英語新聞ウォールストリートジャーナル(WSJ)から見た起業・ビジネスのヒント

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【619号】米日用品メーカーが男性向けマーケティングに力を入れる理由とは?
 

P&Gのジョイジェルタブ


◎本日のニュース

1)見出し
A Truce in the Chore Wars

【出典】
http://goo.gl/Vty3g


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2)要約
家事をする男性の増加が、
日用品メーカーのマーケティングに影響を与えている。
女性は、パートナーに家事をして欲しいと考える反面、
うまくできるか不安を持っている。この点に注目し、
日用品メーカーは、男性が使いやすいだけでなく、
女性が安心して任せられる製品の開発を行う。

広告宣伝においては、男性の家事参加を促すメッセージが多い
。この際、家事に無力だと思われたくない男性の心理を汲み取り、
男性へのブランド浸透を目指す。

男性の家事参加の背景には、
景気状況が回復しても不安定な雇用環境がある。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
Makers of big household cleaning products are
 keeping close tabs on an important behavioral change
 inside American homes―the slow but steady reapportioning
of domestic chores, as more men wash dishes, mop floors
and do laundry.

4)キーとなる英文の和訳
大きな家庭用清掃用品の製造会社は、
アメリカの家庭内で起こる重要な慣習の変化に注意を注いでいる。
その変化とは、食器洗いや床拭き・

洗濯をする男性が増えるに従い、
家事の役割分担がゆっくりだか確実に変化しているということであ
る。

5)気になる単語・表現
keep tabs on他動詞句〜を見張る、〜に注意を払う
reapportion他動詞〜を再分配する
chore名詞雑用
mop他動詞〜を拭く(掃除をする)

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
家事をする男性が増えたのは、
女性であるパートナーの期待がある反面、懐事情もある。
景気回復後も、多くの男性が不定期雇用の状態が続いたので、
配偶者である女性が働きに出る必要があった。その結果、
女性の家事に当てられる時間が短くなり、
男性が家事をしなければならなくなった。
以下のようなデータもある。

【男性と女性の家事時間に関するデータ】
[男性の1日の家事時間]2003年14分→2011年16分
[女性の1日の家事時間]2003年58分→2011年52分
【男性と女性の家事役割分担に関するデータ】
[男性が行う家事の割合]1965年1/5未満→2011年1/
3

この変化に反応したのが、日用品メーカー。
記事で取り上げられているのは、
P&G(Procter & Gamble)とキンバリークラーク(Kimberly-
Clark)である。
P&Gは、日本でもおなじみの洗剤やシャンプーなどのメーカー。
キンバリークラークも同様で、ティッシュのクリネックスや
ハギーズというおむつを製造している。

興味深いのは、ただ男性向けの製品を開発したのではなく、
夫に家事を任せる女性の心理も考慮した製品を開発している。
次の統計を見れば、夫の家事参加に対する女性の心理を
垣間見ることができる。

【男性の家事参加に対する女性の心理】
◯57%の女性が、パートナーや配偶者に
もっと家事を手伝って欲しいと思っている。
◯42%の女性が、パートナーや配偶者に
安心して家事を任せられないと思っている。

家事を手伝って欲しいと思う反面、
自分がするのと同じ仕事ができないのではないかと、
不安に感じる女性が多いことがわかる。
この女性の心理を反映して開発された商品として、
以下が紹介されている。

【女性の心理を汲み取って開発された日用品】
[1]P&G タイドポッド(Tide Pods)
→1回分の洗剤が一つになったジェル状洗剤
[2]P&G バウンスドライヤーバー(Bounce Dryer Bar)
→乾燥機の中で1ヶ月持つ柔軟剤

1は、夫や家族が洗剤を入れすぎたり少なすぎたりしないか、
という女性の不安を解消する。
また、女性が夫の家事に対して不安に感じる心理に対して、
次のようなキャンペーンも行なっている。

[3]P&G 「マンアップ クリーンアップ」(“Man Up, Clean UP”)
キャンペーン→男性にもっと家事をしようと促す一方で、
女性にも男性に家事をやってもらおうと訴える。

ただ、日用品メーカーが、男性向けの商品開発・
広告宣伝を行うのは、
家事をする男性が増えたからだけではない。もう一つの理由は、
男性の方が、女性よりもブランドロイヤリティが高いからである。
男性の購買行動を考えれば、
男性への販促を強めるメリットがわかる。

【男性の購買行動】
◯買い物時間は女性よりも短い。
◯事前に何を買うか決める可能性は、女性よりも低い。
◯ブランドロイヤリティは、女性よりも高い。

つまり、男性は、売場で商品をパッと見て、
自分の好きなブランドを買う確率が女性寄よりも高いということで
ある。
あれこれ価格や使い方を比べることはしない。だからこそ、
男性への宣伝広告は重要だと言える。
日用品メーカーの男性への宣伝広告として、
以下の事例が紹介されている。

【日用品メーカーの男性への宣伝広告】
[3]P&G 「マンアップ クリーンアップ」キャンペーン
[4]P&G 洗剤のタイド(Tide)のCMで夫の洗濯シーンを流す。
66年間のCMで初めて。
[5]P&G NFLスポンサーのタイドのパッケージに、NFLの選手を掲載。
[6]キンバリークラーク 父親におむつ交換を試して欲しい旨のCMを流す。

面白いのは6で、6のCMの前には、
フットボールの試合に夢中になっておむつ交換をしない
父親をCMで流したところ、
男性からの非難を浴びることになった。
そこで、6のCMに切り替えられた。このCM交換劇は、
自分は無力だと思われたくない男性の心理を物語っている。

このように、
家庭での家事分担の変化とロイヤリティの高さの違いにより、
アメリカの日用品メーカーは、男性へのマーケティングに力を
入れているのではあるが、日本ではどうか。 日本でも、
非正規雇用の増加を考えれば、共働きの増加は想像に難くない。
そして、現状の洗剤が、家事に慣れない男性にとって
使い勝手がいいとは言えない。アメリカと同じことが、
日本でも起こってもおかしくないだろう。実際、P&
G日本法人は、
ジョイジェルタブという商品を発売している。

Tide Pods http://goo.gl/6TPJP
Bounce Dryer Bar http://www.bouncefresh.com/dryer-bar/
Man Up Clean Up  http://goo.gl/Ycv2M
TideのCM http://www.youtube.com/watch?v=M28l-6LUp3w
TideのNFL仕様ボトル http://goo.gl/GhW6G
HuggiesのCM http://www.youtube.com/watch?v=13CNGiNQfg8
P&G
のジョイジェルタブ http://goo.gl/NFl7n

***************************
《今回のヒントのまとめ》
1)アメリカ日用品メーカーは、
家事を行う男性の増加に対応して、
男性向けの商品開発や宣伝広告を行なっている。

2)その際、夫に任せることへの女性の不安を考慮している。
つまり、女性が安心して任せられるような、
簡単に使える商品を開発している。

3)また、男性が女性よりもブランドロイヤリティが高い点も、
男性向け製品のマーケティングに力を入れる要因である。

4)事前に買うものを決めずに、売場で咄嗟に決めるので、
男性へのブランド認知を高めるために、
男性向けの宣伝広告に力を注いでいる。

5)
非正規雇用の増加など日本もアメリカに似ている点を考えれば、
日本で男性向けの日用品が増えても、不思議ではない。
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高尾亮太朗

1975年兵庫県姫路市生まれ。白鳥小学校・淳心学院・駿台予備学校神戸校・早稲田大学政治経済学部に進む。大学進学時に政治家を志し、早大鵬志会に入会。・・・続き
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