英語新聞ウォールストリートジャーナル(WSJ)から見た起業・ビジネスのヒント

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【597号】食品メーカーによるブランド付きモバイルゲームは成功するのか?
 

Cookie Dough Bites


◎本日のニュース

1)見出し
Child's Play: Food Makers Hook Kids on Mobile Games

【出典】
http://goo.gl/0KeHg


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2)要約
子供向けのお菓子などを製造する食品メーカーで、
ブランド名を冠したスマートフォンのゲームアプリを
開発する企業が増えている。
目的は、ターゲットである子供に直接宣伝するためである。

この背景には、子供に対するタッチパネル端末の普及がある。
文字がまだ読めない段階で、
タッチパネル端末の使い方を覚える幼児が増えている。
使い方を覚えた幼児は、

親のスマートフォンやタブレットを使って、
単純なゲームで遊ぶ。

食品メーカーにとっては、
モバイルゲームを利用するメリットがある。
そのメリットとは、テレビCMなどの従来の広告よりも、
モバイルゲームの方が低コストで開発できる点である。
また、従来の広告が子供よりも親にアピールしているのに対し、
スマホゲームの場合は、
子供に直接アピールできるメリットがある。

一方、
テレビやウェブ上では規制を受ける子供向けお菓子の広告が、
モバイル機器上では規制を受けないことに対し、
問題視する声もある。
これまで自主規制を行ってきた食品メーカーは、
商品ブランドを冠したモバイルゲームの配信に関して、
子供向けではないとして、自主規制の対象外としている。

◎キーセンテンスとその翻訳

3)キーとなる英文
U.S. food companies are reaching children
by embedding their products in simple and
 enticing games for touch-screen phones and tablets.

4)キーとなる英文の和訳
アメリカの食品企業は、タッチスクリーンを擁した
携帯電話やタブレット用の、単純で興味をそそるゲームに、
自社商品を埋め込むことで、子供に接触しようとしている。

5)気になる単語・表現
embed他動詞(プログラムやマイコン)を埋め込む、
〜の必須の部分になる
entice他動詞〜を誘惑する

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント
アメリカのおやつメーカーが、
自社ブランドのモバイルゲームを通じて、
商品の広告を行なっているというお話。
もちろん、そのゲームには、自社製品が組み込まれており、
ほぼすべてのゲームの名前に、ブランド名が冠されている。
ちなみに、
記事の中で紹介されているおやつとそのゲームは以下の通り。

【商品名→ゲーム名】
◯クッキードーバイツ(Cookie Dough Bites、
チョコレートチップクッキー)
→クッキードーバイツファクトリー(Cookie Dough Bites Factory)
http://goo.gl/Rjm3k

◯スーパープレッツェル(SuperPretzel、
プレッツェル)
→スーパープレッツェルファクトリー(SuperPretzel Factory)
http://goo.gl/kSvUQ

◯アイシーフローズントリーツ(Icee frozen treats、
パピコのようなシャーベットアイス)
→アイシーメーカー(Icee Maker)
http://goo.gl/mCwzX

どのゲームも、商品の製造プロセスを楽しむもののようだ。

子供向け食品を製造販売する企業が、
モバイルゲームに注目するのは、
次のような背景があるからだ。

1)ターゲットである幼児が、文字を読めるまでに
タッチパネルを使えるようになる。
2)タッチパネル端末が普及している。

1については、文字を読めない段階から、
幼児にブランドロイヤリティを植え付けることができる。
(恐縮する言い方だが)幼児の時から馴れ親しんだブランドは、
将来継続して購入する確率が高いので、
タッチパネルを使うゲームの効果は高いだろう。
ちなみに、幼児のタッチパネル使用に関しては、
次のような統計数字が掲載されてある。

【4〜5歳のIT機器利用状況について】
◯モバイル機器を利用する割合→37%
◯ノートパソコンを利用する割合→22%

ノートパソコンを利用する割合は、
12〜14歳の子供で約2倍の43%にまで増加するのに対し、
モバイル機器は47%と約27%の伸びに留まる。それぐらい、
幼児がモバイル機器を利用していることになる。

2については、特に説明はいらないだろう。
スマートフォンやタブレットだけでなく、
iPod touchの普及も、大きく影響している。

企業がモバイルゲームを広告に活用することで、
次のようなメリットを享受できる。

1)テレビCMよりも低コストで効果が高い
2)ターゲットである子供に直接アピールできる
3)テレビやウェブ上の広告規制を受けない
4)コンテンツそのものが広告のため、スキップされない

1に関しては、次のような数字が掲載されている。

ポップキャンディ・ダムダムポップス(Dum Dum Pops)の
モバイルゲーム開発費は、1万ドル未満。これは、
土曜朝に30秒のテレビスポットCMを4回流すのと
同じぐらいのコスト。

テレビCMならば4回しか流せないのに対して、
モバイルゲームは継続して配信する限り、
永久に利用することができる。しかも、
モバイルゲームはテレビCMよりも接触頻度が高いために、
効果も高い。費用対効果が高いことになる。

2については、従来の紙媒体の広告や店内ディスプレーでは、
商品のターゲットである子供よりも親が目にする場合が多い。
一方、モバイルゲームでは、子供自身が利用するので、
子供に直接アピールできる。
商品のターゲットに直接アピールできる方が
高い効果を期待できるので、モバイルゲームに軍配が上がる。

3について、記事によると今論争を呼んでいる模様。
スナック菓子や甘い飲料やお菓子の広告は、
テレビやウェブ上で展開する際に、制限を受けてきた。
その理由は、子供はCMの影響を受けやすいからである。
例えば、週末の子供向け番組のCMでは、
番組1時間につき10.5分までに規制されている。
また、子供の肥満問題の深刻化により、2006年には、
大企業が広告の自主規制を始めている。この自主規制とは、
より体にいい商品の広告に努めるというもの。

一方で、広告の自主規制を行う企業は、
モバイルゲームを通じたマーケティングへの関心を高めている。
企業の言い分は、宣伝広告のためのモバイルゲームは、
親がダウンロードするアプリなので、
子供向けの広告に当たらない。
だから、規制対象外になる、という。賛否はあるにしても、
規制を受けないことが、食品メーカーが
モバイルゲームを活用する要因になっているのは、事実だろう。

4については、特に記事には明記されていないが、
モバイルゲームには、CMスキップなど広告回避を免れる
効果が期待できる。
コンテンツそのものが広告宣伝の役割を
果たしてくれるからである。

最後に残るのは、保護者である親が、
商品ブランドの入ったモバイルゲームをどう思うかについて。
企業が広告宣伝に活用するだけあって、
この手のモバイルゲームは無料で遊ぶことができる。
一方、ソーシャルゲームは、無料で始めることができても、
継続して楽しむためには追加料金がかかる。
この追加料金は積もり積もれば、
バカにならない金額にまで積み上がる。この点を考えれば、
親は商品ブランドの入った無料モバイルゲームを選好するだろう。
親の手を掛けずに勝手に遊んでくれるという、
メリットもある。教育上問題があるにしても、
商品ブランドの入ったモバイルゲームは、
親には好都合の商品となる。

このように、企業にとっても親にとってもメリットがあり、
もちろん遊ぶ子供は楽しめるというメリットがあるので、
商品ブランドの入ったモバイルゲームは今後増える事が予測される

(もちろん、広告規制をクリアする必要がありますが。)
日本に上陸する日も、近いかもしれない。

***************************
《今回のヒントのまとめ》
1)子供向け食品を製造販売する企業が、
モバイルゲームを用いて自社ブランドの広告宣伝を
行なっている。

2)この背景には、文字を読めない段階から
タッチパネルを使える幼児が多いことや、
スマートフォンやタブレットなど
タッチパネル端末の普及がある。

3)企業がモバイルゲームを活用するのは
費用対効果が高く、子供に直接アピールでき、
広告規制から外れ、広告回避から免れるという
メリットがあるからである。

4)一方、親も商品ブランド付きモバイルゲームを
受ける可能性は高い。それは、
追加料金のかかるソーシャルゲームとは違い、
無料で済むからである。また、子供がゲームをすることで、
親の手を離れてくれるというメリットもある。

5)広告規制の問題はあるが、
企業・親・子供にとってメリットのある
商品ブランド付きモバイルゲームは、
今後増えていくのではないか。
日本への上陸も近いかもしれない。

*************************

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大関さんのアンテナショップで買った日本酒です。
近くのお店で売っていないのがネックですが、
飲みやすいし手ごろな値段なので、
普段飲みにぴったりです。

編集後記
こんな記事書きましたが、
個人的には子供にはモバイルゲームをして欲しくないですね。
それどころか、スマートフォンさえ持って欲しくありません。
(ちなみに、私も今持っているフィーチャーフォンで充分。)
世間を知らないままインターネットの世界に入ると、
あまりよくない結果を招くように感じます。
こういう考え、古いのかなぁ。

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
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高尾亮太朗

1975年兵庫県姫路市生まれ。白鳥小学校・淳心学院・駿台予備学校神戸校・早稲田大学政治経済学部に進む。大学進学時に政治家を志し、早大鵬志会に入会。・・・続き
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