英語新聞ウォールストリートジャーナル(WSJ)から見た起業・ビジネスのヒント

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【601号】地ビール人気が変えるビール業界のビジネスモデルとは?
 

地ビールいろいろ

By crystalluxmore.com


◎本日のニュース

1)見出し
Small Beer a Headache for Big Brewers

【出典】
http://goo.gl/RtbDo


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2)要約
先進国での地ビール人気が、
大手ビールメーカーの悩みの種になっている。
過去10年間、大手ビールメーカーは、
グローバルブランドのマーケティングに力を注いできた。
一方先進国では、ニッチ市場の地ビールや
小規模なビール醸造所を支持する消費者が増えている。

この地ビール人気は、大手ビールメーカーに
新たな対応を余儀なくさせている。
大手メーカーは、小規模ビールメーカーを買収したり、
独自の地ビールを開発・販売したり、
主要ブランドの種類を増やすなどを行なっている。

ただし、この地ビール人気への対応は、
利益率の低下を招く。それは、
ブランド数が増えることにより、
追加のマーケティングコスト・物流コストがかかるからである。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
But they increasingly face a consumer-led backlash
 in favor of niche craft beers and microbrewers.

4)キーとなる英文の和訳
しかし、大手ビールメーカーは、
ニッチな地ビールや小規模な醸造所を支持するという、
消費者の反発に直面する機会が増えている。

5)気になる単語・表現
increasingly副詞ますます、だんだん
backlash名詞大衆の反発、急激な逆回転

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
地ビール人気については、過去に何度か取り上げた。

【548号】アンハイザー・ブッシュ・インベブ、
大衆向け商品を持つという強者の弱みとは?
http://wsj.jugem.jp/?eid=641

【485号】ハイネケン社の業績・
地ビール市場からわかる消費トレンド
http://wsj.jugem.jp/?eid=583

【444号】ビール大手アンハイザー・ブッシュが
中小ビールメーカーを買収する理由とは?
http://wsj.jugem.jp/?eid=544

今回取り上げるのは、地ビール人気が及ぼす
大手ビールメーカーへの影響について。
地ビール人気によって、大手ビールメーカーは
販売戦略の変更を余儀なくされている。
その変化をまとめると次のようになる。

【変更前】
少品種大量生産による寡占化・利益率の向上
【変更後】
消費者ニーズに合わせた多品種少量生産

市場の寡占化や新興国への進出により、
大手ビールメーカーのシェアは、
グローバルビール市場の55%までも占めるようになった。
1997年が17%だからその急拡大ぶりがわかる。
寡占化による競走の緩和で、平均営業利益は2倍に増加。

規模拡大→ブランド数の削減・寡占化
→販売数量・販売金額・利益率・
利益金額の最大化を目指す

という戦略により利益を拡大してきた。

一方、変更後の販売戦略を戦術レベルで見ると、
次の3つを挙げることができる。

○地ビールメーカーの買収
○自社で独自の地ビールを開発・販売
(例 アンハイザー・ブッシュ・インベブのショックトップ)
○主要ブランドに新アイテムを投入
(例 アンハイザー・ブッシュ・インベブのバドライトプラチナ)

このような変化を余儀なくされたのは、
ビールの成熟市場である先進国の消費者の嗜好の変化による。
価格ではなく、品質を追求する消費者が増えているという。

地ビール人気の凄さは、次の数字を見れば理解しやすいだろう。

(アメリカ)地ビールメーカーは、過去5年間で販売数量を
毎年平均9.8%増加させている。市場シェアは6%にまで拡大。
(一方、大手ビールメーカーの販売数量は、毎年1.9%減少。)

(アメリカ)

2011年の地ビールメーカー数は1940にまで拡大。
地ビールメーカーの一部は大規模化。
地ビールメーカーのシェア上位3社は、
地ビール市場の約35%を握る。上位10社で60%。

(イギリス)地ビールのブランド数が7000まで記録的に拡大。

(ドイツ・ベルギー)地場ビールメーカーが、
市場シェアトップに位置する。

地ビールが毎年販売数量を伸ばすのに対し、
大手ビールメーカーの販売数量は毎年減少している。
このまま何もしないと、地ビールにシェアを
奪われ続けることになる。そこで、
先ほど述べた3つの対応をすることになった。

しかし、この対応は利益率の低下という弊害を
大手ビールメーカーに与える。
地ビールメーカーを買収するにしても、
独自で地ビールを開発するにしても、
主要ブランドに新商品を投入するにしても、
扱うアイテムの種類は増えることになる。
その結果、マーケティングコスト・物流コスト
(在庫管理も含めた)は上昇。その結果、
営業利益率は下がり、変更前よりも儲からなくなる。
地ビールの平均小売価格は、主要ブランドの価格よりも
約50%高いとされるが、それでもコストアップ分は賄えない。

日本でも同様の変化が起こる予感がする。

○アサヒビールは2日、ビール「スーパードライ」を氷
点下に冷やして提供する期間限定の直営店
「エクストラコールドバー」の今夏の来場者が
前年に比べ4割増の約18万4千人だったと発表した。
猛暑効果に加え、新たに黒ビール「ドライブラック」
の販売を始め、
女性客の来場が増えたことが奏功した。
(2012年10月3日 日経産業新聞)

○サッポロビールは新潟県内で夏場に限って販売する
予定だった「新潟限定ビイル 風味爽快ニシテ」の家庭用缶商品を
通年販売に切り替えた。同ビールは缶商品と
業務用樽(たる)生商品を6月から順次売り出し、
それぞれ販売目標を引き上げたほど売れ行きが好調なため。
(2012年10月1日 日経MJ)

○セブン&アイ・ホールディングスはアサヒビールと
共同開発したビールを発売した。セブンイレブンや
イトーヨーカ堂など約1万4800店のみで販売する。
アサヒの主力ビール「スーパードライ」
より麦芽の量を8割増やし、
深みのある味に仕上げた。大手メーカーと組んだ
限定ビールで集客力を高める。
(2012年9月26日 日経MJ)

○目の前で銀色に輝くタンクを眺めながら、
「店ビール」のジョッキを傾ける――
店内に醸造設備を持つ「ブルーパブ」が最近人気だ。
各店限定で作る種類が豊富な高鮮度のビールを手ごろな価格で味わ
え、
街中にあるので仕事帰りなどに気軽に行ける。
そんな「うまい、安い、近い」点が、
地ビールに続く新しい地域密着型のビール系飲料
として受けているようだ。
(2012年9月26日 日経MJ)

最近2週間の新聞記事を探しただけでも、
上記のようなビールに関する記事があった。
記事だから、新商品(サービスも含めて)が紹介されるのは当然。
ただ、その内容が、「新しい飲み方」「地域限定商品」
「限定プレミアム商品」「独自醸造ビール」
であるところを見ると、
消費者ニーズの大きな変化を読み取ることができるだろう。
その変化とは、

主要ブランドへの盲信→ブランドの選択

ではないだろうか。品質だけで選ぶのではなく、
コスパを含めて自分の嗜好に合うブランドを選ぶ
ということである。
これまで主要ブランドを飲んでいたビール好きが、
イベントで地ビールを口にしても、
地ビールを定期的に飲むようになっても不思議ではない。

日本での地ビール人気がアメリカ・イギリスのように拡大すれば、
大手ビールメーカーも地ビールの動向を無視できなくなるだろう。
大手ビールメーカーによる、地ビールメーカー買収や
地ビール開発が起こってもおかしくない。

***************************
《今回のヒントのまとめ》

1)先進国での地ビール人気は、
大手ビールメーカーに販売戦略の変更を
余儀なくさせている。

2)従来は、規模拡大・ブランド削減により、
寡占化・利益率の拡大に努めてきた。

3)しかし、地ビール人気が無視できなくなると、
地ビールメーカーの買収・独自の地ビール開発・
主要ブランドのアイテム拡大に動いている。
アイテム数が拡大することにより、
マーケティングコスト・物流コストが上昇し、
利益率が低下することになる。

4)日本でも、大手メーカーによる限定ビール開発・
主要ブランドの拡充が見られる。この背景には、
先進国同様に消費者ニーズの多様化があるのではないか。

5)ならば、他の先進国同様、
地ビール人気が高まってもおかしくない。
大手ビールメーカーによる地ビールメーカー買収や
独自地ビール開発が起こっても、不思議ではない。

*************************

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スタンプを集めるというパターン。
期間が長い分、機会を逃しそうで怖いです。

10月6日〜7日は、西宮酒ぐらルネサンスと食フェア。
http://www.n-cci.or.jp/event/121006sakagura2.html
利き酒ができるそうです。行きたいなぁ。

編集後記
地ビールを取り扱うコンビニも増えましたねぇ。
コンビニにあると、飲みたい時に手に入るのがいいです。
飲みたい時に手に入る、この機会を逃さないという点は、
コンビニの大きな強みなんでしょうね。

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
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高尾亮太朗

1975年兵庫県姫路市生まれ。白鳥小学校・淳心学院・駿台予備学校神戸校・早稲田大学政治経済学部に進む。大学進学時に政治家を志し、早大鵬志会に入会。・・・続き
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