英語新聞ウォールストリートジャーナル(WSJ)から見た起業・ビジネスのヒント

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【603号】ウォルマート・アメックスが提携プリペイドカードを発行する理由とは?
 

アメリカンエキスプレスの表札

By jontintinjordan

◎本日のニュース

1)見出し
Prepaid Enters Mainstream

【出典】
http://goo.gl/IyI0I


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2)要約
ウォルマート・ストアーズ社とアメリカンエキスプレス社は、
月曜日、提携プリペイドカード・ブルーバードカードを
発行することを発表した。ブルーバードカードは、
インターネットと全米のウォルマート3925店舗で発行され、
来週から利用できるという。

この事例は、主要金融期間の方針転換を物語っている。
従来は、当座預金口座を持たない消費者を相手にしなかったが、
今では当座預金口座を持たずに発行できるプリペイドカード事業へ

の参入が、
主要金融機関で増えている。

この背景には、ドッドフランク法による規制強化がある。
信用リスクのないプリペイドカードは、規制対象外となる。
また、ウォルマートは、念願の銀行免許取得に失敗したが、
ブルーバードカードの発行で、金融サービスの拡充を図る。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
The latest example of the shift came Monday
when American Express Co. and Wal-Mart Stores Inc.
rolled out a prepaid card aimed at tens of millions
of middle-class and lower-income Americans eager
to avoid fees charged by banks.

4)キーとなる英文の和訳
その動きの最新事例は、月曜日に発表された。
それは、アメリカンエキスプレス社と
ウォルマート・
ストアーズ社が発表したプリペイドカード事業である。
このプカードは、銀行への手数料支払いを行いたくない、
中流以下の何万ものアメリカ人を対象にするという。

5)気になる単語・表現
roll out他動詞句(新製品・映画)を公開する
be eager to形容詞句〜したいと思う

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
アメリカンエキスプレス社(American Express Co. アメックス)と
ウォルマート・ストアーズ社(Wall-Mart Stores Inc. ウォルマート)が、
共同でプリペイドカード・ブルーバードカード(Bluebird card)を
発行するには、理由がある。

まず、双方共通の理由について。プリペイドカード市場が拡大し、
ビジネスチャンスが大きいからである。
プリペイドカード発行上位50社の合計決済金額は、
以下の通りである。

【プリペイドカード発行上位50社の合計決済金額】
2011年 7990億ドル(昨対比25%増)
2010年 6410億ドル

競合するクレジットカード・デビットカードに対して
金額では及ばないものの、成長率は2倍。
プリペイドカード市場が拡大している原因は、
クレジットカード・デビットカードと異なり、
当座預金口座を持たない消費者でもプリペイドカードを発行できる
点が、
消費者に受けているからである。実際、
当座預金口座を維持するには、
以下のような費用が発生する。

【銀行の当座預金口座維持にかかる費用】
○平均月間維持費用 5.48ドル(最低預金残高未満の場合)
○平均最低預金残高 723ドル
(これ以上の残高の場合、月間維持費用はかからない。)

月間維持費用は昨年比で25%上昇、
最低預金残高は23%上昇している。費用がかかるだけでなく、
その費用が上昇していることにより、消費者は、
クレジットカード・
デビットカードからプリペイドカードに移行している。

アメックスには、金融機関ゆえの理由がある。

【アメックスがプリペイドカード事業に参入する理由】
[1]顧客層を拡大できるから。
[2]規制を受けずに、収益を拡大しやすいから。

1について、アメックスは既にプリペイドカードを発行している。
その提携先は、バーンズ・アンド・ノーブル社(Barnes & Noble Inc.)と
オフィス・デポ(Office Depot)。今回、
ウォルマートと提携することにより、
単にプリペイドカード事業を拡大するだけでなく、
その顧客層を拡大できる。前者2社とウォルマートとの違いは、
顧客の年間所得。ウォルマートの顧客の平均年間所得は、
51000ドル。
ただし、その約40%
は35000ドル未満で中流層よりも下の層を中心顧客とする。
従来のプリペイドカードやクレジットカードではリーチできなかっ
た層である。

2については、ドッドフランク法(Dodd-Frank law)が関係する。
ドッドフランク法により、銀行への規制は強化され、
大きな信用リスクを取ることが難しくなる。
クレジットカードやデビットカードは金利が発生するので、
信用リスクに関係する。一方、
事前入金が必要はプリペイドカードでは、
信用リスクを負担する必要がない。その結果、規制が緩くなり、
収益拡大機会は大きくなる。

ウォルマートがプリペイドカード事業に力を注ぐ理由は、
以下の通りである。

【ウォルマートがプリペイドカード事業に注力する理由】
[3]金融サービスを拡充でき、
将来の銀行免許獲得への布石にできるから。
[4]既存のプリペイドカードに不満を持つ
既存顧客という強みを活かせるから。

3について、
ウォルマートは金融サービスの拡充に力を注いでいる。
現在は、キャッシングサービス・
送金などのサービスを提供している。
最終目標を、融資・預金事業への参入に置いている。
しかし、念願の銀行免許取得に失敗。将来の免許取得を狙い、
プリペイドカード事業を拡大しているのだろう。
ウォルマートが金融サービスに力を入れたいのは、
その利益率の高さだろう。ちなみに、
イオンの各事業の利益率は以下の通りである。

【2012年2月期イオンの事業別営業利益率】
○GMS事業(「イオン」など) 2.1%
○SM事業(「マックスバリュ」「マルエツ」など) 1.8%
○総合金融事業(イオンカード、イオン銀行など) 13.3%

また、プリペイドカードは顧客囲い込みにつながり、
小売業との相乗効果も期待できる。

4について、ブルーバードカードは、ほぼ無料で入会・
維持できる。
(ネット・スマホアプリからは無料で入会できるが、
店舗ではセットアップキットを5ドルで購入する必要がある。)
月間維持費用・年間維持費用・入会費(ネット経由のみ)
は無料である。
一方、
他社のプリペイドカードは月間5ドル以上の維持費用がかかる。
さらに、入会費やカスタマーサービス利用料・
ATM利用料なども有料である。
維持費などの手数料が無料である点は、大きな差別化である。
特に、ウォルマートの顧客である中流以下の層の人で、
既存プリペイドカードの費用を払いたくない人は多いだろう。
この不満を持つ既存顧客に、
不満を解消するサービスを提供すれば、
売れないわけがない。買ってくれる確率の高い見込み客を
既に持っていることは、大きな強みである。
この既存顧客の存在が、
他社との差別化になり、プリペイドカード事業を
優位に進めることができる。

実は、ウォルマートはすでに、
マネーカード(MoneyCard)というプリペードカードを,
グリーンドット(Green Dot)と提携して発行している。
サイトによると、マネーカードは維持費・手数料がかかる。
恐らく、マネーカードの発行枚数・利用金額が伸びないために、
維持費用・
手数料が無料のブルーバードカードを発行したのだろう。
金融事業を拡大したいという、
ウォルマートの意気込みが感じられる。

***************************
《今回のヒントのまとめ》

1)ウォルマートとアメックスが提携のプリペイドカードを
発行するという。

2)この背景には、プリペイドカード市場の拡大がある。
当座預金口座が不要な点が、プリペイドカード人気の理由だろう。

3)アメックスが提携する理由は、顧客層を広げられるからと、
規制を受けず収益を拡大しやすいからである。

4)ウォルマートにとっては、
利益率の高い金融事業を拡大できる点、
既存プリペイドカードに不満を持つ既存顧客を活用できる点が、
提携するメリットである。

*************************

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編集後記
先日の金本引退試合は、とても感動的でした。
また、最下位の横浜にエールを送るなど、
金本選手のユーモアもあり、楽しめました。
後は、背番号6が永久欠番になることを望むばかり。
金本、ありがとう。そして、お疲れ様。

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高尾亮太朗

1975年兵庫県姫路市生まれ。白鳥小学校・淳心学院・駿台予備学校神戸校・早稲田大学政治経済学部に進む。大学進学時に政治家を志し、早大鵬志会に入会。・・・続き
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