英語新聞ウォールストリートジャーナル(WSJ)から見た起業・ビジネスのヒント

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グローバルビジネスマンなら必読の英語新聞「THE WALL STREET JOURNAL(ウォールストリートジャーナル)」。ウォールストリート・ジャーナル研究家の高尾亮太朗が、最新の記事を解説し、起業・ビジネスのヒントを提供いたします。

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【616号】クリスマス商戦で失敗すると、靴メーカー・クロックスのようになる。
 

クロックスの靴

By thosch66

◎本日のニュース

1)見出し

Will Retailers' Black Friday Strategies Work?

【出典】

http://goo.gl/WoqPy

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2)要約
小売企業にとって、クリスマス商戦は一年で
一番重要な時期と言っても、過言ではない。
感謝祭と新年に挟まれた2ヶ月間で、
年間の約四分の一を売り上げるからである。

そのクリスマス商戦の戦い方は、各社異なる。

スニーカー小売のフットロッカー社は、値引きを最小限にとどめ、
通常価格での販売に力を入れる。その代わり、
ブラックフライデーに合わせて、新作スニーカーを発売する。

ディスカウントストア大手のターゲット社は、

ネット通販を含めた価格保証を実施するが、
独自商品の販売に力を注ぐ。一方、
同業のウォルマート・ストアーズ社は、
実店舗限定の値下げを行い、
ネット通販利用者の実店舗への集客に力を入れる。

ネット通販大手のアマゾンドットコム社は、

通常年契約のアマゾンプライムという会員制度を月契約で提供。
無料配送・動画ストリーミングを提供する
アマゾンプライムとタイムリーな値下げで、
客単価引き上げを狙う。

カジュアルシューズのクロックス社は、

過度な値下げをしない方針を昨年に撤回。ただ、
価格競争に巻き込まれ、クリスマス商戦後も価格は戻らず、
結局粗利益率を大きく損なう結果になった。

◎キーセンテンスとその翻訳

3)キーとなる英文
All are hoping to avoid misfires during a crucial selling season.

4)キーとなる英文の和訳

すべての企業が願うのは、

重要なセール時期に失敗を避けることである。

5)気になる単語・表現

misfire名詞不発;失敗
crucial形容詞欠くことのできない、必須の、
きわめて重要な

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント
記事で紹介されている小売業は、フットロッカー社(Foot Locker Inc.)、
ターゲット社(Target Corps.)、ウォルマート・ストアーズ社
(Wal-Mart Stores Inc.)、アマゾンドットコム社(Amazon.com Inc.)、
クロックス社(Crocs Inc.)の5社である。これらの企業が、
クリスマス商戦に力を入れるのは、
その時期の売上金額が大きいから。
年間の1/6であるこの約2ヶ月間で、金額は約1/
4を売り上げる。
ただし、クリスマス商戦の重要度は、5社それぞれ異なる。
第四四半期売上に占めるクリスマス商戦の売上割合は、
以下の通りである。

【クリスマス商戦の売上/第四四半期売上】

フットロッカー 27%
ターゲット 30%
ウォルマート・ストアーズ 28%
アマゾンドットコム 36%
クロックス 20%

ネット通販の方が、クリスマス商戦の重要度が高いと言える。

その原因は、普段ネット通販を利用しない層が、
クリスマス時期にはネット通販を利用するから、であろう。
実際、今年のクリスマス商戦における
モール・ショッピングセンターでの売上予測は、
昨年比2.5%上昇するものの、昨年の4.1%
上昇よりは小さな伸びに留まる。
クリスマス時期でのネット通販利用が増えるからである。

各社のクリスマス商戦での販売手法をまとめると、

以下のようになる。

【5社のクリスマス商戦の販売手法】

◯フットロッカー→値下げを最小限に止め、
通常価格での販売に徹する。その代わり、
ブラックフライデーに合わせて、新作スニーカーを発売。
◯ターゲット→ネット通販も含め価格保証を実施。
その一方で、高級小売のニーマン・マーカスとの
コラボ商品を独占販売し、価格競争を回避。
◯ウォルマート・ストアーズ→ネット通販・実店舗販売を
バランスよく行う。実店舗限定のクーポンを発行することにより、
ネット通販ユーザーを実店舗に誘導することに力を入れる。
◯アマゾンドットコム→年契約のアマゾンプライムを月単位で
提供することで、競合の顧客を奪うとともに、
客単価の引き上げを狙う。
◯クロックス→従来の過度な値引きをしない方針を昨年撤回。
単純値下げを行う一方で、二足目半額など、
買上点数の引き上げを狙う。

フットロッカーも、以前は値引き販売に力を入れていた。

昨年からこの方針を改め、通常価格での販売に力を入れる。
その結果、通常価格での販売アイテムが、60%から80%
に増えたという。
フットロッカーは他社とは異なり、
値引きに依存しない販売方法を採る。

ターゲットも、フットロッカー同様、価格競争の回避を目指す。

価格保証を実施するものの、その割合は全売上の10%
未満と予測している。
他社では扱わない独自商品の販売に力を入れる。

ウォルマート・ストアーズは、ネット・実店舗ともバランスよく

販促を行うものの、ショールーム化しかねない実店舗を重視。
それは、実店舗の方が、衝動買いが起きやすいからである。
実店舗でのクリスマス商戦を昨年より2時間前倒しし、
感謝祭当日の午後8時から行った。

アマゾンドットコムは、2日以内の無料配送サービス・

無料動画ストリーミングサービスのアマゾンプライムを活用。
アマゾンプライムは、通常年契約であるが、
クリスマス商戦では月単位で利用できるようにした。
クリスマス商戦後に解約される可能性はあるものの、
それでも、クリスマス時期にアマゾンを利用しようという
動機付けにはなる。このマグネット効果により、
アマゾンプライムを契約しなければ他店で購入していた
消費者の獲得を目指す。また、
アマゾンでの購入点数が増えることで、
客単価を向上させることもできる。さらに、
アマゾンでの購入体験に満足すれば、
クリスマス商戦後の利用にもつながる。

クロックスは、従来は過度な値引きをしない方針であったが、

売上・客数が大きく減少。その影響が、
クリスマス商戦後も続いた。
これに懲りて、昨年から他社同様に値引きを実施。しかし、
値下げを知った顧客は通常価格での購入を控えるようになり、
値下げが常態化することになった。この結果、
粗利益率が大きく悪化。
昨年の第二四半期・第三四半期の粗利益率が22%・14%
であるのに対し、
第四四半期はたったの3%。今年の第四四半期は、
損益トントンまで落ち込むとされている。

クリスマス商戦が仇となったクロックス、

クリスマス商戦で収益を拡大するクロックス以外の4社。
この違いは、その戦略にあるだろう。
他の4社の戦略をまとめると、次のようになる。

【クリスマス商戦における4社の販売戦略】

◯商品で差別化→フットロッカー、ターゲット
◯販売方法(マーケティング)で差別化
→ウォルマート・ストアーズ、アマゾンドットコム

フットロッカーとターゲットは、商品で差別化することにより、

価格競争を回避。商品開発力や他社とのつながりという強みを
活かしたことになる。また、ウォルマート・ストアーズと
アマゾンドットコムは、販売方法で差別化。これは、
価格競争力や規模の大きさという強みを活かしたことになる。
一方クロックスは、自社の強みを活かさず、
単に値下げしかしなかったために、クリスマス商戦だけでなく
クリスマス商戦後の収益も、悪化することになった。
戦略の有無は、収益に大きな差を生み出すことになる。

Foot Locker
http://www.footlocker.com/
Target.com http://www.target.com/
Walmart.com
http://www.walmart.com/
Amazon.com http://www.amazon.com/
Crocs http://goo.gl/C3tAi

***************************

《今回のヒントのまとめ》
1)年間売上の約四分の一に相当する
クリスマス商戦での販売戦略は、各社異なる。

2)商品で差別化をするのは、フットロッカーとターゲット。

独自商品を販売することで、価格競争の回避を目指す。
商品開発力・他社とのつながりという強みを活かす。

3)販売方法で差別化するのは、ウォルマート・ストアーズと

アマゾンドットコム。ウォルマート・ストアーズは、
ネット通販ユーザーの実店舗への集客に力を注ぐ。
アマゾンドットコムは、年契約のアマゾンプライムを
月単位で提供することで、アマゾンを利用する動機を生み出す。

4)一方、クロックスは、単なる値下げしか行わず、

そこには戦略がない。だから、
クリスマス商戦だけでなく商戦後も、
粗利益率の低下に悩まされることになる。

5)戦略の有無は、収益に大きな違いを生み出す。

*************************

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ウォルマート・ストアーズのオンライショップ
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高尾亮太朗

1975年兵庫県姫路市生まれ。白鳥小学校・淳心学院・駿台予備学校神戸校・早稲田大学政治経済学部に進む。大学進学時に政治家を志し、早大鵬志会に入会。・・・続き
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