問題視されてきたが、
最近金額を危惧する声が高まっている。
それは、値上げによる売上金額の維持が、
不可能になってきたからである。

その要因として、糖分の多い炭酸飲料が、
消費者の健康志向に合致していないことがあげられる。
また、ベビーブーム世代の高齢化や、
従来の主要顧客である若年層が、
ミネラルウォーターやエネルギー飲料・
コーヒーを買うようになったことも、
売上の減少につながっている。

これに対して、炭酸飲料大手3社は、
スポーツドリンクやフルーツジュースなどの
急成長カテゴリーの拡充している。さらに、
炭酸飲料に関しては、低カロリーの天然甘味料の
共同開発や広告宣伝を増やすことにより、
需要を喚起している。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
Coca-Cola Co., PepsiCo Inc. and Dr Pepper Snapple Group Inc.
 have struggled to reverse the decline in soda consumption
 in the U.S., where shoppers increasingly reach for water,
 coffee, and other drinks.

4)キーとなる英文の和訳
コカ・コーラ社、ペプシコ社、ドクターペッパー・
スナップル・グループ社は、全米における
炭酸飲料消費量を減少から回復させるのに奮闘してきた。
しかし、消費者は水やコーヒー・
その他飲料への支出を増やしている。

5)気になる単語・表現
struggle to V他動詞句〜しようとして闘う、
〜に取り組む;〜に奮闘する
reach for自動詞句〜を追求する

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
アメリカでの炭酸飲料の売上減少が止まらない。これまでは、
量の減少を食い止めるために、値上げを行なってきた。
(もちろん、その背後には原材料コストの上昇などもあるが。)
しかし、値上げしても販売数量の維持ができなくなったという。
特に、最近売れない傾向はより強まっている。

【アメリカの炭酸飲料がますます売れなくなっている現実】
[売上金額]
2012年最後の12週間→前年同期比−2.5%
2012年12月→前年同期比−2.8%
[売上数量]
2012年最後の12週間→前年同期比−3.55%
2012年12月→−4.9%

12月というと、クリスマスシーズン。
パーティーなどで炭酸飲料を飲む機会が多い月。
さらに、12月の小売売上高は、前月比・前年同月比ともプラス。
炭酸飲料がいかに売れなくなったかが、よくわかる。

ちなみに、この統計は小売店での売上だけを示す数字であり、
飲食店・自販機・他のルートは含まれていない。よって、
業界関係者の中では、これらの統計に含まれない数字を
含めた全体の売上は、少し上昇していると考える人もいる。
しかし、炭酸飲料が売れなくなった背景を考えると、
そう楽観視できない。

炭酸飲料の売上を減少に追い込んでいる要因を、
外部環境から考えてみた。

【炭酸飲料の売上減少を導く外部環境の変化】
[1]消費者の健康志向の強まり
[2]ベビーブーム世代の高齢化
[3]若年層のニーズの変化(需要の多様化)
[4]消費者の節約志向の強まり

1については、消費者の健康志向の強まりは、
糖分・カロリーの高い炭酸飲料にとっては逆風になる。
この記事のコメントを見ると、逆風の強さは凄まじい。
例えば、ソーダストリーム(Soda Stream)という
家庭用の炭酸飲料製造機械を買って、
自分で糖分やフレーバーを調整する人がいるという。
このような高価な機械をわざわざ購入するのは、
糖分の多い市販のソーダ飲料を飲んで、
肥満や糖尿病になりたくないからである。
市販品の方が安くても、病気になってはより高くつく。

2は、1とも関連する。1946年〜1964年に生まれた
アメリカのベビーブーム世代は、
人口ピラミッドの中で突出した部分を作る。
この人口の多い層が高齢化すれば、
炭酸飲料を飲む量も減ることになる。
年を取れば、

より体のことを思いやる傾向が強まることを考えると、
ベビーブーム世代の健康志向の強まりが、
炭酸飲料の需要減少の一因になっている。

3は、これまで炭酸飲料がターゲットとしてきた若年層が、
炭酸以外の飲料を飲むようになったことを示す。
例えば、レッドブル(Red Bull)などのエネルギー飲料や水、
コーヒーなど。炭酸飲料の値上げも影響しているだろう。
価格のより低い水を、炭酸飲料の代わりに所得の低い若者が
飲むようになっても、不思議ではない。ニーズの多様化とともに、
所得の低下も影響している。

4は、コメント欄を読んでわかったこと。
記事へのコメント(投稿)を見ると、
「安いコーンシロップが混ざった水を買うのに、
1.5ドルも支払うことがばからしい。」という意見がある。
砂糖からコーンシロップに変えることでコストを下げておきながら
そのコスト削減分を消費者に還元せず、
スーパーボウルの広告に多額のお金を掛けることに、
嫌気が指している人もいる。)この背景には、
消費者の節約志向の強まりがある。

これらの外部環境の変化に対して、大手3社
(コカ・コーラ社、ペプシコ社、
ドクターペッパー・スナップル・グループ社)
が行ったのは、次のような対策である。

【大手3社による対策】
[1]急成長カテゴリーのラインナップ拡充
[2]0カロリー・低カロリーの天然甘味料の共同開発
[3]低カロリー商品の拡充
[4]宣伝広告の強化

1について、スポーツドリンクやフルーツジュースなどの
新商品を各社増やしている。例えば、コカ・コーラ社は、
ジコ(Zico)ブランドのココナッツウォーターや、
乳飲料・疲労回復シェイクを発売した。また、
ペプシコ社は、ネイキッドジュース(Naked Juice)ブランドの売上が25%上昇し、
またリプトン(Lipton)やスターバックス(
Starbucks)と
共同開発した茶飲料やコーヒーが順調に売上を拡大している。

2については、3社共同で、
天然甘味料の共同開発を進めているが、
さほど成功を収めていない。その結果、
人口甘味料を使った低カロリー商品の開発が増えている。(3)
ただ、人工甘味料の新商品は、さほど売れていないという。
ペプシコ社のペプシネクストも、
ドクターペッパー社の10カロリーシリーズとも、
シェアは1%未満。

4は、炭酸飲料への偏見を正すための広告を
増やしているという。例えば、肥満への不安や、
大型サイズの炭酸飲料の販売を規制する
ニューヨーク市に対抗したテレビCMは、
今週開始されるという。

しかし、炭酸飲料の売上(金額・数量)を見る限り、
これらの対策が成功しているとは言いがたい。その原因は、

炭酸飲料というドル箱商品の利益に固執しているから

ではないか。砂糖からコーンシロップに変えることで、
コスト削減に成功し、炭酸飲料の利益率は大きく上昇した。
その利益率を食いかねない原材料コストの上昇に対しては、
値上げで対応。そして、天然甘味料の共同開発が
うまくいかないのは、コーンシロップよりもコストが
高くなるからだろう。

今後、大手3社は、成熟した全米市場よりも成長が見込める
新興市場に力を注ぐ模様。儲かる炭酸飲料を、
未開拓の新興市場で販売することで、
高い利益率・大きな利益額を享受できる。
儲かる新興市場に力を入れるあまり、
アメリカ市場の消費者ニーズに向き合うことを怠れば、
アメリカの消費者からそっぽを向かれかねない。

Zico http://zico.com/
Pepsi Next http://goo.gl/4Tv4W
Dr. Pepper 10 http://goo.gl/lXz7h

***************************
《今回のヒントのまとめ》
1)アメリカの炭酸飲料の小売販売額・数量とも減少している。
この減少幅は、直近大きくなっているので、
炭酸飲料を販売する企業にとっては大きな問題である。

2)この背景には、外部環境の変化がある。その変化とは、
消費者の健康志向の強まり、ベビーブーム世代の高齢化、
若年層のニーズ変化、節約志向の強まりである。

3)これら変化に対して、大手3社は、急成長カテゴリーの拡充、
0カロリー・低カロリーの天然甘味料の共同開発、
低カロリー商品の拡充、宣伝広告の強化を行なっている。

4)しかし、これらがうまく行かず炭酸飲料の売上が
減少しているのは、炭酸飲料という
ドル箱商品の高い利益率に固執しているからではないか。

5)儲かる新興市場の力を注ぐあまり、
アメリカ市場の消費者ニーズに向き合うことを怠れば、
アメリカの消費者から大きなしっぺ返しを食らうことになるだろう

*************************

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高尾亮太朗

1975年兵庫県姫路市生まれ。白鳥小学校・淳心学院・駿台予備学校神戸校・早稲田大学政治経済学部に進む。大学進学時に政治家を志し、早大鵬志会に入会。・・・続き
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