英語新聞ウォールストリートジャーナル(WSJ)から見た起業・ビジネスのヒント

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【684号】ワインの大量廃棄を余儀なくされたトレジャリー社が教えてくれる、最新アメリカワイン市場動向
 

ケース販売のワイン

by courtesy of Ryan Lackey


◎本日のニュース

1)見出し
Pour Results: $145 Million of Wine, Down the Drain

【出典】
http://goo.gl/aDZ04


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2)要約
ワイン最大手のトレジャリー・ワイン・エステート社は、
アメリカでのワイン販売不振のために、
1億4500万ドルもの償却を計上すると発表した。
この費用で、処分販売や廃棄が行われるという。

販売不振の要因は、低価格ワインへの高い依存度にある。
アメリカ市場では、より高いワインが売れ行きを伸ばす一方で、
低価格ワインの販売は低迷しているため、
トレジャリーの低価格ワインの多くが売れ残った。
さらに、低価格・低アルコールのワインは、
高級な白ワインや赤ワインほど長持ちしないために、
売れ残りワインの多くを廃棄せざるを得なくなった。

さらに、豪ドル高によって、トレジャリーの競争力が低下し、
販売不振の要因となった。競争力低下によって、
アルゼンチンやチリ・南アフリカのワインに市場を奪われた。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
One of the world's biggest vintners has
 a roaring hangover from poor U.S. sales,
leading it to destroy thousands of gallons of
 wine past its prime.

4)キーとなる英文の和訳

世界最大のワイン醸造業者の一つであるトレジャリーは、
アメリカの販売不振による不良在庫の急増に直面している。
それによって、賞味期限の過ぎた
何千ガロンものワインの廃棄を余儀なくされている。

5)気になる単語・表現
vintner名詞ワイン醸造業者
hangover名詞残存物
past前置詞〜を過ぎて
prime名詞最高の状態

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
世界のワイン最大手の一つである
トレジャリー・ワイン・エステート社(Treasury Wine Estates Ltd.)
について、中国でのワイン販売に関する記事で、
以前取り上げました。

【651号】豪ワインメーカー・トレジャリー、
中国で直営ワインバーを開く理由とは?
http://wsj.jugem.jp/?eid=744

そのトレジャリーが、アメリカでの販売不振が原因で、
大量のワイン廃棄を余儀なくされているようです。
販売不振の要因として、次の2つを上げることができます。

【トレジャリーがアメリカ市場で販売不振に陥った要因】
[1]

市場全体が伸び悩んだ低価格ワインへの依存度が高かったから
[2]豪ドル高により競争力が低下したから

1について、昨年度の価格帯別ワイン販売状況を見れば、
一目瞭然です。

【アメリカワイン市場における価格帯別販売状況】
3〜5.99ドル→1.5%増加
6〜8.99ドル→3.3%減少
9〜11.99ドル→13%増加
12〜14.99ドル→9%増加
15ドル以上→6%以上増加
※価格はボトル1本あたり
※集計期間は2012年5月26日〜
2013年5月25日の一年間

8.99ドル以下と9ドル以上で、
大きな違いあることがわかるかと思います。簡単に言えば、

8.99ドル以下のワイン→販売減少
9ドル以上のワイン→販売増加

となります。トレジャリーがアメリカ市場で力を入れていたのは、
低価格ワイン。よって、トレジャリー独自の要因ではなく、
低価格ワイン市場全体の減少の影響を受けたことになります。

ちなみに、アメリカのワイン消費量=ワイン市場は、
数量・金額とも増加しました。

【2012年のワイン消費量】
[数量]3億4510万ケース→2.2%上昇
[金額]323億ドル→3.6%上昇
※数量は1ケース=9リッター=750mlX12本
※金額は小売ベース

数量よりも金額の上昇率が高いことが、
ワイン単価の上昇=高いワインの売れ行き好調を示しています。

ただ、トレジャリーが受けたのは、
低価格ワイン市場の縮小だけに留まりません。
トレジャリーがアメリカ市場で力を入れたのは、
他のワインよりも賞味期限の短い低価格・低アルコールのワイン。
(ホワイト・ジンファンデルなど)この賞味期限の短さが、
販売不振の影響をさらに大きくします。
つまり、賞味期限内での処分を余儀なくされ、
処分売りまたは廃棄を余儀なくさせられるのです。

トレジャリーの販売不振の要因二つ目は、
豪ドル高です。最近でこそ、豪ドルが米ドルに対して
下落しているものの、今年の5月中旬まではパリティー価格
(1豪ドル=1米ドル)を上回っていました。豪ドル高により、
オーストラリアから輸出するトレジャリーのワインは、
競争力を失うことになります。つまり、アメリカの小売店店頭で、
価格面での魅力がなくなるということ。
実際、トレジャリーのホワイト・ジンファンデルのワインが、
同じく甘めのモスカートのワインに顧客を奪われているそうです。
また、産地では、価格パフォーマンスの高いアルゼンチンや
チリ・南アフリカに、低価格ワイン市場で
シェアを奪われることになります。

一方、
1に挙げたように低価格ワインの販売に力を入れている以上、
価格以外の魅力を訴えることもできません。
1と2のダブルパンチが、
低価格ワインに依存するトレジャリーに襲いかかったわけです。

このアメリカ市場での不振に対し、
トレジャリーは次のような施策を打つようです。

【トレジャリーのアメリカ市場テコ入れ策】
[1]オーストリアからの輸出削減
[2]中国市場の開拓促進

1については、テコ入れと言えないかもしれません。
アメリカ市場でのオーストラリアワイン人気の陰りが、
今後も続くと予測しているのでしょう。ただし、
価格帯における成長はまだ大きいと予測しているようなので、
他産地のより単価の高いワイン販売に力を入れるものと思われます


一方2について、前回のトレジャリーの記事と同じことですが、
ワインバーやレストラン・
エンターテイメント施設を開設することで、
贈答需要よりも自家消費を促すようです。

トレジャリーの大量ワイン廃棄だけを見ると、
アメリカのワイン市場も停滞しているように感じますが、
実際は異なります。数量・金額とも伸びているのです。
ただ、価格帯別のシェアを見ると、
さらに現実の販売状況を知ることができます。
私の推測になりますが、アメリカでのワイン購入現場では、
次のようなことが起こっているのではないでしょうか。

【価格帯別ワインシェアから考えたアメリカワイン購入現場】
[1]3〜5.99ドルのワイン販売量の増加
→非正規雇用の消費者の低価格志向の強まり
[2]6〜8.99ドルのワイン販売量の減少
→3〜5.99ドルのワインにシフト
[3]9ドル以上のワイン販売量の増加
→正規雇用の消費性向の高まり

要は、価格帯別ワインシェアを見る限り、
ワイン購入において二極化が起こっているのではないか、
と思うのです。

Treasury Wine Estates Ltd. http://www.tweglobal.com/
White zinfandel http://goo.gl/YMnWW
Moscato http://goo.gl/vLTnC
消費性向とは http://goo.gl/zzSDr

***************************
《今回のヒントのまとめ》
1)トレジャリーが、大量のワイン廃棄を余儀なくされたのは、
アメリカ市場で販売不振に陥ったから。その要因は、
低価格ワインへの高い依存度と豪ドル高にある。

2)アメリカのワイン市場では、
単価の高いワインの販売が増える一方で、
低価格ワインの販売は苦戦している。
低価格ワインの販売に力を入れるトレジャリーは、
この市場環境の逆風を受けたことになる。

3)また、豪ドル高は、トレジャリー商品の
価格競争力を低下させることになる。特に、
力を入れる低価格ワインにとって、
価格競争力の低下は致命傷となった。

4)トレジャリーの状況とは異なり、
アメリカのワイン市場は数量・金額とも伸長している。

5)ただし、価格帯別シェアを見る限り、
所得を増やす層はより高い単価のワインにシフトする一方で、
非正規雇用など可処分所得がさほど増えない層は、
低価格ワインの購入を増やしている。
つまりアメリカワイン市場では、
二極化が起こっていると思われる。
*************************

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【682号】米スーパー最大手・クローガーのハイロー戦略を単純に真似してはならない。
 

クローガーの店舗

by courtesy of Ammon Beckstrom


◎本日のニュース

1)見出し
What Is More Valuable: Kroger Or Whole Foods?

【出典】
http://goo.gl/i22ow


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2)要約
米スーパー最大手のクローガーの株価が、
昨年から急上昇している。その結果、
時価総額がホールフーズとほぼ同じになった。

その要因は、クローガーのハイロー戦略にある。
ハイロー戦略とは、必需食料品の価格を下げる一方で、
高級食材の導入を進めるというもの。
前者は、量販店やディスカウンターとの
価格競争の激化に対応したもので、
顧客流出の回避がその目的とされている。
一方、後者は、ホールフーズのような
高級チェーンの顧客を集客するためである。

一方、クローガーは、時価総額でホールフーズに並んだものの
、PERではまだ大きな差が開いている。
これは、両社の将来の成長性の違いを物語っている。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
 The high-low strategy has turned Kroger into a hybrid of sorts:
 offering a high-end shopping experience but
with low prices on staples such as bread and milk.

4)キーとなる英文の和訳
ハイロー戦略は、クローガーをハイブリッド業態に転換させた。
つまり、高級な買い物体験を提供する一方で、
パンや牛乳のような日常必需食料品を低価格に設定している。

5)気になる単語・表現
hybrid名詞交配種、雑種;混成物
staple名詞必需食料品

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
米スーパー最大手のクローガー社が、
注目を浴びています。それは、
最近アメリカ南東部で約200店舗の高級スーパーを展開する
ハリスティーター社を買収すると、発表したから。
発表した翌日には、株価は2.5%上昇しましたが、
昨年から換算するとなんと65%も上昇しているのです。
その結果、クローガーの時価総額は、
高級スーパーのホールフーズ・

マーケット社に並ぶまでに上昇しました。

この株価大幅上昇の背景には、
クローガーが採ったハイロー戦略があります。
ハイロー戦略は、次のようにまとめることができます。

【クローガーが採用したハイロー戦略】
[ハイ]高級食材の積極的導入
[ロー]購入頻度の高い必需食料品の低価格販売

ハイについて、具体的には乾燥熟成肉や高級チーズなどの
販売を推進しているようです。この目的は、
ホールフーズなどの高級スーパーから富裕層や
オーガニック好きな顧客を奪うため。高級食材は、
概して粗利が高いため、高級食材の販売を強化することで、
利益率の向上を目指しています。

では、なぜ利益率を向上させる必要があるのか。
その要因は、ロー戦略に大きく関係します。
クローガーを始めスーパーマーケットは、
ウォルマートなどの量販店やダラージェネラル
(1ドルショップ)などのディスカウンターとの競争激化に、
直面しています。簡単に言えば、
価格競争の巻き込まれているということです。そこで、
顧客の流出を防ぐために、
パンや牛乳などの購入頻度の高い食材を
低価格販売するようになったのです。
これが、ハイロー戦略のローの部分になります。

ハイロー戦略を採ることによって、低価格品で集客し、
高級食材で利益が取ることができ、
その結果、客数・客単価とも向上させ、
既存店売上高を拡大することが可能となるのです。
だからこそ、株価が65%も上昇したのでしょう。

しかし、店舗数・PER(株価収益率)に目を向けると、
クローガーはまだ決して喜ぶことはできません。
クローガーとホールフーズの店舗数・PERをまとめると、
次のようになります。

【クローガー・ホールフーズの店舗数・PER】
[店舗数]クローガー約2500店、ホールフーズ約300店
→クローガーはホールフーズの約8.4倍
[PERは]クローガー約13倍、ホールフーズ約40倍
→クローガーはホールフーズの約1/3

店舗数が約8.4倍にも関わらず、時価総額が同じということは、
それだけ収益力が弱いことになります。その結果、
クローガーの将来の成長力は、ホールフーズよりも弱くなり、
PERの差となって表れています。
では、なぜハイロー戦略を採るクローガーが、
ホールフーズよりも、成長力が弱いと考えられるのか。
それは、
ハイブリッド型だからこその弱さにあるのではないでしょうか。

つまり、低価格販売と高級品販売の両方を採ることによって、
逆に低価格志向の強い消費者・品質重視の消費者とも支持を
受けにくくなる可能性があるのです。
ハリスティーター買収に関する記事に寄せられた読者コメントを見
ると、
買収後にハリスティーターの商品・
サービスに悪影響を及ぼすのではないか、
との意見が寄せられています。クローガーは、
ハリスティーターの商号やPBを継続するものの、
クローガーの経営方式を取り入れることにより、
従業員によるサービスや一部の取扱商品が削減される恐れがあるの
です。
この結果、ハリスティーターの顧客離れを起こし、
買収後の業績が悪化するかもしれません。

ホールフーズの店舗を見ると、単に高級食材を扱うだけでなく、
なぜ高級食材を扱うのかも、ちゃんと説明されています。
高級食材を扱う思想が、コミュニケーションされているのです。
この思想の有無、コミュニケーションの成否が、
PERの差になって生まれているのではないでしょうか。
よって、クローガーの株価が上昇しているからといって、
ハイロー戦略を単純に真似しても、
長期的にうまくいくとは限らないように思えてなりません。

Kroger Co. http://goo.gl/cnUqz
Whole Foods Market Inc. http://goo.gl/LoZjN
Harris Teeter Supermarkets Inc. http://goo.gl/MUeSq

***************************
《今回のヒントのまとめ》
1)クローガーの株価が昨年から急上昇しているのは、
そのハイロー戦略が評価されているからである。

2)ハイロー戦略とは、購入頻度の高い商品を低価格販売し、
一方で高級食材を販売するというもの。

3)これにより、量販店やディスカウンターとの
価格競争による顧客離れを回避できるとともに、
高級スーパーの顧客を奪うことが可能となる。

4)しかし、時価総額では並んだものの、
PERを見ると、クローガーはホールフーズにまだまだ及ばない。
5)収益性・将来性の違いが大きな要因であり、
ハイロー戦略が長期的にはうまくいかないと
捉えられている証拠かもしれない。
*************************



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編集後記
エレベーターから出る時は、できるだけ開くボタンを押して、
同乗者に先に降りてもらうようにしましょう。
以上。

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【678号】グローバルビールブランドがIT活用に躍起になる理由とは?
 

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suanie


◎本日のニュース

1)見出し
Brewers Power Up Technology for 'Smart' Beers

【出典】
http://goo.gl/hbFbP


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2)要約
消費者がスピリッツやワインへの支出を増やす中、
欧米ビール市場は縮小を余儀なくされている。
そこで、力を注ぐのがインターネットや
ソーシャルメディアなどのIT活用である。

ITを積極的に活用するのは、
他ブランドと差別化するため。
IT活用により、ブランドイメージが変われば、
中身が一緒でも消費者の評価は良くなる。
また、もともとビールが持つ人間関係の潤滑油としての性質
に注目すれば、ビールとソーシャル技術との相性は良く、
大きな効果が期待できる。

主要市場である欧米でビール市場が縮小する中、
グローバルビールメーカーは利益率の向上を目指している。
そこで力を入れるのが、
ブランドのプレミアム化とIT活用である。
ただし、IT活用によるコスト増を価格転嫁できなければ、
逆に利益率を損なう恐れがある。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
With demand falling in the West's biggest beer-drinking markets,
 where mainstream sales have been stung
by a consumer shift to spirits and wine,
 brewers are changing up the game by plowing money
into research and development.

4)キーとなる英文の和訳
欧米の最大ビール市場では、需要が減少している。
それは、主要売上が、

消費者のスピリッツやワインへのシフトにより、
悪影響を受けているからである。
そこで、ビールメーカーは、商品開発への投資を増やすことで
現況を変えようとしている。

5)気になる単語・表現
sting他動詞〜を傷つける;〜をひりひりさせる、〜
に痛みを与える
plow A into B他動詞句AをBに投資する

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
グローバルビールメーカーが、
IT活用に力を注いでいるようです。
その背景には、欧米ビール市場の縮小があります。
記事では、以下のデータが取り上げられています。

【欧米ビール市場の縮小データ】
アメリカのビール市場:2.5%縮小
ドイツのビール市場:2.3%縮小

アメリカとドイツは、欧米の2大ビール市場。
最大の市場でパイが縮小していること
は、ビールメーカーの売上に大きく響くことになります。
数量が伸びない中で収益拡大を目指すならば、
単価・利益率の向上しか方法はありません。
そこで、単価・利益率向上のために注目したのが、
IT活用。その理屈は、次の通り。

【利益率向上とIT活用の関係】
IT活用→ブランドイメージが向上する
→値下げせずに売れるようになる→単価・利益率の向上

ブランドイメージが向上すれば、
極端な話中身が全く同じでも、評価は高まります。
そのため、
少々値段が高くても買ってもらえる確率は高まるのです。
その結果、単価・利益率は向上します。

記事で紹介されている各社のIT活用をまとめると、
次のようになります。

【IT活用に力を注ぐビールブランド】
◯ハイネケン(Heineken NV)社のハイネケン
→光る特別ボトル“イグナイト(Ignite)”
を音楽イベントに提供。
ボトルを飲むとストロボが光ったり、
他のボトルと乾杯すると光ったり、
音楽が鳴るとフラッシュが光る。
モーションセンサーの付いた回路基板と
プロセッサー・ワイヤレスレシーバーにより可能になる。

◯アンハイザー・ブッシュ・インベブ社
(Anheuser-Busch InBev)のバドワイザー(Budweiser)
→特殊グラス“バディーカップ(Buddy Cup)”を提供。
バドワイザーのスマホアプリでグラスのコードをスキャンすれば、
グラスとフェースブックIDがリンクする。
バンプセンサーにより、
バディーカップで乾杯すれば友達依頼ができる。

ビールメーカーがITに注目するのは、
つながった製品(connected products)が
ブランドやメーカーに大きなインパクトを与えると、
他の業界で証明されているからです。
例えば、ナイキプラス(Nike+)。ナイキプラスを使えば、
スポーツをすることで友人とつながることができます。
ソーシャル機能を付け加えることで、
ブランドへのロイヤリティが高まるので、
売上増が期待できます。

ただ、IT活用に力を入れるのは、
ビールメーカーだけではありません。
ビールから市場を奪うスピリッツなどの酒類メーカーも、
ITを積極的に活用しています。事例は、以下の通りです。

【ビール以外の酒類メーカーによるIT活用事例】
◯ペルノ・リカール社(Pernod Ricard SA)の
バランタイン(Ballantineウィスキー)
→ネットとつながったTシャツを開発。
オンライン上の活動内容をTシャツに映し出す。

◯ディアジオ社(Diageo PLC)
→スコッチと一緒に、
自分で作った動画メッセージを友人に贈れるサービス
を提供。スマホアプリでボトルのコードをスキャンすれば、
貰った人は動画を見られる。

しかしながら、ビールの持つ人間関係の潤滑油としての性質
に注目すれば、ビールとソーシャル技術との相性は、
ウィスキーやスピリッツなど他の酒類よりも高いと言えるでしょう

逆に言えば、これまでのマーケティングは、
消費者の期待を見誤っていたとも捉えることができます。
品質向上にばかり力を注いできましたが、
消費者が求めるのはソーシャル機能。このギャップが、
ビールへの失望を生み出し、より飲みやすいスピリッツや
ワインへのシフトを加速させたのかもしれません。

一方で、IT活用によるコスト増を懸念する声もあります。
コスト増を価格転嫁できなければ、
逆に利益率が悪化するからです。
実際、ハイネケンの“イグナイト”
ボトルはイベント専用ボトルであり、
普段のハイネケンでは体験できません。しかし、
この懸念について、ビールメーカーは楽観視しているようです。
それは、IT活用により機能が付加されば、
ブランドの価値も向上し、
消費者は高まった価値にお金を払うようになるから。
つまり、値下げせずとも売れることを、期待しているのです。

グローバルビールメーカーが行う利益向上策には、
ブランドのプレミアム化があります。例えば、
バドライトプラチナ(Bud Light Platinum)はバドライトのプレミアム版。
プラミアム化を進めることで、単価・利益率が高まります。
プレミアム化が、プレミアム版という新製品の導入とすれば、
IT活用は新製品導入を伴わないプレミアム化とも言えます。
IT活用に躍起になるのは、
当たるか当たらないかわからない新製品
に頼るのではなく、より成功確率の高いプレミアム化と
捉えることもできるでしょう。
結局、プレミアム化の成功確率を高めるために、
ITに注目しているのかもしれません。

Heineken Ignite bottle http://goo.gl/jItCl
Budweiser Buddy Cup(YouTube) http://goo.gl/H2RPL
Nike+ http://goo.gl/tIBXz
Ballantine T-shirt(YouTube) http://goo.gl/zD2mE
Diageo message bottle http://goo.gl/hOrjp
Bud Light Platinum http://goo.gl/jZxIa

***************************
《今回のヒントのまとめ》
1)欧米ビール市場が縮小する中、グローバルビールメーカーは、
収益拡大のために単価・利益率向上を目指している。
その一つの策が、IT活用である。

2)IT活用によりブランドイメージが向上すれば、
値下げせずとも売れるようになる。
この結果、単価・利益率が向上するからである。

3)また、ビールのソーシャル機能に注目すれば、
他の酒類よりもソーシャル技術と相性がよく、
IT活用が成功する確率が高まる。

4)その他単価・利益率向上のために、
ブランドのプレミアム化を進めている。

5)ただし、ブランドのプレミアム化には、
失敗確率の高い新製品の導入が必要とされる。
一方、IT活用は新製品を必要としないので、
より成功確率の高いプレミアム化と言えるだろう。
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編集後記
コンビニがプレミアムビールに力を注ぐのも、
納得出来ます。
景況感が回復すれば、
各業界でプレミアム商品が続々と登場するかもしれないですね。

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【652号】売上低迷に悩むアメリカ冷凍食品で起きたイノベーションとは?
 

外国の冷凍食品

By grafixtek


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Frozen Entrees Give Microwaves a Cold Shoulder

【出典】
http://goo.gl/L4J4i


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2)要約
長時間労働するアメリカ人が増加するにつれ、
簡単に美味しく食べられる食事へのニーズは大きくなっている。
しかも、低価格志向の高まりにより、
冷凍食品には追い風のように思われるが、
実際にはその売上は低迷している。

その要因は、電子レンジでうまく調理ができないからである。
加熱途中でのかき混ぜをせずに、食べる人が多い。
また、電磁波の健康への悪影響を懸念して、
電子レンジ調理の冷凍食品を敬遠するも多い。
冷凍食品そのものではなく、
冷凍食品売場に問題があるという考えもある。
より魅力的な生鮮品売場で、買い物予算を使い切り、
冷凍食品売場はただ通り過ぎるからである。

これらの低迷要因を克服しようと、
商品開発にイノベーションが起きている。
調理の課題に関しては、かき混ぜ不要のパッケージを使った
商品が発売されている。電磁波への懸念では、
従来型オーブンやバーベキューグリルなど
電子レンジ以外での調理方法を記載する商品が開発された。
売場問題に関しては、生鮮品売場で販売する商品が登場している。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
A number of companies are trying to reimagine
 the frozen entree as a simpler, healthier and
 better-tasting experience.

4)キーとなる英文の和訳
冷凍食品を、より簡便に、よりヘルシーに、
より美味しい食事に作り変えようと努力する企業が増えている。

5)気になる単語・表現
entr?e名詞メイン料理
reimagine他動詞〜を再構成する、作り変える

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
アメリカでは、労働時間の増加に伴い、
食事に美味しさだけでなく簡便性を求める声が強くなっています。
さらに、そこにコストパフォーマンスも求められます。
このニーズに合致するのが、冷凍食品。
しかし、冷凍食品の売上は低迷しています。

【2012年の冷凍食品売上金額】
92億ドル 前年比2%減

この原因として、次の3つがあるようです。

【冷凍食品が売れない原因】
[1]電子レンジで上手く調理できないから
[2]電磁波の悪影響を懸念する人が多いから
[3]売場に行かないから

1については、冷凍食品の簡便性は認めるものの、
美味しさに疑問符が付く人が多いようです。しかし、
美味しく調理できないのは、商品の品質自体に
問題があるのではありません。その調理方法です。
電子レンジで冷凍食品を調理する場合、
加熱途中で蓋を開けてかき混ぜる必要があります。
これをしない人が多いといいます。次のデータが、
冷凍食品の調理方法の不手際を物語っています。

【冷凍食品の調理方法に関するデータ】
[1]31%→冷凍食品の調理方法は役立っていると考える
[2]37%→途中でかき混ぜたり、

商品を回したりする支持を無視したり、
一部しか行なっていない
[3]89%→味見や触覚・
見た目で調理が終わったかどうか判断している

つまり、冷凍食品はスクラッチから料理するよりは
簡単に調理できるものの、
まだその調理方法を面倒臭いと感じる人が多いということ。
そのため、パッケージに記載された指示通りに行わず、
美味しくできないという結果に終わるのです。

2については、電子レンジを利用することを嫌がるために、
冷凍食品を買わないということです。電磁波団体によると、
電子レンジを正しく使えば、健康や食材の栄養素への影響は、
従来の調理方法と変わらないという。つまり、
電子レンジの健康の悪そうというイメージが、
冷凍食品の販売を妨げているということになります。

3について、スーパーの冷凍食品売場は、店舗の奥に有り、
しかも薬品用キャビネットのような冷凍庫の中で、
殺風景に販売されています。一方、生鮮売場は、
ファーマーズマーケットのように彩り豊かで活気のある売場です。
来店客がより長時間費やすのは、
楽しそうな生鮮売場に他なりません。ついつい長居して、
買い物予算の多くを生鮮品に費やしてしまいます。そのため、
冷凍食品売場のたどり着いても、足早に通り過ぎるだけ。
これでは、冷凍食品が売れるはずがありません。

これらの要因を無くすために、商品開発にイノベーションを
起こす動きがあります。まとめると次のようになります。

【売上低迷要因を克服したイノベーティブな冷凍食品】
[1]調理上の要因→かき混ぜ不要のパッケージの開発
[2]電磁波への不安要因→電子レンジ以外を使う調理方法の記載
[3]売場上の要因→生鮮品売場での販売

1は、パッケージのイノベーション。
加熱途中にかき混ぜなければおいしくできないことが、
冷凍食品を避ける要因でした。ならば、
かき混ぜ不要のパッケージを開発すればいいわけです。
記事で紹介されていた新パッケージの冷凍食品は、以下のとおり。

【かき混ぜ不要の冷凍食品】
[1]フレッシュダイレクト(FreshDirect)の
スマートアンドシンプル(Smart & Simple)シリーズ
→電子レンジの中で圧力蒸気が生まれる特殊ボウルを利用
[2]ライフキッチン社(LYFE Kitchen Inc.)
→加熱中に蒸気が出る紙パウチを利用
[3]コナグラフーズ社(ConAgra Foods Inc.)
のヘルシーチョイスベイクドアントレーズ(Healthy Choice Baked Entrees)
→中央まで熱が届く特殊トレーを利用

2は、調理方法のイノベーション。
電磁波の健康への悪影響を払拭するために、電
子レンジ以外の調理方法を記載するという方法です。
電子レンジ以外でも作れることになれば、
アンチ電磁波の人にも購入してもらえます。

【電子レンジ以外の調理方法を記載した冷凍食品】
[1]シュワンフード社(Schwan Food Co.)の
ボンアペタイトスチームベイクドミール(Bon Appetit Steam-Baked Meals)
→従来型オーブンの利用を推奨
[2]イボルフーズ(Evol Foods)
電子レンジとバーベキューグリルやパニーニプレスとを合わせた調理方法を記載
[3]ホールフーズマーケット(Whole Foods Market)の
スキレットミールズ(skillet meals)→ストーブ上での加熱を推奨

3は、売場のイノベーション。
より人の集まる生鮮売場で冷凍食品を売れば、
売上が上がるという発想です。この事例として、
ネスレが取り上げられています。

【生鮮売場で販売する冷凍食品】
ネスレ社(Nestle SA)のサラダアディションズ(Salad Additions)
→スーパーマーケットチェーンのクローガー(Kroger)に、
フリーザーディスプレイをリースすることで、
生鮮売場で販売に成功

サラダアディションズとは、電子レンジ調理の鶏肉と
枝豆などのトッピングを合わせた冷凍食品。
野菜と相性がいいことが、
生鮮売場での販売を可能にさせたのでしょう。
生鮮売場での販売により、これまで冷凍食品売場に
足を運ばなかった人への認知度が高まったそうです。
その結果、これまで冷凍食品をあまり購入しなかった人や、
かつて定期的に購入していたがやめた人が、
購入者の半分を占めるようになりました。

興味深いのは、これらのイノベーションは、
いずれも味の改善を行ったものではないということ。
食品の商品開発では、ついつい味の向上が第一に
考えられる傾向がありますが、消費者の不満の多くは、
もう味にはないのです。市場に出る商品のほとんどは、
消費者が設定する味のハードルをすでに超えているのです。
それでも買わないのは、味以外に何かしら問題があるからに
他なりません。
消費者が抱える本当の不満を解決するということが、
売上増加を導くイノベーションにつながるのです。

FreshDirect https://www.freshdirect.com/
LYFE Kitchen http://lyfekitchen.com/
ConAgra Foods http://www.conagrafoods.com/
Schwan Food http://www.schwans.com/
Evol Foods http://evolfoods.com/
Whole Foods Market http://www.wholefoodsmarket.com

***************************
《今回のヒントのまとめ》
1)労働時間の増加に伴い、食事に簡便性と美味しさを
求めるアメリカ人が増えている。ならば、
値頃感のある冷凍食品の売上は伸びているように思えるが、
実際には低迷している。

2)その要因には、調理上の課題・電磁波への
懸念・売場の問題がある。これらの課題を克服するための
イノベーションが、商品開発で起きている。

3)調理上の課題では、かき混ぜ不要のパッケージが
開発された。電磁波の懸念を解決するために、
電子レンジ以外の調理方法を記載する商品が開発された。
また、売場の問題では、より人気の高い生鮮品売場で
販売する商品が登場している。

4)食品の商品開発では、ついつい味の向上が目的とされる。
一方で、消費者の商品への不満は、味以外の部分が多い。

5)消費者の本当の不満を解決することによって、
売上増加を導くイノベーションが起きやすくなる。
*************************


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7)おすすめ商品・サービス
◎JAFカード解約を考えています
実は経費削減の為、長年利用してきた
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もし、利用されたことのある方がおられましたら、
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◎ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ英単語

WSJメルマガを始めてから、もうすぐ5年。
この5年間でわかったことがあります。
読む上で知っておくべき単語さえわかれば、
大まかな内容はわかるということ。
備忘録の意味でも、調べた単語をサイト上にアップしています。
今後、メルマガとしてスピンアウトする予定にしています。
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◎Winecarte 簡単ワインの選び方

ワインカルテを作る時にいつも感じるのは、
ワインの情報を探すのが大変ということ。
公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、
作っています。
http://wine.ryotarotakao.com/

編集後記
日本の冷凍食品売上は、どうなんでしょうか。
肌感覚では、かなり売れているように感じます。
特に、冷凍パスタ。
冷凍パスタが、町のパスタ屋さんの競合に
浮上しているのではないでしょうか。
それぐらい、冷凍パスタを買う若者をよく見かけます。

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
感謝・感謝・感謝です!
| 高尾亮太朗 | 食品 | 19:00 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
【646号】低糖アイスティー・有機ジュースのオネストティー、炭酸飲料開発で直面した課題とは?
 

オネスト・フィズ


◎本日のニュース

1)見出し
Honest Tea's New Soda

【出典】
http://goo.gl/27rPz


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2)要約
有機ジュースのオネストティーは、
炭酸飲料シリーズ「オネストフィズ」を発売した。
ただ、その商品開発において、難しい課題に直面した。

その課題とはまず、炭酸飲料を出すことが自然飲料を作る
というミッションに反しないかということから始まった。一方、
炭酸飲料は、アメリカで売上最大の飲料カテゴリーで、
他のカテゴリーを圧倒するほどの市場規模があり、
市場としては魅力的である。

競合の炭酸飲料との差別化にも苦労した。
パッケージや内容で競合品との違いを出す一方で、
トップブランド商品と似せる必要性にも迫られた。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
When Honest Tea, makers of low-sugar teas and
juices that are organic, decided to get into
the carbonated beverage business,
it faced a communication dilemma.

4)キーとなる英文の和訳
オネストティーは、低糖アイスティーと
有機ジュースの製造企業であるが、
炭酸飲料市場に参入を決めた時、
コミュニケーションの難しい課題に直面した。

5)気になる単語・表現
organic形容詞有機の、炭素を含む
carbonate他動詞〜に二酸化炭素[炭酸]を含ませる
dilemma名詞(ニ者択一の)ジレンマ、板挟み;難問題、

窮地

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
オネストティー(Honest Tea)は、
コカ・コーラ社(Coca-Cola Co. )の傘下の飲料メーカー。
低糖アイスティーと有機ジュースで、
全米トップレベルのブランドだそうです。
「体にやさしい」という切り口の商品を製造・
販売している企業と言っていいかもしれません。
そのようなヘルシー飲料メーカーが、
炭酸飲料市場に参入を決めたそうです。

その理由は、炭酸飲料市場が巨大だからに他なりません。
炭酸飲料市場は、アメリカ飲料市場の最大カテゴリーであり、
他カテゴリーを圧倒する大きさを持ちます。
この巨大市場を魅力的に感じるとともに、
そこにビジネスチャンスを見出したことで、
オネストティーは参入を決めたようです。
そのビジネスチャンスとは、
自然由来の甘味料を使った炭酸飲料を飲みたいという
ニーズが満たされていないというもの。

ただし、オネストティーのミッションは、
「自然飲料を作る」というもの。
概して体に悪いというイメージがある炭酸飲料市場に参入すること
は、
このミッションに反しかねません。ここから、
炭酸飲料市場への参入の苦悩が始まりました。

商品開発、さらには新規事業開発においては、
次の2つの性質を考える必要があります。
それは、差別化と同質化です。
この両社にはそれぞれメリットとデメリットが存在します。

【商品開発における差別化・同質化のメリット・デメリット】
[差別化のメリット]価格競争を回避できる
[差別化のデメリット]わかりにくさにより敬遠される恐れがある
[同質化のメリット]市場規模・成長性を享受できる
[同質化のデメリット]価格競争に陥りやすい

上記を見れば、差別化のメリットと同質化のデメリット、
差別化のデメリットと同質化のメリットが対になっているのが
わかるかと思います。つまり、差別化が大きくなればなるほど、
同質化が薄くなり、そのメリットを享受できなくなります。
トレードオフに近い関係と言えるかもしれません。

差別化をうまくやれば、競合商品との違いが明確になり、
価格競争を回避できます。
価格以外の違いで選んでもらえるからです。
一方、差別化が過ぎると、消費者はその新しさに不安を覚えます。
その結果、なかなか買ってもらえなくなり、
売上にマイナスの影響を及ぼします。同質化をうまくやれば、
その市場の規模・成長にうまく乗れることになります。
大きなニーズをすくえることができるからです。
一方、同質化が過ぎれば、競合商品と区別が付きにくくなり、
一番わかりやすい価格で選ばれるようになります。
価格競争に突入です。

オネストティーの炭酸シリーズ・オネストフィズ(Honest Fizz)は、
その商品開発において、差別化と同質化に苦労を重ねます。

まず参入そのものについて。先述したように、
オネストティーが炭酸飲料市場参入を決めた理由の一つは、
その市場規模が魅力的であったから。
同質化のメリットに着目して、
参入を決めたのです。ただ、コカ・
コーラ社やペプシコ社の炭酸飲料と
同じような商品を発売すれば、
同質化のデメリットである価格競争に
巻き込まれることになります。

そこで、缶の形・デザインで差別化を図ることになります。
これは、差別化のメリットを享受するためです。缶は、
細長の12オンス缶を採用。これにより、パッと見ただけで、
競合商品との違いがわかります。さらに、缶のデザインでは、
白の背景色を採用し、パッケージでは自然由来の原材料・
ゼロカロリーを
強調しています。

ただし、あまりに差別化をすると、
差別化のデメリットが生じる可能性があります。そこで、
適度に同質化をデザインに施します。例えば、
当初、
缶の中央部にグラフィックの泡でできたゼロを配置する予定でした
しかし、結局、本文のようなフルーツやルートビア要の樽
(ルートビア味の商品)に変更したそうです。その理由は
、炭酸飲料の購入は、最終的には美味しさが決めると考えたから。
これは、同質化に他なりません。競合品との違いを強調するために
「ゼロ」を強調すれば、逆にその美味しさがわかりにくくなり、
消費者に選ばれないと予測したのです。

また、「ゼロカロリー」の文字を、
缶の上部と下部に目立つように配置しています。これは、
同じゼロカロリーの炭酸飲料のコカコーラゼロ(Coca Cola ZERO)や
ペプシマックス(Pepsi MAX)では、”0 Calories”や”Zero Caloroies”が
缶で目立つようにデザインされています。よって、
ゼロカロリーのトップブランド商品と同質化したことになります。

さらに、オネストフィズのラインナップを見れば、
フレーバーにおいて競合品との同質化を目指したことがよくわかり
ます。
オネストフィズには、オレンジ味・レモンライム・ルートビア味・
ドクターペッパー味の4種類があります。いずれも、ファンタ(
Fanta)・
スプライト(Sprite)・A&Wルートビア(A&W Root Beer)・
ドクターペッパー(Dr. Pepper)を意識して開発したものであり、
同質化を図ったものです。フレーバーの同質化を図ることにより、
競合他社品ユーザーで、
できれば自然由来の甘味料を好む人の購買が
期待できます。

面白いのは、「ゼロカロリー」の強調という同質化が、
自社既存商品との差別化になっているところ。
オネストティーの既存品は、自然由来の甘味料がその特徴であり、
カロリーはゼロでありません。よって、オネストフィズで
「ゼロカロリー」を強調しなければ、オネストフィズも
他自社商品同様カロリーのある商品と誤解されかねません。
ゼロカロリー商品が人気であることを考えると、
この誤解はオネストフィズの売上に悪影響を及ぼす恐れがあります

だからこそ、「ゼロカロリー」と強調することで、
自社既存品との差別化を図ったのです。

このように、競合品と明らかに違うからと言って、
単に差別化すればいいというものではありません。
一方で、同質化が過ぎると、
価格競争に巻き込まれる恐れがあります。
差別化と同質化のうまい按配こそが、商品開発の難しさであり
面白さなのでしょう。
オネスティーが経験した炭酸飲料開発の苦労は、
まさに差別化と同質化の按配をどうするかに他なりません。

Honest Tea http://www.honesttea.com/
Honest Fizz Press Release http://goo.gl/WgtfK
Honest Fizz http://goo.gl/gbcpZ
Coca-Cola USA http://goo.gl/89mAs
PepsiCo Lineup http://goo.gl/hfaoa

***************************
《今回のヒントのまとめ》
1)低糖アイスティーと有機ジュースのオネストティーは、
炭酸飲料市場に参入した。ただ、
その商品開発で難しい課題に直面することになる。

2)それは、商品開発における差別化と同質化の按配である。

3)差別化には、価格競争を回避できるというメリットがある
一方で、差別化が過ぎると敬遠されるというデメリットがある。

4)また、同質化には、市場規模・成長度合いの恩恵を
受けられるというメリットがある一方で、
同質化が過ぎると価格競争に陥るというデメリットがある。

5)オネストティーは、缶の形や表示で差別化を図ると同時に、
フレーバーやデザインでは同質化を図っている。
*************************

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記事の概要を理解できることができるので、
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編集後記
炭酸アイスティーでは、新規性が強すぎて、
売れないと判断したからこそ、
他社と似たフレーバーの炭酸飲料を開発したのでしょう。
商品開発は、ややもすると作り手の自己満足になりがち。
一歩引いて考える、買う立場になって考えることが必要ですね。
ただ、これをするのは、中にいる人にとってなかなか難しい。

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| 高尾亮太朗 | 食品 | 19:00 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
【632号】アメリカで炭酸が売れなくなった本当の理由とは?
 

カードの使えるコカ・コーラ自販機

By Wyscan


◎本日のニュース

1)見出し
Is This the End of the Soft-Drink Era?

【出典】
http://goo.gl/ZlNqF


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2)要約
アメリカでの炭酸飲料の売上に関して、
これまで数量が問題視されてきたが、
最近金額を危惧する声が高まっている。
それは、値上げによる売上金額の維持が、
不可能になってきたからである。

その要因として、糖分の多い炭酸飲料が、
消費者の健康志向に合致していないことがあげられる。
また、ベビーブーム世代の高齢化や、
従来の主要顧客である若年層が、
ミネラルウォーターやエネルギー飲料・
コーヒーを買うようになったことも、
売上の減少につながっている。

これに対して、炭酸飲料大手3社は、
スポーツドリンクやフルーツジュースなどの
急成長カテゴリーの拡充している。さらに、
炭酸飲料に関しては、低カロリーの天然甘味料の
共同開発や広告宣伝を増やすことにより、
需要を喚起している。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
Coca-Cola Co., PepsiCo Inc. and Dr Pepper Snapple Group Inc.
 have struggled to reverse the decline in soda consumption
 in the U.S., where shoppers increasingly reach for water,
 coffee, and other drinks.

4)キーとなる英文の和訳
コカ・コーラ社、ペプシコ社、ドクターペッパー・
スナップル・グループ社は、全米における
炭酸飲料消費量を減少から回復させるのに奮闘してきた。
しかし、消費者は水やコーヒー・
その他飲料への支出を増やしている。

5)気になる単語・表現
struggle to V他動詞句〜しようとして闘う、
〜に取り組む;〜に奮闘する
reach for自動詞句〜を追求する

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
アメリカでの炭酸飲料の売上減少が止まらない。これまでは、
量の減少を食い止めるために、値上げを行なってきた。
(もちろん、その背後には原材料コストの上昇などもあるが。)
しかし、値上げしても販売数量の維持ができなくなったという。
特に、最近売れない傾向はより強まっている。

【アメリカの炭酸飲料がますます売れなくなっている現実】
[売上金額]
2012年最後の12週間→前年同期比−2.5%
2012年12月→前年同期比−2.8%
[売上数量]
2012年最後の12週間→前年同期比−3.55%
2012年12月→−4.9%

12月というと、クリスマスシーズン。
パーティーなどで炭酸飲料を飲む機会が多い月。
さらに、12月の小売売上高は、前月比・前年同月比ともプラス。
炭酸飲料がいかに売れなくなったかが、よくわかる。

ちなみに、この統計は小売店での売上だけを示す数字であり、
飲食店・自販機・他のルートは含まれていない。よって、
業界関係者の中では、これらの統計に含まれない数字を
含めた全体の売上は、少し上昇していると考える人もいる。
しかし、炭酸飲料が売れなくなった背景を考えると、
そう楽観視できない。

炭酸飲料の売上を減少に追い込んでいる要因を、
外部環境から考えてみた。

【炭酸飲料の売上減少を導く外部環境の変化】
[1]消費者の健康志向の強まり
[2]ベビーブーム世代の高齢化
[3]若年層のニーズの変化(需要の多様化)
[4]消費者の節約志向の強まり

1については、消費者の健康志向の強まりは、
糖分・カロリーの高い炭酸飲料にとっては逆風になる。
この記事のコメントを見ると、逆風の強さは凄まじい。
例えば、ソーダストリーム(Soda Stream)という
家庭用の炭酸飲料製造機械を買って、
自分で糖分やフレーバーを調整する人がいるという。
このような高価な機械をわざわざ購入するのは、
糖分の多い市販のソーダ飲料を飲んで、
肥満や糖尿病になりたくないからである。
市販品の方が安くても、病気になってはより高くつく。

2は、1とも関連する。1946年〜1964年に生まれた
アメリカのベビーブーム世代は、
人口ピラミッドの中で突出した部分を作る。
この人口の多い層が高齢化すれば、
炭酸飲料を飲む量も減ることになる。
年を取れば、

より体のことを思いやる傾向が強まることを考えると、
ベビーブーム世代の健康志向の強まりが、
炭酸飲料の需要減少の一因になっている。

3は、これまで炭酸飲料がターゲットとしてきた若年層が、
炭酸以外の飲料を飲むようになったことを示す。
例えば、レッドブル(Red Bull)などのエネルギー飲料や水、
コーヒーなど。炭酸飲料の値上げも影響しているだろう。
価格のより低い水を、炭酸飲料の代わりに所得の低い若者が
飲むようになっても、不思議ではない。ニーズの多様化とともに、
所得の低下も影響している。

4は、コメント欄を読んでわかったこと。
記事へのコメント(投稿)を見ると、
「安いコーンシロップが混ざった水を買うのに、
1.5ドルも支払うことがばからしい。」という意見がある。
砂糖からコーンシロップに変えることでコストを下げておきながら
そのコスト削減分を消費者に還元せず、
スーパーボウルの広告に多額のお金を掛けることに、
嫌気が指している人もいる。)この背景には、
消費者の節約志向の強まりがある。

これらの外部環境の変化に対して、大手3社
(コカ・コーラ社、ペプシコ社、
ドクターペッパー・スナップル・グループ社)
が行ったのは、次のような対策である。

【大手3社による対策】
[1]急成長カテゴリーのラインナップ拡充
[2]0カロリー・低カロリーの天然甘味料の共同開発
[3]低カロリー商品の拡充
[4]宣伝広告の強化

1について、スポーツドリンクやフルーツジュースなどの
新商品を各社増やしている。例えば、コカ・コーラ社は、
ジコ(Zico)ブランドのココナッツウォーターや、
乳飲料・疲労回復シェイクを発売した。また、
ペプシコ社は、ネイキッドジュース(Naked Juice)ブランドの売上が25%上昇し、
またリプトン(Lipton)やスターバックス(
Starbucks)と
共同開発した茶飲料やコーヒーが順調に売上を拡大している。

2については、3社共同で、
天然甘味料の共同開発を進めているが、
さほど成功を収めていない。その結果、
人口甘味料を使った低カロリー商品の開発が増えている。(3)
ただ、人工甘味料の新商品は、さほど売れていないという。
ペプシコ社のペプシネクストも、
ドクターペッパー社の10カロリーシリーズとも、
シェアは1%未満。

4は、炭酸飲料への偏見を正すための広告を
増やしているという。例えば、肥満への不安や、
大型サイズの炭酸飲料の販売を規制する
ニューヨーク市に対抗したテレビCMは、
今週開始されるという。

しかし、炭酸飲料の売上(金額・数量)を見る限り、
これらの対策が成功しているとは言いがたい。その原因は、

炭酸飲料というドル箱商品の利益に固執しているから

ではないか。砂糖からコーンシロップに変えることで、
コスト削減に成功し、炭酸飲料の利益率は大きく上昇した。
その利益率を食いかねない原材料コストの上昇に対しては、
値上げで対応。そして、天然甘味料の共同開発が
うまくいかないのは、コーンシロップよりもコストが
高くなるからだろう。

今後、大手3社は、成熟した全米市場よりも成長が見込める
新興市場に力を注ぐ模様。儲かる炭酸飲料を、
未開拓の新興市場で販売することで、
高い利益率・大きな利益額を享受できる。
儲かる新興市場に力を入れるあまり、
アメリカ市場の消費者ニーズに向き合うことを怠れば、
アメリカの消費者からそっぽを向かれかねない。

Zico http://zico.com/
Pepsi Next http://goo.gl/4Tv4W
Dr. Pepper 10 http://goo.gl/lXz7h

***************************
《今回のヒントのまとめ》
1)アメリカの炭酸飲料の小売販売額・数量とも減少している。
この減少幅は、直近大きくなっているので、
炭酸飲料を販売する企業にとっては大きな問題である。

2)この背景には、外部環境の変化がある。その変化とは、
消費者の健康志向の強まり、ベビーブーム世代の高齢化、
若年層のニーズ変化、節約志向の強まりである。

3)これら変化に対して、大手3社は、急成長カテゴリーの拡充、
0カロリー・低カロリーの天然甘味料の共同開発、
低カロリー商品の拡充、宣伝広告の強化を行なっている。

4)しかし、これらがうまく行かず炭酸飲料の売上が
減少しているのは、炭酸飲料という
ドル箱商品の高い利益率に固執しているからではないか。

5)儲かる新興市場の力を注ぐあまり、
アメリカ市場の消費者ニーズに向き合うことを怠れば、
アメリカの消費者から大きなしっぺ返しを食らうことになるだろう

*************************

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ワインの情報を探すのが大変ということ。
公式サイト・通販サイトをいくつかあたって、
作っています。
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編集後記
アメリカのペプシサイトを見て、びっくり。
とても見にくいんです。
Twitterなどの投稿を掲載して、
双方向のサイトを目指していることはわかるのですが、
これでは知りたい情報になかなかたどり着けません。
情報検索を最優先にするならば、
やっぱりシンプルな方がいいですね。

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| 高尾亮太朗 | 食品 | 19:00 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
【621号】アメリカの牛乳需要が急減している本当の理由とは?
 

ホールミルク


◎本日のニュース

1)見出し
America's Milk Business in a 'Crisis'

【出典】
http://goo.gl/LMnIn


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2)要約
アメリカの牛乳産業が、危機感を強めている。
それは、10年以上減少が続く牛乳の消費量が、
その減少スピードを加速させているからである。

牛乳を飲まなくなった理由として、
ペットボトル入り水など飲料の選択肢が増えたことが挙げられる。
また、牛乳の飲む量の多い子供の割合が減ったことも、
影響しているという。最近は、牛乳の価格上昇も、
購入のハードルになっている。

この需要急減に対し、牛乳に関わる企業・団体は、
需要喚起策に取り組んでいる。利便性を高めるために
パッケージを小さくしたり、栄養を強化した商品を販売したり、
代替品よりも牛乳の方が信頼性高いと謳う広告宣伝を行ったり、
模索している。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
In an age of vitamin waters and energy drinks,
the decadeslong decline in U.S. milk consumption has accelerated,
worrying dairy farmers, milk processors and grocery chains.

4)キーとなる英文の和訳
ビタミン入りウォーターやエネルギー飲料が売れる中、
10年以上続くアメリカの牛乳消費量の減少が、加速している。
これに対し、酪農家や乳加工業者、
スーパーマーケットチェーンは頭を悩ましている。

5)気になる単語・表現
decade名詞10年間
accelerate自動詞速度を増す;車のスピードを増す、

加速する

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
アメリカ人の牛乳消費量は、第二次世界大戦をピークに、
1975年から減少し続けている。さらに、
その減少スピードは加速している。
記事で紹介されているデータは、以下の通りである。
(わかりやすい図はこちら→ http://goo.gl/LMnIn

【牛乳消費に関するデータ】
[一人あたりの牛乳消費量]
◯1975年 28.6ガロン(108.68リットル)→2011年 20.2ガロン(76.76リットル)
=29.4%減少
◯2011年=前年比3.3%減少→
1975年以降で最大の下落幅
[牛乳の販売数量・販売金額]
◯2012年の販売数量=前年比2.9%減少
◯2012年の販売金額=前年比2.2%減少
※乳成分を含まない製品も入れた液体乳製品全体の数字

牛乳の消費量≒販売数量が減るだけでなく、
金額も減っているということは、
単価が大きく上昇しているわけではない。後で示すが、
牛乳の小売価格上昇も、牛乳消費量のマイナスの要因であるが、
価格上昇以上に数量が減少していることがわかる。

アメリカで牛乳消費量が減少している要因は、以下の通りである。

【アメリカでの牛乳消費量減少の要因】
[1]イメージの悪化
[2]子供の割合が減少
[3]小売価格の上昇
[4]他の飲料との競合激化

1に関して、牛乳のイメージが、
「ヘルシー」から「高カロリー」に変化しているという。
恐らく、牛乳よりもカロリーの低い豆乳やアーモンド乳の登場が、
そのようなイメージの変化を引き起こしているのだろう。
ネットで検索したところ、
100mlあたりのカロリーは以下の通りになる。

【牛乳・豆乳・アーモンド乳のカロリー比較】
普通牛乳→69.5キロカロリー
調整豆乳→54キロカロリー
無糖アーモンド乳→16.9キロカロリー

2に関して、牛乳を一番多く飲む子供の割合が減ったことが、
一人あたりの牛乳消費量の減少を導いているという。実際、
アメリカ統計局のデータを見ると、
アメリカの平均年齢が上昇していることがわかる。

【アメリカの平均年齢の推移】
1980年 30.0歳
1990年 32.8歳
2000年 35.3歳
2010年 37.2歳

年齢を重ねる毎に牛乳消費量が減ると考えれば、
平均年齢の上昇は牛乳消費量減少の要因となりうる。

3に関して、小売価格の上昇は、最近起こったこと。
飼料価格の高騰が、小売価格上昇を引き起こしている。
昨年の前年比9.2%もの上昇は、
2011年の一人あたり牛乳消費量の急減の大きな要因になっただ
ろう。
ちなみに、今年の上昇幅は微小という。

4に関して、ビタミンウォーターやエネルギー飲料など、
ヘルシーな飲料の選択肢が増えることで、
牛乳はそれらとの競合に晒されている。
ヘルシー飲料との競争激化は、
乳製品での最大カテゴリーであるスキムミルク・
低脂肪牛乳(ローファットミルク)の落ち込みの大きさが、
物語っている。

【2012年の乳製品売上金額と前年比】
◯スキムミルク・低脂肪牛乳→90億ドル(3.5%減少)
◯全乳(ホールミルク)→37億ドル(2.4%減少)
◯フレイバー付き牛乳→10億ドル(2.8%減少)
◯牛乳代替ミルク(豆乳・アーモンド乳など)→8億ドル(15.
8%増加)
◯ミルクシェイク・乳成分を含まない飲料→1億ドル(5.0%
増加)

比較的ヘルシーなスキムミルクや低脂肪牛乳が、
豆乳やアーモンド乳に需要を奪われていることがわかる。

これらの減少要因に対して、次のような施策を行なっている。

【牛乳需要喚起策】
[1]信頼性を広告宣伝でアピール・本物シールの貼付
[2]子供向けレストランで販売
[3]小容量商品の開発
[4]プロテイン入り・ラクトース無使用・減糖商品の投入

1に関して、具体的には、
牛乳の信頼性をCMやポスターで告知し、
豆乳やアーモンド乳などの代替乳との違いをアピールしている。
また、「本物(REAL)」という赤いシールを、
牛乳に貼付する計画があるという。

2に関して、例えば、アリゾナのシャムロックファーム社
(Shamrock Farms Co.)は、12オンス(355.2cc)
の開栓しやすいボトルを開発し、
そのボトルを使った牛乳をサブウェイで販売している。
12オンスと言えば、350ml缶とほぼ同じで、
注文しやすいサイズと言えるだろう。また、
同社は、7オンス(207.2cc)
のさらに飲みやすいサイズを、
アービーズ(Arby’s)のレストランで販売。これらにより、
子供の牛乳を飲める機会を増やそうとしている。また、
アメリカ最大の乳加工業者ディーンフード社(Dean Foods Inc.)は、
砂糖の少ないチョコレートミルクやラクトースを使わない牛乳を、
子供向けに販売しているという。ちなみに、
アメリカでは砂糖入りの牛乳があり、日本人から見ると驚き。
ヘルシー志向の強い母親にアピールするために、
砂糖やラクトースを使わない商品を開発している、とも言える。

3については、2での説明通り。また、忙しい家族向けに、
使いやすいパッケージも開発されているという。
これがどんなパッケージなのか分からないが、
恐らく小型化・長期保存ができるようにし、
より鮮度の高い牛乳を飲めるようにすることで、
牛乳を購入するハードルを下げているのだと思う。

4に関して、例えば、フィットネス通をターゲットにした
プロテイン強化牛乳を、シャムロックファーム社は販売している。
フィットネス通が普段飲む、乳を含まない飲料から需要を奪う
ためである。また、スーパー大手のクローガー社(Kroger Co.)は、
通常の牛乳よりも、20%もプロテインが多く、
一方で砂糖使用量を減らした新ブランドを立ち上げる予定という。

このように牛乳消費量拡大のため策を練る企業側であるが、
記事の最後に消費者の面白い声が取り上げられていた。
それは、47歳の大学の文学部男性教授の言葉。彼は、
6歳の頃、牛乳のヘビーユーザーだったという。ただ、
今ではシリアルを食べる時しか、牛乳を使わない。
そして、彼が発した言葉は以下の通り。

"What would you drink it with? Spaghetti?"
「何と一緒に飲めばいいんだい?スパゲティとかい?」

これが、牛乳を飲まない消費者の声である。つまり、
牛乳を何に使ったらいいのかわからない。どんな料理に合うのか、
わからない。だから、牛乳を買わないのだ。

確かに、量を飲む子供に牛乳を売れば、消費量は増えるだろう。
しかし、アメリカの平均年齢が上昇していることは自明であり、
この傾向は今後も続くだろう。子供の飲む量が増えたところで、
たかだか知れている。今後も増える30代以降の消費者に、
牛乳を使うシーン・牛乳の使い方を伝えなければ、
減少傾向の消費量は反転しないのではないか。また、
そのまま飲むだけでなく、食材としての利用すれば、
需要を増やせるのではないか。逆に言えば、
人口の高齢化に合った使い方を提示できなかった・
しなかったことが、
需要減少の本当の要因なのかもしれない。

牛乳のカロリーに関する情報 http://muuum.com/calorie/1091.html
豆乳のカロリーに関する情報 http://allabout.co.jp/gm/gc/67883/
アーモンド乳のカロリーに関する情報 http://goo.gl/Pzaud
アメリカの平均年齢データ http://goo.gl/QSqCE
クローガーの新ブランドCARBMasterのヨーグルト
http://goo.gl/LJBpf
Shamrock Farms http://www.shamrockfarms.net/
Dean Foods http://www.deanfoods.com/

***************************
《今回のヒントのまとめ》
1)アメリカの牛乳消費量減少の要因として、
ヘルシーイメージの後退、子供の割合の減少、
小売価格の上昇、他の飲料との競争激化を挙げることができる。

2)その対策として、
業界が一体となって信頼性をアピールしたり、
子供が飲める機会を作ったり、
パッケージの小型化・利便性の向上をしたり、
健康面を強化した商品開発、などを行なっている。

3)ただ、人口の高齢化が今後も継続することを考えると、
30代以上の世代向けに、牛乳を使う機会を作ったり、
牛乳の新しい使い方を伝えたりする必要はないだろうか。

4)高齢化に対する施策がなかったことが、
牛乳消費量の減少が継続・加速した本当の要因ではないか。
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昨日、冷蔵庫で眠ってた赤ワインを飲みました。
冷えすぎると美味しくないので、
少し常温に置いてから飲みました。
渋味が増して、トマト料理にピッタリでしたよ。
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編集後記
日本の牛乳消費量も、高齢化を考えると減っているのでしょうか。
ちなみに、私が牛乳を飲むのは、コーヒーに入れる時ぐらい。

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| 高尾亮太朗 | 食品 | 19:30 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
【601号】地ビール人気が変えるビール業界のビジネスモデルとは?
 

地ビールいろいろ

By crystalluxmore.com


◎本日のニュース

1)見出し
Small Beer a Headache for Big Brewers

【出典】
http://goo.gl/RtbDo


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2)要約
先進国での地ビール人気が、
大手ビールメーカーの悩みの種になっている。
過去10年間、大手ビールメーカーは、
グローバルブランドのマーケティングに力を注いできた。
一方先進国では、ニッチ市場の地ビールや
小規模なビール醸造所を支持する消費者が増えている。

この地ビール人気は、大手ビールメーカーに
新たな対応を余儀なくさせている。
大手メーカーは、小規模ビールメーカーを買収したり、
独自の地ビールを開発・販売したり、
主要ブランドの種類を増やすなどを行なっている。

ただし、この地ビール人気への対応は、
利益率の低下を招く。それは、
ブランド数が増えることにより、
追加のマーケティングコスト・物流コストがかかるからである。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
But they increasingly face a consumer-led backlash
 in favor of niche craft beers and microbrewers.

4)キーとなる英文の和訳
しかし、大手ビールメーカーは、
ニッチな地ビールや小規模な醸造所を支持するという、
消費者の反発に直面する機会が増えている。

5)気になる単語・表現
increasingly副詞ますます、だんだん
backlash名詞大衆の反発、急激な逆回転

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
地ビール人気については、過去に何度か取り上げた。

【548号】アンハイザー・ブッシュ・インベブ、
大衆向け商品を持つという強者の弱みとは?
http://wsj.jugem.jp/?eid=641

【485号】ハイネケン社の業績・
地ビール市場からわかる消費トレンド
http://wsj.jugem.jp/?eid=583

【444号】ビール大手アンハイザー・ブッシュが
中小ビールメーカーを買収する理由とは?
http://wsj.jugem.jp/?eid=544

今回取り上げるのは、地ビール人気が及ぼす
大手ビールメーカーへの影響について。
地ビール人気によって、大手ビールメーカーは
販売戦略の変更を余儀なくされている。
その変化をまとめると次のようになる。

【変更前】
少品種大量生産による寡占化・利益率の向上
【変更後】
消費者ニーズに合わせた多品種少量生産

市場の寡占化や新興国への進出により、
大手ビールメーカーのシェアは、
グローバルビール市場の55%までも占めるようになった。
1997年が17%だからその急拡大ぶりがわかる。
寡占化による競走の緩和で、平均営業利益は2倍に増加。

規模拡大→ブランド数の削減・寡占化
→販売数量・販売金額・利益率・
利益金額の最大化を目指す

という戦略により利益を拡大してきた。

一方、変更後の販売戦略を戦術レベルで見ると、
次の3つを挙げることができる。

○地ビールメーカーの買収
○自社で独自の地ビールを開発・販売
(例 アンハイザー・ブッシュ・インベブのショックトップ)
○主要ブランドに新アイテムを投入
(例 アンハイザー・ブッシュ・インベブのバドライトプラチナ)

このような変化を余儀なくされたのは、
ビールの成熟市場である先進国の消費者の嗜好の変化による。
価格ではなく、品質を追求する消費者が増えているという。

地ビール人気の凄さは、次の数字を見れば理解しやすいだろう。

(アメリカ)地ビールメーカーは、過去5年間で販売数量を
毎年平均9.8%増加させている。市場シェアは6%にまで拡大。
(一方、大手ビールメーカーの販売数量は、毎年1.9%減少。)

(アメリカ)

2011年の地ビールメーカー数は1940にまで拡大。
地ビールメーカーの一部は大規模化。
地ビールメーカーのシェア上位3社は、
地ビール市場の約35%を握る。上位10社で60%。

(イギリス)地ビールのブランド数が7000まで記録的に拡大。

(ドイツ・ベルギー)地場ビールメーカーが、
市場シェアトップに位置する。

地ビールが毎年販売数量を伸ばすのに対し、
大手ビールメーカーの販売数量は毎年減少している。
このまま何もしないと、地ビールにシェアを
奪われ続けることになる。そこで、
先ほど述べた3つの対応をすることになった。

しかし、この対応は利益率の低下という弊害を
大手ビールメーカーに与える。
地ビールメーカーを買収するにしても、
独自で地ビールを開発するにしても、
主要ブランドに新商品を投入するにしても、
扱うアイテムの種類は増えることになる。
その結果、マーケティングコスト・物流コスト
(在庫管理も含めた)は上昇。その結果、
営業利益率は下がり、変更前よりも儲からなくなる。
地ビールの平均小売価格は、主要ブランドの価格よりも
約50%高いとされるが、それでもコストアップ分は賄えない。

日本でも同様の変化が起こる予感がする。

○アサヒビールは2日、ビール「スーパードライ」を氷
点下に冷やして提供する期間限定の直営店
「エクストラコールドバー」の今夏の来場者が
前年に比べ4割増の約18万4千人だったと発表した。
猛暑効果に加え、新たに黒ビール「ドライブラック」
の販売を始め、
女性客の来場が増えたことが奏功した。
(2012年10月3日 日経産業新聞)

○サッポロビールは新潟県内で夏場に限って販売する
予定だった「新潟限定ビイル 風味爽快ニシテ」の家庭用缶商品を
通年販売に切り替えた。同ビールは缶商品と
業務用樽(たる)生商品を6月から順次売り出し、
それぞれ販売目標を引き上げたほど売れ行きが好調なため。
(2012年10月1日 日経MJ)

○セブン&アイ・ホールディングスはアサヒビールと
共同開発したビールを発売した。セブンイレブンや
イトーヨーカ堂など約1万4800店のみで販売する。
アサヒの主力ビール「スーパードライ」
より麦芽の量を8割増やし、
深みのある味に仕上げた。大手メーカーと組んだ
限定ビールで集客力を高める。
(2012年9月26日 日経MJ)

○目の前で銀色に輝くタンクを眺めながら、
「店ビール」のジョッキを傾ける――
店内に醸造設備を持つ「ブルーパブ」が最近人気だ。
各店限定で作る種類が豊富な高鮮度のビールを手ごろな価格で味わ
え、
街中にあるので仕事帰りなどに気軽に行ける。
そんな「うまい、安い、近い」点が、
地ビールに続く新しい地域密着型のビール系飲料
として受けているようだ。
(2012年9月26日 日経MJ)

最近2週間の新聞記事を探しただけでも、
上記のようなビールに関する記事があった。
記事だから、新商品(サービスも含めて)が紹介されるのは当然。
ただ、その内容が、「新しい飲み方」「地域限定商品」
「限定プレミアム商品」「独自醸造ビール」
であるところを見ると、
消費者ニーズの大きな変化を読み取ることができるだろう。
その変化とは、

主要ブランドへの盲信→ブランドの選択

ではないだろうか。品質だけで選ぶのではなく、
コスパを含めて自分の嗜好に合うブランドを選ぶ
ということである。
これまで主要ブランドを飲んでいたビール好きが、
イベントで地ビールを口にしても、
地ビールを定期的に飲むようになっても不思議ではない。

日本での地ビール人気がアメリカ・イギリスのように拡大すれば、
大手ビールメーカーも地ビールの動向を無視できなくなるだろう。
大手ビールメーカーによる、地ビールメーカー買収や
地ビール開発が起こってもおかしくない。

***************************
《今回のヒントのまとめ》

1)先進国での地ビール人気は、
大手ビールメーカーに販売戦略の変更を
余儀なくさせている。

2)従来は、規模拡大・ブランド削減により、
寡占化・利益率の拡大に努めてきた。

3)しかし、地ビール人気が無視できなくなると、
地ビールメーカーの買収・独自の地ビール開発・
主要ブランドのアイテム拡大に動いている。
アイテム数が拡大することにより、
マーケティングコスト・物流コストが上昇し、
利益率が低下することになる。

4)日本でも、大手メーカーによる限定ビール開発・
主要ブランドの拡充が見られる。この背景には、
先進国同様に消費者ニーズの多様化があるのではないか。

5)ならば、他の先進国同様、
地ビール人気が高まってもおかしくない。
大手ビールメーカーによる地ビールメーカー買収や
独自地ビール開発が起こっても、不思議ではない。

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最近、ワインを勉強しています。
それをアウトプットする意味でも、
ワインのサイトを始めました。
焦らず少しずつ作成する予定です。
http://wine.ryotarotakao.com/

◎Food @Kobe
今週末も、フード関連イベントが目白押し。

10月5日〜
11月4日まで神戸バルウィークが行われるようです。
http://kobe-barweek.com/index.html
特別メニューが食べながらお店を周り、
スタンプを集めるというパターン。
期間が長い分、機会を逃しそうで怖いです。

10月6日〜7日は、西宮酒ぐらルネサンスと食フェア。
http://www.n-cci.or.jp/event/121006sakagura2.html
利き酒ができるそうです。行きたいなぁ。

編集後記
地ビールを取り扱うコンビニも増えましたねぇ。
コンビニにあると、飲みたい時に手に入るのがいいです。
飲みたい時に手に入る、この機会を逃さないという点は、
コンビニの大きな強みなんでしょうね。

高尾亮太朗のツイッター⇒  http://twitter.com/ryotarotakao
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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
感謝・感謝・感謝です!
| 高尾亮太朗 | 食品 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
【597号】食品メーカーによるブランド付きモバイルゲームは成功するのか?
 

Cookie Dough Bites


◎本日のニュース

1)見出し
Child's Play: Food Makers Hook Kids on Mobile Games

【出典】
http://goo.gl/0KeHg


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2)要約
子供向けのお菓子などを製造する食品メーカーで、
ブランド名を冠したスマートフォンのゲームアプリを
開発する企業が増えている。
目的は、ターゲットである子供に直接宣伝するためである。

この背景には、子供に対するタッチパネル端末の普及がある。
文字がまだ読めない段階で、
タッチパネル端末の使い方を覚える幼児が増えている。
使い方を覚えた幼児は、

親のスマートフォンやタブレットを使って、
単純なゲームで遊ぶ。

食品メーカーにとっては、
モバイルゲームを利用するメリットがある。
そのメリットとは、テレビCMなどの従来の広告よりも、
モバイルゲームの方が低コストで開発できる点である。
また、従来の広告が子供よりも親にアピールしているのに対し、
スマホゲームの場合は、
子供に直接アピールできるメリットがある。

一方、
テレビやウェブ上では規制を受ける子供向けお菓子の広告が、
モバイル機器上では規制を受けないことに対し、
問題視する声もある。
これまで自主規制を行ってきた食品メーカーは、
商品ブランドを冠したモバイルゲームの配信に関して、
子供向けではないとして、自主規制の対象外としている。

◎キーセンテンスとその翻訳

3)キーとなる英文
U.S. food companies are reaching children
by embedding their products in simple and
 enticing games for touch-screen phones and tablets.

4)キーとなる英文の和訳
アメリカの食品企業は、タッチスクリーンを擁した
携帯電話やタブレット用の、単純で興味をそそるゲームに、
自社商品を埋め込むことで、子供に接触しようとしている。

5)気になる単語・表現
embed他動詞(プログラムやマイコン)を埋め込む、
〜の必須の部分になる
entice他動詞〜を誘惑する

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント
アメリカのおやつメーカーが、
自社ブランドのモバイルゲームを通じて、
商品の広告を行なっているというお話。
もちろん、そのゲームには、自社製品が組み込まれており、
ほぼすべてのゲームの名前に、ブランド名が冠されている。
ちなみに、
記事の中で紹介されているおやつとそのゲームは以下の通り。

【商品名→ゲーム名】
◯クッキードーバイツ(Cookie Dough Bites、
チョコレートチップクッキー)
→クッキードーバイツファクトリー(Cookie Dough Bites Factory)
http://goo.gl/Rjm3k

◯スーパープレッツェル(SuperPretzel、
プレッツェル)
→スーパープレッツェルファクトリー(SuperPretzel Factory)
http://goo.gl/kSvUQ

◯アイシーフローズントリーツ(Icee frozen treats、
パピコのようなシャーベットアイス)
→アイシーメーカー(Icee Maker)
http://goo.gl/mCwzX

どのゲームも、商品の製造プロセスを楽しむもののようだ。

子供向け食品を製造販売する企業が、
モバイルゲームに注目するのは、
次のような背景があるからだ。

1)ターゲットである幼児が、文字を読めるまでに
タッチパネルを使えるようになる。
2)タッチパネル端末が普及している。

1については、文字を読めない段階から、
幼児にブランドロイヤリティを植え付けることができる。
(恐縮する言い方だが)幼児の時から馴れ親しんだブランドは、
将来継続して購入する確率が高いので、
タッチパネルを使うゲームの効果は高いだろう。
ちなみに、幼児のタッチパネル使用に関しては、
次のような統計数字が掲載されてある。

【4〜5歳のIT機器利用状況について】
◯モバイル機器を利用する割合→37%
◯ノートパソコンを利用する割合→22%

ノートパソコンを利用する割合は、
12〜14歳の子供で約2倍の43%にまで増加するのに対し、
モバイル機器は47%と約27%の伸びに留まる。それぐらい、
幼児がモバイル機器を利用していることになる。

2については、特に説明はいらないだろう。
スマートフォンやタブレットだけでなく、
iPod touchの普及も、大きく影響している。

企業がモバイルゲームを広告に活用することで、
次のようなメリットを享受できる。

1)テレビCMよりも低コストで効果が高い
2)ターゲットである子供に直接アピールできる
3)テレビやウェブ上の広告規制を受けない
4)コンテンツそのものが広告のため、スキップされない

1に関しては、次のような数字が掲載されている。

ポップキャンディ・ダムダムポップス(Dum Dum Pops)の
モバイルゲーム開発費は、1万ドル未満。これは、
土曜朝に30秒のテレビスポットCMを4回流すのと
同じぐらいのコスト。

テレビCMならば4回しか流せないのに対して、
モバイルゲームは継続して配信する限り、
永久に利用することができる。しかも、
モバイルゲームはテレビCMよりも接触頻度が高いために、
効果も高い。費用対効果が高いことになる。

2については、従来の紙媒体の広告や店内ディスプレーでは、
商品のターゲットである子供よりも親が目にする場合が多い。
一方、モバイルゲームでは、子供自身が利用するので、
子供に直接アピールできる。
商品のターゲットに直接アピールできる方が
高い効果を期待できるので、モバイルゲームに軍配が上がる。

3について、記事によると今論争を呼んでいる模様。
スナック菓子や甘い飲料やお菓子の広告は、
テレビやウェブ上で展開する際に、制限を受けてきた。
その理由は、子供はCMの影響を受けやすいからである。
例えば、週末の子供向け番組のCMでは、
番組1時間につき10.5分までに規制されている。
また、子供の肥満問題の深刻化により、2006年には、
大企業が広告の自主規制を始めている。この自主規制とは、
より体にいい商品の広告に努めるというもの。

一方で、広告の自主規制を行う企業は、
モバイルゲームを通じたマーケティングへの関心を高めている。
企業の言い分は、宣伝広告のためのモバイルゲームは、
親がダウンロードするアプリなので、
子供向けの広告に当たらない。
だから、規制対象外になる、という。賛否はあるにしても、
規制を受けないことが、食品メーカーが
モバイルゲームを活用する要因になっているのは、事実だろう。

4については、特に記事には明記されていないが、
モバイルゲームには、CMスキップなど広告回避を免れる
効果が期待できる。
コンテンツそのものが広告宣伝の役割を
果たしてくれるからである。

最後に残るのは、保護者である親が、
商品ブランドの入ったモバイルゲームをどう思うかについて。
企業が広告宣伝に活用するだけあって、
この手のモバイルゲームは無料で遊ぶことができる。
一方、ソーシャルゲームは、無料で始めることができても、
継続して楽しむためには追加料金がかかる。
この追加料金は積もり積もれば、
バカにならない金額にまで積み上がる。この点を考えれば、
親は商品ブランドの入った無料モバイルゲームを選好するだろう。
親の手を掛けずに勝手に遊んでくれるという、
メリットもある。教育上問題があるにしても、
商品ブランドの入ったモバイルゲームは、
親には好都合の商品となる。

このように、企業にとっても親にとってもメリットがあり、
もちろん遊ぶ子供は楽しめるというメリットがあるので、
商品ブランドの入ったモバイルゲームは今後増える事が予測される

(もちろん、広告規制をクリアする必要がありますが。)
日本に上陸する日も、近いかもしれない。

***************************
《今回のヒントのまとめ》
1)子供向け食品を製造販売する企業が、
モバイルゲームを用いて自社ブランドの広告宣伝を
行なっている。

2)この背景には、文字を読めない段階から
タッチパネルを使える幼児が多いことや、
スマートフォンやタブレットなど
タッチパネル端末の普及がある。

3)企業がモバイルゲームを活用するのは
費用対効果が高く、子供に直接アピールでき、
広告規制から外れ、広告回避から免れるという
メリットがあるからである。

4)一方、親も商品ブランド付きモバイルゲームを
受ける可能性は高い。それは、
追加料金のかかるソーシャルゲームとは違い、
無料で済むからである。また、子供がゲームをすることで、
親の手を離れてくれるというメリットもある。

5)広告規制の問題はあるが、
企業・親・子供にとってメリットのある
商品ブランド付きモバイルゲームは、
今後増えていくのではないか。
日本への上陸も近いかもしれない。

*************************

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大関さんのアンテナショップで買った日本酒です。
近くのお店で売っていないのがネックですが、
飲みやすいし手ごろな値段なので、
普段飲みにぴったりです。

編集後記
こんな記事書きましたが、
個人的には子供にはモバイルゲームをして欲しくないですね。
それどころか、スマートフォンさえ持って欲しくありません。
(ちなみに、私も今持っているフィーチャーフォンで充分。)
世間を知らないままインターネットの世界に入ると、
あまりよくない結果を招くように感じます。
こういう考え、古いのかなぁ。

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| 高尾亮太朗 | 食品 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
【587号】アメリカでりんご酒市場が急拡大する理由とは?
 

りんご酒By dannipenguin


◎本日のニュース

1)見出し

Old-Fashioned Hard Cider Makes Comeback

【出典】

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2)要約

大手ビールメーカーによる、アメリカのりんご酒市場への参入が
増加している。その背景には、全米のりんご酒市場の急成長と
ビール市場の縮小がある。実際、過去10年で、
ビールからリキュールやワインに切り替える消費者が増えている。
また、りんご酒市場に参入することにより、
甘いお酒を好む若者や女性への販売を伸ばすことができる。

具体的には、ハイネケン社が、全米りんご酒市場の

2位ブランド・ストロングボウの販売を引き継ぐとされている。
ハイネケンは、

ビール流通で気づいた何百にも及ぶ卸ルートを通じて、
ストロングボウを販売し、売上拡大を目指す。その他にも、
ビールの米国シェア2位のミラークアーズ社、
同1位のアンハイザー・ブッシュ・インベブ社、
サミュエルアダムスのボストンビール社が、今年参入している。

全米のりんご酒市場は、その歴史的経緯もあり、

4年連続2桁成長を続けている。
大手ビールメーカーの参入もあり、
今後5年間で市場は4倍に成長すると期待されている。

◎キーセンテンスとその翻訳

3)キーとなる英文
Now the storied beverage made from fermented apples is
 enjoying a renaissance―increasingly lifted by big brewers
 tapping into the small but fast-growing category
for a new revenue stream after U.S. beer shipments dipped
in the past three years.

4)キーとなる英文の和訳

現在、発酵されたりんごから作る歴史のある飲料は、
復活を享受している。
その復活には、小規模だか急成長する市場に参入する
大手ビールメーカーが大きく寄与している。
大手ビールメーカーは、全米のビール出荷量が
過去3年間で減少する中、新たな収益源を求めて参入している。

5)気になる単語・表現

story他動詞〜を歴史の絵で飾る
ferment他動詞〜を発酵させる
renaissance名詞新生、復活;再生
tap into自動詞句〜に入り込む
stream名詞小川、流れ
dip自動詞(水などに)ちょっと浸る;(物・んだんなどが)
下がる、(売上などが)下がる

◎記事から読み取った今日のヒント

6)ビジネスのヒント
大手ビールメーカーが、全米りんご酒市場に参入する理由は、
以下の3点である。

1)ビール出荷量が減少する一方で、

リキュール・ワインの販売量が増加しているから。
2)甘い飲料を好む若者に販売するため。
3)女性に販売するため。

アメリカでも消費者のビール離れが進行している。

実際、過去三年間のビール出荷量は減少。
ビールの販売だけに依存していては、
全米での売上はジリ貧である。だから、
ビール以外の市場に目を付けることになる。

りんご酒市場に目を付けたのは、
甘いアルコールに人気があるから。
リキュール・ワインなど。その傾向は、特に20代・
30代の若者に顕著。
ビールではリーチできない若者層をりんご酒のターゲットにしてい
る。

さらに、
年齢だけではなく性別でもビールでリーチできない層がある。
それは女性。ビールの消費者の80%が男性なのに対し、
りんご酒は男女半々。りんご酒を販売することで、
女性への売上を拡大することができる。

大手ビールメーカーによる全米りんご酒市場をまとめると

、次のようになる。

◯ハイネケン社(Heineken NV)→全米2位ブランド・

ストロングボウ(Strongbow)の米国国内での販売を、
バーモントハードサイダー社(Vermont Hard Cider Co.)から
引き継ぐ予定。バーモントハードサイダー社は、
全米1位のウッドチャック(Woodchuck)を製造。
◯ミラークアーズ社(MillerCoors LLC)→ミネアポリスの
クリスピンサイダー社(Crispin Cider Co.)を今年始めに買収。
クリスピンサイダー社は、
2008年にりんご酒市場に参入した新興企業。
◯アンハイザー・ブッシュ・インベブ社(Anheuser-
Busch InBev NV)
→今年5月、新ブランド・
ミシュロブビールで低カロリーりんご酒を発売。
◯ボストンビール社(Boston Beer Co.)→今年4月、
りんご酒ブランド・アングリーオーチャード(
AngryOrchard)を全国発売。

※アンハイザー・ブッシュ・インベブ社は、
全米ビール市場でシェア1位。
ミラークアーズ社は、同2位。ボストンビール社は、
有名ビールブランド・サミュエルアダムスの製造者。

今年に入って、大手ビールメーカーによるりんご酒市場参入が

始まったということが、わかる。

全米のりんご酒市場は、小規模である一方、

その成長率の高さが際立っている。市場規模は、
ビール市場の0.5%未満で600万ケースほど。しかし、
その成長力の大きさは、以下の数字が物語っている。

◯4年連続2桁成長

◯2011年小売売上高は4億4880万ドルで、
2010年より23%増加。
◯今年7月中旬までの累計では、昨対比56%増加。

特に、今年の成長率の高さは凄まじく、
2011年の2倍のペース。
この成長率の高さに大手ビールメーカーの参入が大きく影響してい
る。
次の数字を見れば、その影響力の大きさがわかる。

◯全米りんご酒市場の今年増加分の85%は、

アングリーオーチャード・ミシェロブウルトラライトサイダー
・ウッドチャックが占める。
◯クリスピンは、今年150%成長のペースで売上が増加中。

アングリーオーチャードはボストンビール社が、

ミシュロブウルトラライトサーダーはアンハイザー・ブッシュ・
インベブ社が、
クリスピンはミラークアーズ社が販売。ウッドチャックは、
全米ナンバーワンブランドである。

トップブランドと大手ビールメーカー販売ブランドが、

全米りんご酒市場の拡大を牽引していることがわかる。
今後、大手ビールメーカー・
ハイネケン社がストロングボウの販売を始めると、
りんご酒市場はさらに拡大するだろう。実際、今後5年間で、
市場は4倍に拡大するとの予測もある。

一見、大企業が新市場に参入すると、競争が激化するので、

既存企業は苦戦が予想されるように思われる。しかし、
その市場規模が余りにも小さい場合は、競争激化よりも
市場拡大の方が期待され、既存企業はパイの拡大を享受できる。
大企業は、その豊富な経営資源を使って、
市場の認知度を高めるために寄与してくれるからである。
特に、固定費の小さな中小企業が主体の市場の場合、中小企業は、
パイが拡大すればそれほど大きなシェアを獲得しなくても、
十分やっていける。大企業の参入は、
既存企業にとって一概に悪いこととは言えないのである。

(参考サイト)

Strongbow http://www.strongbow.com/
Woodchuck http://www.woodchuck.com/
Crispin cider http://www.crispincider.com/
Michelob beer http://www.michelob.com/
AngryOrchard http://angryorchard.com/

***************************


《今回のヒントのまとめ》

1)全米りんご酒市場に大手ビールメーカーが参入している。
2)その理由は、ビール出荷量が減少傾向である一方で、
りんご酒市場は拡大しているからである。また、
りんご酒を販売することで、甘いお酒を好む若者や
女性にリーチできるからである。
3)大手ビールメーカーのりんご酒市場参入は、
既存企業にとって競争激化をもたらす。しかし、
それ以上に市場拡大を享受できるので、歓迎されている。
その結果、りんご酒市場は、その成長のペースをさらに加速し、
今後5年間で4倍の市場規模に成長すると予測されている。
4)このように、
大企業が規模の小さな市場に参入することによって、
競争激化よりも市場拡大がもたらされる。
特に、中小企業が主体の市場の場合、
市場拡大の影響の方が大きい。
5)大企業の新市場参入は、
既存企業にとって一概にマイナスというわけではない。

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◎Food @Kobe

昨日食べたのが、こちらのかき氷。
http://goo.gl/mqCny

グルメ雑誌に載るお店だけあって、格別の美味しさでした。
さらに、お手頃価格なのも嬉しいところ。
少し不便な場所にありますが、
神戸で氷食べるならここだと思いますよ。
ちなみに、お客さんは圧倒的に女性が多いです。
あかちゃ家 http://akachaya.jp/

編集後記

ショッピングセンターでは、扇風機のセールを見つけました。
そこで、セールを期待して無印良品に寄ってみたところ、
こちらは定価販売。
強気のように見えますが、
それだけブランド力が強い証拠でもありますね。

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
感謝・感謝・感謝です!
| 高尾亮太朗 | 食品 | 19:00 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
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高尾亮太朗

1975年兵庫県姫路市生まれ。白鳥小学校・淳心学院・駿台予備学校神戸校・早稲田大学政治経済学部に進む。大学進学時に政治家を志し、早大鵬志会に入会。・・・続き
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